飲食居抜きソムリエ  山田 茂  飲食を辞める始めるときのブログ                 

飲食店を希望を持って始めたり順調に多店舗化したり、内装設備に費用がかなり掛かります。その投資を回収できます。

4.定期借地借家アドバイザー 23

2017-11-30 10:04:26 | 定期借地借家アドバイザー

    空き地・空き家は
    定借でイノベーションえを起こせ 

     

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     10分の1に縮小したドムドム
    復活なるか  連載 10 new

          スタッフ教育に全力

          土肥: 先ほど「ドムドムらしさ
          をたくさん失ってきました」と言
          っていましたが、お客さんを心地
          よくさせる接客がうまくいってい
          なかったという意味でしょうか。
          佐々: はい。正直に言って、き
          ちんとした教育ができる環境では
          ありませんでした。おろそかにな
          っていた期間がありまして、その
          間にスタッフの接客レベルが落ち
          ていきました。また教育だけでな
          く、採用にも課題がありました。
          スタッフを募集しても、応募して
          くれる人が少ない。そうした問題
          があったので、これからはスタッ
          フの教育にもチカラを入れていく
          。そして、地域に密着した店舗づ
          くりを進めていきたいですね。
         土肥: 以前はお客さんにちょっ
         と声をかけるなど地域に密着して
         いた店舗運営をしていたようです
         が、具体的にどのようなことをし
         ていたのでしょうか?
         (次回に続く)

 

 

 

           10分の1に縮小したドムドム
    復活なるか   連載 9 

         地域密着にチカラを入れる

          佐々: ハンバーガーチェーンとい
          えば、お客さんが入店されると、ス
          ピーディーに対応しますよね。(1)
          お客さんが入店する (2)注文を聞
          く(3)価格を言う (4) 商品を提
          供する (5)お礼を言う――といっ
          た一連の流れがありますが、これは
          ドムドムらしさではないんですよね
          。じゃあ、ドムドムらしさとはなに
          か。親しみやすくて、くつろげる空
          間を提供して、地域密着に徹するこ
          となんですよ。
          土肥: 親しみやすくて、くつろげ
          る空間を提供するというのは理解で
          きるのですが、ファストフードに地
          域密着は必要なのでしょうか?
          佐々: 必要です。お客さんはハン
          バーガーを食べたい、ポテトフライ
          を食べたい、コーヒーを飲みたいと
          いった動機で来店されているのです
          が、それだけではありません。「ス
          タッフと会話を楽しみたい」という
          人もいらっしゃるんです。雨が降っ
          ていれば、傘を入れるビニールを差
          し出して、そのときにちょっと会話
          をする。そうした対応って、なかな
          かマニュアル化することが難しいの
          ですが、これからは親しみやすい接
          客にもチカラを入れていきたい。
           (次回に続く)

 

 

           10分の1に縮小したドムドム
    復活なるか   連載 8 

    カテゴリーは、増やさない

           土肥: 和であろうが、洋であろ
           うが、中であろうが、お客さんが
           食べたいというモノでればどんど
           ん投入していく予定ですか?
           佐々: はい。ただ、カテゴリー
           を増やす予定はありません。例え
           ば、ピザやホットドッグなどは開
           発しません。こだわりの具材をバ
           ンズではさむ、この基本は外さな
           い。ただ、バンズなしのハンバー
           ガーなども考えていきたいですね
           。これまでドムドムらしさをたく
           さん失ってきました。まずは、そ
           のらしさを取り戻してから次のス
           テップに進むことができれば。
           土肥: ドムドムらしさってなん
           でしょうか?
           (次回に続く)

 

 

           10分の1に縮小したドムドム
    復活なるか   連載 7 

     さまざまな具材を

    佐々: スイーツのカテゴリーが
    ちょっと弱いということもあって
    、「なにかないかな」と探してい
    ました。先ほど申し上げたように
    、ドムドムには年配のお客さんが
    多いので、かりんとう饅頭はひょ
    っとしたら売れるかもと思いまし
    た。以前、あんみつや葛餅(くず
    もち)などを販売したことがある
    のですが、価格が300~400円し
    ました。ハンバーガーを買って、
    ジュースを買って、ポテトを買っ
    て、スイーツも買うと、1000円
    近くになってしまう。商品によっ
    ては1000円を超えてしまう。そ
    れだと「ちょっと高いな」と感じ
    る人もいますよね。ただ、かりん
    とう饅頭の価格は1個100円(税
    込)。その価格であれば「ちょっ
    と買ってみようか」と思われる人
    が多いのかもしれません。ちなみ
    に、以前のドムドムでは、チキン
    ナゲットを大きくしたモノをはさ
    んだり、イカゲソをはさんだり、
    肉団子なんどをはさんだ商品があ
    りました。ただ、店舗数の減少と
    ともに、競合他社と差別化を図れ
    るような商品がどんどん少なくな
    っていきました。こうした反省も
    あって、商品の独自性にはチカラ
    を入れていきたい。「それ、無理
    だよ」と言っていたら、何も変わ
    りませんので、「とにかくやって
    みようよ。ダメだったら、下げれ
    ばいいだけ」といった方針で、開
    発を進めています。

 

 

