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リクエストにお答えして再掲載します
店舗専門不動産開業顛末記
「出逢い マッチング」
著者 山田 茂
物語としてもリアルティが胸を刺すと評判です。
一気に読みたい方は 下記キャンドから

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キャンペン中
★2024.5.7 再掲載開始★
第8章 人生観変わる
14.申込人、直接交渉する
翌日も朝一番で一棟賃貸申込会社の社
長から電話が入った。交渉中なので少
し時間を下さいと、伝えて電話をきっ
た。少し前、同じ物件でスタジオで一
棟使用の申込を入れたが、賃貸人が申
込法人がアダルト系をやっているので
断られている。結構、伝統のある賃貸
人で色々と業種を選びそうな方針なの
だ。そんな経緯もあって、押し付けて
無理なのが判っているのだ。どうにか
申込人が理解したのか連絡が5日ほど、
切れて、ほっと、しているところその
物件の管理会社から電話があり、直接
交渉に来ていますが、聞いていますか
と、確認があった。交渉が遅いと、の
理由で直接かけたと、言っているとい
う。これからは業者を外して直接交渉
したいと言ってきたと。管理会社も、
お客さんが、言っているので従います
と、気を置けない返事なので、正直驚
いた、というより、カチンと、来た。
こんなことは、わからない内に進んで
後で分かったことは、あるが、完全に
あからさまにやられると、ちょっと、
待ったと言いたい。申込人の社長に電
話するけと、繋がらない。
間もなく、社長の代理人という人から
メールが入った。経緯を説明したメー
ルを返信すると、忙しいので相手にで
きませんと、返信メールが来た。自分
から代理人と言っておきながら、相手
できないと、少し常識のない会社と判
断し、今までの経緯から、おそらく、
賃貸人の承諾をもらうのは難しいだろ
うと、予想し、しばらくほおってく事
にしたが、どこかいらだつ気持ちが抑
えきれんかった。
(次回に続く)
13.早くも宿泊施設の要望
先日、秋葉原の電気街のはずれの事務
所ビル一棟7階建てを紹介した会社の
社長と担当者(女性)の朝からの訪問
を受けた。本業は派遣会社だが、社長
意向でメイドカフェ・スタジオ等をや
りたいので申込に来たという。社長は
中々のはったりやで、意気軒昂に将来
を語っていた。担当者は、またかと
、思いつつ聞いて頷いてるように見え
る。早速申込書に記入捺印してもらっ
たが、結構家賃の指値がきつい。申
込人が帰ると、すぐに交渉に入った。
管理会社の担当に申込書をメールし、
回答を待った。午後一番に申込人から
早速電話があり、検討中と回答すると
、急いでくださいと、催促された。夕
方、申込人の担当者が急に来社し、宿
泊の営業も、考えているので含んでお
いて下さいと、いいのこして珈琲も飲
まないで帰った。忙しい会社だなと、
思っていると、帰り際、また、社長か
ら、宿泊の事を念を押された。どうも
メインは宿泊施設なのだと、思い、管
理会社に連絡したが、もう帰っていな
かった。メールでその旨を申込人の担
当に送っておいて、事務所を後にした
。急にらーめんが食いたくなり、外神
田4丁目の当社で管理している店によ
って味噌味を食べた。狭い店は満席で
繁盛しているらしく、店員も4人もい
たが、店主は留守だった。驚くほどの
味ではないが、場所で売れていると、
店主が、前、冗談ぽく言っていた。
(次回に続く)
12.課題とのマッチング
店舗の居抜き売却の相談は、今のとこ
毎月、コンスタントに相談があり、順
調とはいかないが、それなりにある。
ただ、最近になって訪問しても委任契
約に至らず、検討とういうケースが、
いくつかあった。近くに行った際に確
認するとまだ、営業している。同業者
もかなり増えているので、様子を見て
いるかもしれない。最近は、造作売買
手数料を無料のところもある。造作売
買の手数料は、特に規定がないので、
商習慣として以前は、売買とみなして
3%をもらったり、価格の10%だった
り、各社まちまちである。最近は、H
P上に料金を表示しているケースが多
い。依頼主としては、少しでも高く売
って手数料は安いほうがいいに決まっ
ている。それをクリアして初めて委任
契約に至る。多くの同業の中から選ば
るわけだから、委任を受けた場合は
、ありがたいことなのだ。改めて、そ
う思う。その意味で、FCに加盟する
のは、ブランド力の効果がすごいかも
しれない。しかし、残念ながら店舗専
門不動は、現在募集しているFCと、
馴染まないのである。まったく別の
業種位に違うのである。結果的に、加
盟は、結論出せないでいる。中々、課
題を解決する方法が、マッチングしな
い。
(次回に続く)
11.二度とお目に掛かれない売買物件
突然飛び込みで来社した神田の同業の
営業マンの顔色がさえなかった。珈琲
を入れて出すと、枯れた声で、最近、
調子はどう?と、聞いてきた。去年並
ですよと、答えると、相変わらず頑張
っているねと、お世辞を言った。少し
間があいた。営業マンが、実は、秋葉
原の売買物件の決済が伸びて、昨日か
眠れなくて、一寸、辛いんだ。その筈
である、その物件は、耳にしていたが
、おそらく二度とお目に掛かれない金
額の物件で、買い手が見つかったと、
聞いていた。まさか、あなたが、客付
したのとは、聞けなかった。しばらく
世間話をしていると、営業マンの顔色
が良くなってきたので、酒でも誘うと
思ったが、本人が一人で行きたいとこ
ろがあるというので、間もなく帰った
。その会社は、神田では珍しく、FC
に加盟していて、毎日が忙しさに追わ
れていやになると言っていた。そのF
Cは、先日加盟店説明会に参加した、
2社の一つである。その大きな売買
が決まったら、管理を任せてもらい
別会社を作って、じゅっくり仕事を
したいと、嬉しそうに語っていた。
間もなく、その物件が契約になった
と、他から聞いた。本人からの報告
は、なかったが、本当によかったと
、心から思った。その後の営業マン
の活躍のうわさが、事務所まで届く
迄、時間はかからなかった。
(次回に続く)
10.不動産FC説明会
参加しませんか、という誘いに乗って、
不動産のFC加盟説明会に行った。
最初は、大手のFC組織、もう一つは、
新興の勢いのあるFC組織。
FCの特徴
1.全国組織による情報
2.賃貸・売買等総合不動産
3.すべての管理の進んだコンピュータ化
4.ブランドによるメリット
5.FC同志の交流と信頼性
6.全国レベルの経験と競走による刺激
7.費用負担は、安くない
8、勧誘の殺し文句
「単体で生き残る時代は
終わった」
以上、説明会を一通り聞いて、まず、
店舗専門不動産と別の不動産部を作ら
ないとダメだと思った。もう一つは、
埼玉県の私鉄沿線で、FCに入り、
複数の駅を独占している同業の話も
地元で聞いている。競争の激化して
いる今日、物件確保すると、いう命
題も解決してくれるかもしれないと、
いう期待感。
そんなことを考えながら会社に戻り、
FCの資料を珈琲を飲みながら復習
しているところに、同業の予約なし
の訪問を受けた。
(次回に続く)
9.飲食店を完全に任す
事務所から5分ぐらいのところに6坪ほ
どの店舗を死に物狂いで頑張って繁盛
店にした店主が、7年間で計3店舗出店、
現在は、すべての店を完全に任せて各
店から固定給を受け取って生活してい
る。任されているほうから見ると、給
料が家賃見たいのものだ。だが、開店
費用は掛からず営業も繁盛店の引き継
ぎもあって、それぞれ結構流行ってい
る。誰でも、出来そうなことだが、中
々大変である。それなりの資質がない
と難しそうだ。横から見ていると、妥
協しない、とことん理詰めで会話をこ
なし、信頼したらとことん信頼する。
それと、相手の立場も尊重し、譲る時
は、きちっとする。それと結果的には
人を愛し仕事も一生懸命だ。やがて、
8年になるそうだ、と言っていた。任
された店主も、結構うまくいっている
ので他に店を出したりしているが、こ
らは、どうゆうわけが、早めの撤退に
なるらしい。やはり、飲食店は、甘い
時もあるが激辛の時もある。そこが面
白いと、言うとしかられそうだが、世
間なのだ。任された店と新規開店の店
は、違いがあるはず、そこの認識をど
こまで確認し企画するかである。意外
と難しいのだ。任している店主による
と後、10年は継続でいるとみている、
という。任す人、任される人、この違
いをこれから観察して、機会があった
らお伝えしたいと、思います。
(次回に続く)
8.仲介料
不動産の仲介手数料は、賃貸の上限が
賃料の1ヵ月分、売買の上限が6%と、
決まっている。賃貸で30坪5階の店舗
の場合、賃料が50万であれば手数料は
50万円であるが、同じ物件で一棟貸し
になると、例えば6階建の場合だと、
およそ賃料が350万円になる。当然、
手数料も350万円になる。契約に伴う
作業は、ほとんど変わらず、数字上の
違いだけである。新人の頃、このこと
が、ピンと来なかった。同じ作業なの
手数料が違うのか、不思議な感覚たっ
た。支払う方も当然のように支払い、
契約が成立する。売買でも同じことが
いえる。3億円のビルと6億円のビル
を仲介し、両手になると、1,800万円
と3,600万円になる。これも作業は、
そんなに変わらないが、仲介料の差は、
何なのかと、いつも、思いながらも
契約を締結する。勿論、仲介した以上
、不動産業者としての責任もあるが、
調査・時間とも業法通りにするなら、
違いは、そんなにない。だから、本当
は、有難い話なのだが、ここが、不動
産業の怖い処なのかもしれない。
(次回に続く)
7.名言
現状の規模の経営を維持する仕事量は、
継続できて、震災後も、順調とはいえ
ないが、確実に推移している。古いタ
イプなので賀状や暑中見舞いのハガキ
は、毎回だし、最近特に戻るハガキが
多くなった。長年やっているのでかな
りの枚数になる。元、住職が経営して
いる同業のハガキは、面白く毎回楽し
みにしている。そんな中、世田谷の土
地を沢山所有している2代目と、ファ
ミレスに賃貸した物件で、縁があり、
時々ぼやいていることがある。土地を
持っていると、相続のたびに納税し、
固定資産税を払うために投資をし、ま
た、税を払う。その度、思うことは、
国から土地を預かって管理運営して、
税を払うのを毎年繰り返し、生活費を
もらっているような気分になると。
あまり嬉しそうでなく、疲れているよ
うな言い方なのだ。本当のことは、よ
く判らないが、そうゆう側面もあるか
もしれない。そんな時、いつも、仲介
に始まり仲介に終わる、の原則を思い
だす。まさに名言であるが、果たして
今後も名言なのだろうか。
(次回に続く)
6.時と場所の運を生かせるか
少人数による営業体制・固定制の経費
等、決算書を改めてみると、多少の増
減はあるもののほとんど5年間分の数
字が変わらない。不思議に売買が決ま
ると自然に賃貸のほうが調整されて、
辻妻があっている。安定はしていると
いうものの経営的にみると当然物足り
ない。これが、現時点での経営者とし
て才能の限界なのだ。大きくしたい、
No.1になりたい、かつてのそうゆう
希望も薄れてきているし、自信もな
い。店舗専門で大きくする方法は判っ
ているが、それが出来ない。不思議な
感覚である。今は、確実性を楽しんで
いる気がする。専任物件をうければ、
100%契約になる、そんな気持ちなの
だ。この業界では、多少の実績があり、
秋葉原という地域も恵まれている。良
く、運がいいねと、同業から言われる
。確かに仕事を楽しみながら大企業並
みの勤務状態を続けられ、大金は、な
いが資金も困らない。本当にありがた
い時と場所を得られたと思う。問題は
これからである。これをどう発展させ
るかが、本当の経営者なのだろう。
(次回に続く)
5.ネット集客講習会
インターネット上の競争が増々強まる
中、ネット集客の講習会に、担当の事
務員と久しぶりに参加した。東京駅か
ら5分ほどの会場は、テーマ別になっ
ており、それぞれ盛況だった。集客の
最先端企業の報告会に参加した。2社
の代表者が発表した。最初は荒川区で
賃貸・売買でうまくいっている例で、
何でも、同業者が少なくネットも活発
でなく、希少立地なのが印象に残った
。ネットを初めて導入したことを思い
出しながら聞いていた。次は、神奈川
の東横線で中古マンション販売専門の
同業の若い社長だった。東横線の複数
に駅を絞って手数料半額がウリだった。
報告を聞いていて、そんなに余裕のあ
ある感じは、なかった。結局、的を絞
り、手数料半額で集客率を上げている
ことになる。そんなに目新しい事では
なかった。今回の講習会で、はっきり
と、方向性が、従来予想していた事で
間違いないと、確信をした。そういう
意味では、参加してよかったが、少し
残念でならなかった。
(次回に続く)
4.たばこの煙に咽る
外神田の売買物件、3億円で纏めてく
れませんかと、お茶に口もつけないで
社長が口を開いた。今迄、数件売買で
契約しているが、今回は、珍しく急い
でいる。何か理由がありそうだが、売
主には関係ないので、努力してみます
と、答えて、しばらく世間話をして、
少し、落ち着いたころ、急ぎますねと
、確認すると、急ぐ理由を語り始めた
。結局、この売買は、纏まらなかった
。価格差がどうにも、埋まらなかった
が、売主に訪問して顧客がいることを
報告したことが、二年後の同じ時期の
梅雨明けの暑い時に、売主の事情が変
わって打診があり、売買が成立すると
は、夢にも思わなかった。
買主に、価格が、折り合いつきません
と、断りの連絡をして、1週間ほどす
ると、近くの同業の社長から2億円弱
の売買物件を紹介された。少し売買物
件づいてきた、珍しい事である。早速
4億の売買がまとまらなかった社長に
連絡をいれて、明日の返事を待った。
帰り際、久しぶりに喫茶店にはいって
珈琲を頼んで週刊誌を開いた時、たば
この煙で咽が、しばらくせきが止まら
ず息が苦しかった。先日も同じような
経験をした。胸が熱くなって、熱があ
るような感覚だった。
(次回に続く)
3.全ての壁が崩れる
同業者の来社の内容は、ほとんどが愚
痴である。ネット対応の遅れを、ネッ
ト業者の性にしたり、若い業者が、専
任物件の賃貸人にアタックして常識が
ないとか。震災がきっかけになり、色
々な壁が崩れたのかもしれない、そん
な気がする。地元密着、ネット不採用
で頑張っている同業もいるが、時代の
流れはネットを中心に進み、今では、
ネット同士の淘汰が起こり、今回の震
災でより深刻になったようだ。うかう
かできないのだ。震災後の契約数は2
ヵ月目で、すでに回復しているが、ど
こか空気が乾いているような雰囲気が
ある。この感覚は、果たして世間でも
感じているのだろうか。とにかく、ネ
ット専門の同業が増え、近くの上階の
事務所にいつの間にか出店しているの
を、発見することが多くなった。不動
産の開業は、そんなに難しくないし、
費用もかからない、後は、継続できる
かだ。帰り際、震災前から地元の売買
物件を紹介しておいた社長から連絡が
あり、今から来社することとなった。
切ったポットの電源を入れ直し、お茶
の準備をして待った。
(次回に続く)
2.同業者の来社増える
1カ月程すぎると営業サイクルが戻り
どうにか震災の前に戻った。とは言っ
ても被災地をはじめ関係者にとってこ
れからが大変なのだ。簡単に進むもの
でない。戦後の65年間平和でいられた
のも憲法があったから戦争に参加でき
ないからだ。ありがたいことである。
原発もコントロールできない事が、わ
かっていながら何故、廃止できないの
だろう。資本主義の利益がでるなら、
何でも商売にしてしまう本質が、そう
させるのか。使用済みの燃料も処理に
莫大な費用と時間がかかる、いや、処
理出来ないかもしれない。何処の地域
でも、おそらく賛成しないであろう。
そんなものに、莫大な予算を計上して
果たして日本はまともに歴史を進める
ことができるのだろうか。そんなこと
頭の中によぎるこの頃である。歴史は
進むと、学んできた。ならば、早く進
んだ方が、いいと思う。そんな中、同
業者の来社や電話が、やけに増えて来
た。
(次回に続く)
1.震災の影響
東日本大震災の翌日・翌々日は、自宅
で過ごした。停電のお知らせが相次い
が、運よくこの地域は停電にならなか
った。被害がどんどん大きくなり地震
と津波と原発の三重奏でとんでもない
こと少しずつ伝ってくる。
よく月曜日は、交通網が乱れていて会
社に行くか迷っていたが昼頃、竹ノ塚
から上りが動き始めたとの連絡が入り
どうにか苦労したが会社にたどり着け
た。乱れた室内を整頓していて、地震
の大きさが改めて感じた。60㎝奥行
きの棚が1m以上ずれているのだ。普
通はあ得ない。ほぼ片付け終わって、
一人で珈琲を飲んでいると、携帯に、
震災前日に近くの8階建一棟を契約し
社長から連絡があり、解約したいの
で、協力してくれと、しかも、無償
却で依頼された。勿論、家主は、契約
書通りですよと、当たり前の返事だっ
た。秋葉原に複数店舗を構えて、震災
で土・日、お客がほとんど来なかった
ので慌ててしまったのだ。結果的に解
約しないで継続したが、今日も営業し
ている、ので、正解だったのだ。
契約予定の物件のキャンセルが、複数
出た。仕方がないので、関係者に事情
説明して、納得してもらった。しばら
くは、仕事にならないと、腹をくくっ
た。
(次回に続く)
58.運命の出会い
この広告代理店を社長と一緒に育て
社員教育や募集活動しながら時を過
ごす中で運命の出会いが待っていた。
初めて自分の意志で答えを出し、独
立開業し、無事25年間、楽しく、経
済的にも安定してすごすごとが出来
本当に心から・・・・・・・・・
この物語は、ここからスタートに戻
り始まる・・・・・・・・・・・。
はっと、我に返った。
少し熱くなってきた太陽が光を浴び
せ、汗ばんできた。ここは旧4号線
の谷塚あたりで間もなく草加に入る
あたりだった。東日本大震災の翌朝
の十時ごろになっていた。革靴は、
少しみすぼらしくなり、足底に豆が
出来たらしく痛かった。車の音が後
ろから聞こえたので振り向くと、タ
クシーだった。思わず手を上げると
止まった。回送と表示してあったが
同情したらしく乗せてくれた。ほっ
として家族に電話を入れ帰宅を知ら
せた。全員無事で何よりだった。
南千住から4時間ほど歩き、今、タ
クシーで自宅に戻る途中で、何かが
変わったような、4時間が10年たっ
たような、不思議な感覚がわいてき
た。大げさに表現すると、歴史が動
いたような個人の力ではどうにもで
きない自然の法則が作用したような
経験だった。
(次回に続く)
57.先輩の独立
電話広告営業の仕事は、結構向いて
いるらしく、契約も予定より多く取
れ報奨金もでたりして、夜、先輩と
居酒屋で飲むようになった。そんな
ある日、一番こわそうな、背の小さ
く太っていて、成績の良い先輩から
初めて、誘われて喫茶店で話をした
。近い将来広告の会社を立ち上げる
ので協力の依頼だった。中々、理論
整然として、今よりも間口を広げて
やりたいとの熱弁を聞いた。すごく
素直に聞けたのと、今の会社は、ま
だ新人なので遠慮もなかった事も有
り簡単に承諾した。それに会社を立
ち上げるプロセスも見れるし、勉強
になると思い、悩まなかった。社長
の片腕となってほしいとの希望だっ
た。1カ月ほど勤務しながら秘密裏
に進め、今の会社からは社員は採用
しないで、独自に募集することに決
めた。この出来事が、近い将来に一
生の仕事に出会えるきっかけになる
とは、夢にも思わなかった。
(次回に続く)
55.NEXT
難航した引き継ぎ交渉も、どうにか
解決、3か月後の引渡となった。青
図委託会社の承諾も取れ、飯田橋の
出張所として再出発となった。少し
安堵したが、次の仕事を決めなけれ
ならない。すでに飯田橋の同業の営
業マンが動きだしたのでほとんどや
ることがなかったので、色々、情報
を集めたり、募集広告で面接に行っ
た。青図営業で少し貯えがあったの
で生活は、心配ない。いざ仕事探す
とやりたい仕事は中々ないもんだ。
植物性の錆取剤の販売代理店募集の
広告が気になり、説明会に行ったが
販売方法が、店頭販売がメインにな
り、ピンと来なかったので、やめた。
業界紙の営業とか、消火器の訪問販
売とか、いずれも展望が見えなかっ
たので、行かなかった。2ヵ月ほど
立った時、電話による広告取材営業
という募集広告が目に留まり面接に
行った。神田駅から10分ぐらいの
古い事務所で10人ぐらいの社員が
電話営業をしていた、聞いていて
うるさかった。この会社に勤務す
ることになったが、ここの営業マ
ンとの出会いが結果的に人生を変
える事となった。
(次回に続く)
54.引き継ぎ、難航
夜7時、飯田橋の駅近くの喫茶店に
飯田橋の同業者の社長とバイトの3
人で打ち合わせをした。青図事業の
引き継ぎの件である。バイトは、飯
田橋の同業の社内を事前に内見して
安心してこの会話の望んでいる。同
業の社長は、前回と違って、ほとん
ど喋らないで聞き役に回って、渋い
顔をしてこちらの様子をうかがって
いた。バイトの雇用条件、撤退に伴
う保賞条件、引き渡し時期等、意外
と隔たりがあり、簡単には、決着つ
きそうになかった。来週もう一度、
打ち合わせすることで、別れた。価
値観の違いが思ったよりも大きい。
バイトと二人で居酒屋に入り、食事
を兼ねて一杯飲んだ、バイトが、自
分の事は、あまり、気にしないで、
進めてくださいと、気配りを見せた
。飯田橋は、サラリーマンでごった
返していた。
(次回に続く)
53.その時が、来た
近い将来を見据えて、売り上げUP
と本店の開店を目指していろいろと
挑戦しながら一所懸命努力して、現
状の継続という目で見ると、ある程
度満足するが、やはり、本店を開店
する立場で見ると、予定通りいって
ない。青図以外の仕事が安定して確
保出来ないのだ。月日の流れるのは
早いもので、飯田橋の同業の忠告か
らすでに半年が過ぎ、胸にズサリと
刺さったまま抜けない。そろそろ限
界に来ているのかもしれない。本人
には自分が見えないものだ。成長す
る企業は、大変だと思うが、スピー
ドが早いし、タイミングも良いのだ。
悲観ばかりしていても仕方がないが
物事には、必ず潮時がある、その時
来ているのかもしれない。バイトの
ことも考えないといけない、中々優
秀な男なのでこのままでは、つぶし
かねない。久しぶりに、六本木の美
容室に行って気分転換して、一回頭
を空にしてみたいと思った。
(次回に続く)
52.バイトの提案実る
新しいサービスで、バイト提唱の図
書券プレゼントを始めた。毎月一回
青図営業訪問時、くじを引いてもら
い一等一名10,000円分、二等三名
5,000円分の図書券をプレゼント。
単純であるが、同業者がやってない
ので面白いと思って実行した。
最初は、担当者も笑っていたが、い
ざ当選してみると、だんだんその日
を楽しみにしている様子が分かった。
仕事を同業者に流さないという意味
では、効果がはっきりした。しかし、
新規開拓には、中々結びつかない。
バイトにそのことを報告すると、新
規営業の枠を設けたらどうですか。
なるほど、新規訪問数が10社とする
と、同じように賞品を設定すれば、
当選が4割になる。仕事が取れても
取れなく手も当選したら賞品手渡す。
これは、仕事に結びつかなかったが
喜ばれた。3カ月ほど繰り返してい
内についに、新規が3件増えて、ト
ータルの賞品額よりも売り上げが上
がり、バイトの提案が実った。一部
を報奨金として、バイトの給料に加
えて渡すと、素直に喜んでくれた。
その後も、バイトからのサービス提
案が色々あり、業績に貢献した。
(次回に続く)
51.政党機関紙
建築関係の仕事をしていると、労働
組合の活動に時々、出くわす。当時
の都知事は美濃部さんで、社会党・
共産党が一緒になって応援していた
のを覚えている。その影響で政党の
機関の読者になり今でも続いている
。不思議に思ったのは、今はときめ
きの将棋の藤井4段も勝ち上がって
いる新人王戦の主催が日本共産党の
機関誌「赤旗新聞」なのだ(囲碁
の新人王戦も)。当時の感覚では、
全く理解できなかった。新人王戦は
将棋(囲碁も)の登竜門で、一流
の棋士は、ほとんど優勝している。
その他の棋戦は、朝日新聞をはじめ
一般の新聞社が主催している。だ
から、将棋や囲碁の世界では、赤旗
新聞が当たり前なのだ。以外と思う
方も多いと思う。だが長年読んでい
ると芸術・文化に対する対応がすご
く進んでいるのが良く理解でき、素
晴らしい新うようになった。今では、
読まないと、忘れ物をしたような気
分になり、必需品となっている。参
考までに記しました。
(次回に続く)
50、新サービス実行
新しいサービスを値引きしない方法
で考えているとき、青図を頼む立場
から考えた場合、何があるだろうか
と、想像してみる。納品時間の厳守
、原図の破損防止、担当者の留守時
の処置等、色々ある。優先順位は、
破損防止だろうと、早速、紙筒メー
カーに相談して直径20㎝のB0版の
入る紙筒を作成し、当社の名前、複
写の総合コンサルのメインコピ-を
入れ、一番目立つと処に相手企業名
、担当者名前と日付と時間が差し替
え出来るようにしてもらった。紙筒
メーカーの担当者は、数が少なく、
面倒くさそうな仕事なので不機嫌だ
ったが、別れ際に、頑張ってねと、
声を掛けてくれた。応援してくれて
いるのが、強く感じられて、うれし
かった。完成品を持って、一現場、
2本づつ置いて毎回交換で処理した
。地味なサービスなので大きな動き
はなかったが、雨が多少降っても原
図は守れたし、依頼企業を思っての
のサービスなので気持ちはよかった
。それに紙筒メーカーの協力で安く
できたの有難かった。誠意が伝わっ
たのか、売上が上向いてきた。さら
に新しいサービス考案しようと、
必死にになった。
(次回に続く)
49.バイト結婚する
青図作業場のビルから遠くない喫茶
店で新聞を読んでいると、間もなく
バイトが頭を下げ遅くなりましたと、
入ってきた。相変らずスマートで格
好良かった。注文のコーラを一口飲
んだところで、バイトが、結婚が決
まりましたと、いきなり話し出した
。咄嗟だたので、おめでとうと、言
うのに少し間があいた。なんでも、
近くの幼稚園に勤務している人と知
り合い意気投合して両親を紹介され
て、決まったという。それなら、尚
更きちんと話したほうがいい機会だ
と。最近の経営状態を報告し、ちょ
っと未来の話をし、不安を与えない
様に話すのは難しかったが、指示に
従いますと、はっきり言ってくれた。
バイトの両親が働く姿を見ていて、
小さい会社だが、信用していいと、
言ってくれているらしい、ありがた
いことだ。飯田橋の同業に引き継ぎ
を、お願いする可能性もある事も、
伝えると、任せますと、言ってくれ
た。凄く信用されているのが、嬉し
かった。後1年間お互いに頑張って、
より良い方向性を選ぼうと、意気投
合し、その後、3件隣のスナックに
行って軽い食事とお酒で結婚のお祝
いをして別れた。3か月後、こじん
まりと、結婚式を上げたバイトが、
やけに立派に見えて、頼もしかった。
(次回に続く)
48.同業者の忠告
飯田橋の同業者の社長との面会後、
今までの業績をすべてコピーして改
めて見直してみると、数字上は、利
益もあがっているし、経費も少なく
優良企業に近い。設備投資もなく、
すべて現金決済のため借り入れも必
要なく凄く楽である。が、飯田橋の
社長の忠告、5年後を見ると厳しい
と、見ている。複写業界の方向性が
大型化し、設備投資も半端でない、
そこまでできますかと、問われた。
確かに、今、メインの青図委託営業
も相手の事業でいつ中止になるか分
からないし、店舗を新規に出しても
どうなるかも、読めない。いずれ、
撤退せざるを得ないのではないか、
かなり強調していた。バイトも含め
て当社が引き継ぎますよと、言った
社長のあの顔が頭から抜けない。何
処か真実を含んでいるかなのだろう
。青図営業しながらも、そのことが
ずーっと気になって仕方がない。そ
うだ、久しぶりに、バイトの意見も
聞いて見ようと、明日の夜の約束し
て、六本木の美容室へと向かった。
(次回に続く)
47.千歳烏山に転居
知人の招待で高円寺駅前の高架下に
うどん店が開店、そのお祝いに一緒
に同行した。遅い時間に行ったので
ほぼ満席でカウンターが空いていた
ので相方と座った。相方は、忙しそ
うにあいさつ回りをしていて、席に
座っている時間が少なかった。ふと
、隣の女性がポスターを開いて話を
しているところに、素敵なポスター
だったので、欲しいと、思わす発し
てしまった。良かったら、差し上げ
ますよと、こちらに向いた時に目が
あって、ドキリ。それ以来時々会う
ようになり、結果的に一生の伴侶と
なった。それを機会に高円寺から千
歳烏山に住まいを移した。千歳烏山
は閑静な住宅街だった。青図営業は
、大きな変化はなかったが、新しい
サービスを模索中に、改めて同業者
を調べてみると、青焼きの機械・P
PC複写機・オフセット印刷機は当
たり前のように設置されつつあった
。そんな中で飯田橋の老舗に近い同
業の社長が、親切に対応してくれて
、現況を詳しく教えてくれた。厳し
い現実があった。
(次回に続く)
45.光陰矢の如し
新しいサービスの発見に一生懸命知
恵を出しながらいつもの青図営業を
繰り返し繰り返し実行し月日が流れ
ていく。そうゆう中で委託会社の社
内問題だが社員が辞めて小さい会社
を作りそこに仕事を発注する外注方
式がいくつか現れた。そこから発生
仕事は独占的にもらえるが、場所も
離れているので手間が大変な上、相
対的売り上げは一緒なのだ。仕事が
分散しただけなのだ。その傾向は、
青図営業ルートの大きい会社ほど顕
著だった。おかげで回る件数が増え
忙しい。車も大分傷んできたので、
中古の普通自動車に乗り換えた。や
っぱり大きいほうが運転が楽だ。今
の処、会社の経費は、本当にかから
ない、普通にやっていれば運転資金
は貯まるし、楽であるが、やはり次
の手が中々ない、新しいサービスも
提案できないうちに走馬灯の如く月
日が流れる中、ついに一生、共にす
る伴侶に出会う。
(次回に続く)
43.合併、断る
早い時間から焼き鳥屋は、サラリー
マンでいっぱいだった。枝豆と焼き
鳥セットをつまみに世間話をしなが
ら、ひょいと、先日はいい仕事助か
りましてよと、口にした。あいまい
な相槌を打ちながら聞いていると、
入院しているとき緊急に印刷の仕事
が発生し社長が代わりに対応したと
いうのだ。納品も終わり良かったと
、喜んでいる。寝耳に水だ。退院し
1カ月がたとうとしているのに社長
から報告がない。そのことは、印刷
工の人には、伝えなかった。どうゆ
うつもりなんだろうと、いやな思い
が込み上げてきたが、我慢した。
結果的には、つまらない酒になって
、店を出て高円寺のアパートに帰っ
た。その後も、社長から報告がない
まま1カ月が過ぎた。青図営業は、
従来通りの売り上げは、確保でて
いるが、印刷の営業は、思うように
取れなかった。値引きでない新しい
サービスの提案が必要だ。そんなこ
んなで水道橋の印刷会社との合併の
可否の約束日が迫って生きた。又、
印刷工の人と、焼き鳥屋に行き、先
日の印刷の件を伝えた。そして、合
併の話も断ることを伝えた。翌日、
社長に電話で、断りの電話をを入れ
ると、簡単だった。さあ、振出しに
戻って、新しいサービスを考えて、
前に進もうと、心の中で誓った。
(次回に続く)
41.盲腸で入院
待ち合わせのレストランに行くと
すでに体の太めの印刷業の社長は
珈琲をおいしそうに飲んでいた。
挨拶もそこそこに、早速、本題に
入った。印刷と青図の融合の提案
は、納得のいくものであった。一
体になることは問題ないが、どこ
かちぐはぐさを感じたので、半年
経理は独自に処理し、青図の営業
を水道橋の印刷会社にうつし、お
互いに紹介した仕事は折半という
ことで合意した。1カ月が過ぎた
頃、下腹が痛いので検査したとこ
ろ盲腸とわかり近くの病院に入院
した。退院し、あいさつ回りをし
ているとき、青図委託会社の製図
部の課長から、先日は、お陰で助
かりましたと、声を掛けられたの
で、どうもと、返事をしたが、意
味が良く判らなかった。その意味
間もなく、判明したが、しばらく
は伏せておいた。相変わらず、青
図と印刷営業の訪問を繰り返し、
大きな変化もなく、帰り際に水
道橋の印刷会社に寄ってみた。社
長は留守だったが、印刷工の人と
初めていろいろな話ができ、夜、
焼き鳥やで一杯やることになった。
(次回に続く)
40.つり革広告大反響
六本木の美容室の日比谷線つり革
宣伝は、かなり反響があり地元で
話題になったと聞いた。嬉しい事
である。やはり、神の手と呼ばれ
シャンプー時の手触り、今、思い
出してもゾックと来るぐらい爽快
感がある。サービスで売りがある
のは競争力がより強くなる。果た
して青図営業でそれに代わるサー
ビスが提供できるか、そのテーマ
を考えながらの単純なルート営業
が続いた。バイトもかなり訓練さ
れ委託会社の中でイケメンでスマ
ートな体系が人気者になっている
。売上も横ばいだが安定して、焦
ることなく、次の作戦を練りなが
ら営業できる。ありがたい事であ
る。そんな中、一緒に仕事やりま
せんかと、以前印刷でお願いした
会社の社長から、声がかかって、
翌日、会食することとなった。
(次回に続く)
39.電車のつり革広告
青図の社内委託業務と青図営業は、
その後も大きな変化がなく、ただ、
青図営業の名刺印刷は、価格が安
いのとルート営業に付、便利さで
月に10件位注文が入るようになっ
たがページ物の印刷は中々、注文
取れなかった。そうしているうち
に、六本木の美容室の店長から連
絡が入り、電車のつり革広告を出
したいと、相談があった。早速、
訪問の段取りを摂り、前髪の部分
パーマとカットでお世話になり、
その後カフェで印刷の打ち合わせ
した。その時、改めてシャンプー
の時の神技を本当に気持ちの良い
夢の空間にいたような気分を再び
味わった。最高の気分で帰り、つ
り革広告の段取りと、デザインを
考えた。その時、神技シャンプー
をメインコピーにすることを、思
いついた。3度ほどの打ち合わせ
得てデザインが完成し、かなり斬
新な広告が出来上がり、1カ月間
電車のつり革に宣伝した。日比谷
線に各車両に4枚づつ全車両に取
り付けた。
(次回に続く)
38.印刷営業強める
青図営業は、B0サイズ版がメイ
インなり、仕事そのものはシンプ
ルになり楽になった。でも、売り
上げは徐々に下降線をたどってい
く、やはりPPC複写機の影響
がはっきり出てきた。現在、40社
を毎日回っているが、ここに新し
いサービスを提供できれば、手間
も一緒だし利益が少なくても対応
できるので競争力が発揮できる。
名刺が切れたので、久しぶりにい
つもの印刷屋さんに行って頼んだ
。その印刷屋さんの工場をよく見
ると印刷工が2人いて忙しそうに
印刷機を回していた。案内板を見
ると名刺からオフセット印刷まで
何でもこなしていた。後日、印刷
工場の社長に面会を申し入れて、
印刷関係の価格協定を提案した。
営業から納品までこちらが処理し
印刷のみに特化してもらうことで
破格の値段を出した。大雑把にい
うと名刺半額、オフセット印刷3
割引き等。答えは、保証金50万
円を預けてもらい、価格協定を
中止するとき1割を償却ならいい
でしょうと、の快諾だった。勿
論こちらの提案した案件なので
価格協定が成立した。早速、名
刺中心のチラシを作り営業に回
った。名刺は3割引きを売りにし
た。
(次回に続く)
37.PPC複写機の登場
第1次オイルショックが落ち着い
たころ青図価格は、少し高値で推
移していった。これを機会に青図
新サービスは中止して、通常の取
引に戻した。その時、他の業者の
価格を調べて、20%引きで設定し
、青図ルートをチラシを渡しなが
回った。しばらくは反応は少なか
ったが徐々に売り上げが上がり、
月売上が40万円に届くところ迄
来た。よし、このまま様子を見よ
うと、この方針の継続を決めた。
複写機の業界も開発が進んで大手
企業や複写を専門で経営している
大手同業者では、普通紙に複写で
出来るいわゆるPPC複写機を導
入し始め、その影響が少しずつ出
て来た。PPC複写機は、B2以上
サイズに対応するには莫大な費用
がかかるので、大きいサイズは青
図が向いているが、商売としてい
る以上対応をしないと、遅れる可
能性がある。置く場所もないし、
今お世話になっている会社も、導
入した。それは、その会社の管理
下に置かれ、こちらは関知できな
かった。小さいサイズの複写は、
すべてPPC複写機で担当者が個
別に自由にやっていた。バイトの
手の空いている時間が増えてきた。
(次回に続く)
36.第一次オイルショック
先日の紙筒の注文は、無事契約
になりメーカーからの発送のみ
となりどうにか目途が立った。
青図は、5万円超える企業がも
う1社出てきたが、売り上げは
35万円を境に行ったり来たり
してその壁を中々越えることが
出来ないでしばらく進んだ。夜
の大学もつい、仕事を理由に欠
席することが増え、とうとう進
級が出来なくなり、かなり遅れ
だした。青図請負の仕事は、経
費がかなり低いので時間ととも
に現金が増えてきて、余裕をも
って経営できた。そんな状態が
1年以上続いた1973年秋に第一
次オイルショックが発生し、物
価上昇が起き、買い占め等で、
パニック状態が続いた。当然、
青図の用紙も不足になり価格も
高騰、とんでもないことが起き
た。紙がないと仕事にならない
ので紹介紹介の連続であちこち
行ってどうにか確保した。現金
を持って高値で買えば仕入れが
出来ることも判ってきた。お陰
で依頼された仕事は、全部対応
でき信用度が増した。それと、
資金的に体力があったので、価
格は据え置きで対処出来た。
世の中、自分では、どうにも出
来ない事があることを身をもっ
て経験し、後に経営感覚として
体に刻まれたと思う。
(次回に続く)
35.売上に変化が現れる
青図新サービスを開始してから
3カ月が過ぎても月5万円を超え
売り上げをする企業は、一件も
なかった。けれど、毎月の売り
上げが少しづつ上がり始めた。
今までは月20万円前後をうろ
うろしていたが先月位から5万
ほど伸び来月ももう少し行きそ
うな状況だ。おそらく、依頼企
業が半額サービスは簡単ではな
いが製品に差がないのでとりあ
えず依頼して新サービスを受け
られればラッキー位の気持ちで
気楽に構えているのかもしれな
い。一企業5万円以上を目指し
た企画が,小口だが多くの企業が
少しづづ依頼してきているのだ
。予想と違ったが、これは嬉し
い誤算だ。利益率が抜群になる
。むしろこの状態で50万円売り
上げが行けば最高なのだ。だが、
翌月とうとう5万超えの企業が
出てきた。来月は半額だ。この
先の動きがどうなるか、全く判
らない。
(次回に続く)
34.新サービス開始
紙筒営業は、その後変化がなか
ったが昨日、500本の新規の見
積もり依頼があった。早速、見
本と見積書をもって訪問した。
これが契約になると総在庫数の
半分が消化され、メーカーも安
心してくれるだろう。青図営業
は、先日の美容室のサービスの
ヒントから考えた、月売り上げ
5万円超えた、翌月は30%割
引きしたらどうかと、バイトに
相談、すると、バイトが30%で
は弱いと思います、折角なら50
%にしたほうが、インパクトが
強いですと、大胆な意見を述べ
た。確かに一度半額サービスを
実施しているから30%では、効
果が薄れる可能性が大きい、中
々バイトも年下なのにセンスを
持っていると思った。いい人材
入ったものだ。ここは、利益よ
りも安定して仕事量を確保した
方針が正解かもしれない。
翌日から、訪問先を10社増やし
40社に、チラシを担当者に渡し
ながら目標を従来の倍額の月売
上100万を目指して受注企業数
20社を確保のために周りに周り
続けた。と言っても、そんな大
変な仕事ではない、飽きないで
継続できるかにかかっている。
案の定、前回と違って実績重視
のサービスなので中々思うよう
な反響がないまま2ヵ月が過ぎ
た。
(次回に続く)
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