   10分の1に縮小したドムドム
   復活なるか   連載 6 

   何でも挟んでみる

   土肥: でも独自性のある商品を
   開発するって難しいですよね。他
   社もどんどん出していますし、「
   こんなハンバーガー食べたことな
   いよ」と感じるような商品ってあ 
   まりないような。
   佐々: いえ、そうでもないです
   よ。例えば、若い男性はカツ丼が
   好きですよね。じゃあ、カツ丼味
   のハンバーガーを開発できるかも
   しれません。ナポリタンが好きな
   人も多いですよね。じゃあ、ナポ
   リタンをはさむことができるかも
   しれない。アジフライが好きな人
   も多いですよね。じゃあ、アジフ
   ライをはさむことができるかもし
   れない。喫茶店やレストランなど
   のメニューで玉子サンドがありま
   すよね。でも、ハンバーガーチェ
   ーンにはない。バンズに玉子をは
   さんで提供することは、ものすご
   く難しいんですよ。手づくりの厚
   焼き玉子をはさむことができない
   か。完成させるためにはどうした
   らいいのか。こうした発想で、こ
   れまでにない商品をどんどん開発
   していきたいですね。
   土肥: メニューをみていると、
   一部の店舗で「かりんとう饅頭」
   を販売していますよね。ハンバー
   ガーチェーンで、饅頭ってちょっ
   と珍しい。
   (次回に続く)

 

 

   10分の1に縮小したドムドム
   復活なるか   連載 5 

    独自性のあるハンバーガーは
    開発できる

   佐々: ここ数年で、技術の進化
   がありました。手焼きのお好み焼
   きを急速冷凍して、出荷する。そ
   うすることで味も価格も当社の基
   準を超えることができたので、再
   販することにしました。
    土肥: ドムドムの店内をみると、
   年配の人たちが多いですよね。若
   い人たちにも来店してもらうため
   に、ボリュームのある商品を投入
   しているのでしょうか。
   佐々: はい。地場スーパーのな
   かに多くの店舗を構えているので
   、どうしても客層は年配の人が多
   い。でも、私たちはハンバーガー
   屋なので、学生やサラリーマンの
   ほかに、子育てがまだ終わってい
   ない女性をターゲットにしなけれ
   ばいけません。というわけで、ボ
   リュームのある商品を投入して、
   若い人たちに食べていただければ   
   と思っています。ただ、繰り返し
   になりますが、これまでどこかで
   食べたことがあるような商品では
   いけません。独自性があって、話
   題になるようなモノでなければ「
   ちょっと行ってみようか」という
   気持ちにはならないので。
   (次回に続く)

 

    10分の1に縮小したドムドム
   復活なるか   連載 4 

        お好み焼きバーが再販

        土肥: お好み焼きバーガーは過
        去に何度も販売しては休売してい
        る。一定の人気はあるはずなのに
        、なぜ定番商品にしなかったので
        しょうか?
        佐々: ご指摘のとおり、販売し
        ては休売……これまで4~5回行っ
        てきました。人気があるのに、な
        ぜこのようなことを繰り返してき
        たのかというと、原材料費の問題
        があったんですよね。好調で売れ
        ていたのに、仕入れ値が高くなっ
        たので、休売に。じゃあ、自分た
        ちでイチからやってみてはどうか
   と考え、店内で小麦粉をといて、
   キャベツを入れて……といった感
   じで、お好み焼きをつくって、そ
   れをバンズではさんでいました。
   でも、とてもとても採算があわず
   。さらに、店内スタッフの負担が
   大きかったので、休売することに
   。
   土肥: そんな状況だったのに、
   なぜ復活することができたのでし
   ょうか?
   (次回に続く)

 

 

         10分の1に縮小したドムドム
    復活なるか   連載 3 

        ドムドムが苦戦した要因

         土肥: 新生「ドムドムハンバー
         ガー」は、まずまずのスタートを
         切ったようですね。売り上げは前
         年比で 1割ほど伸びているとか。
         7 月に生まれ変わって、まだ 4カ
         月ほどしか経っていませんが、ど
         のようなことを行ってきたのでし
         ょうか?
         佐々: 会社のロゴを変えたり、
         スタッフの制服を変えたり、店内
         のデザインを変えたり。そうした
         なかで新商品を投入したところ、
         若い人たちを中心に売れました。
         9 月に、パティ 2枚を使った「ビ
         ッグドムバーガー」、ミートソー
         スを使った「ドムミートバーガー
          」、お好み焼きをはさんだ「お
         好み焼きバーガー」のほかに、「
         バターコーン」なども投入しまし
         た 。特に、以前販売していた「
         お好み焼きバーガー」が売れてい
         ますね。なぜ、ドムドムは苦戦し
         てきたのか。その要因のひとつに
         、大手ハンバーガーチェーンと同
         じようなメニューしかなかったこ
         とが挙げられるんですよね。スタ
         ンダードな   メニューしかなかっ
         た ので、 競合他社と同じ土俵の
         中で勝負しなければいけませんで
         した。しかし、それだとどうして
         勝つことが難しくなる。以前は餃
         子をはさんだメニューを投入する
         などユニークな商品もあったので
         すが、独自性が失われてきたので
         、新生ドムドムでは商品力を身に
         つけ認知度をアップさせたい。
         (次回に続く)

 

 

       10分の1に縮小したドムドム
    復活なるか   連載 2 

     店舗数減少も売上UP

   2017年3月末、店舗数は54店。細
   々と営業を続けてきたわけだが、
   ホテル事業を手掛けるレンブラン
   トホールディングスが事業を譲り
   受けることに。ダイエーグループ
   は47年間続けてきたハンバーガー
   事業から撤退し、7 月に新生「ド
   ムドムハンバーガー」(36店)が
   誕生したのだ。出足は好調のよう
   で、店舗数が減少しているのにも
   かかわらず、売り上げは対前年比
   1 割増で推移している。ドムドム
   フードサービスの佐々真司社長に
   、その要因を聞いたところ「若い
   お客さんが増えてきたから」だと
   いう。前述したように「若い人は
   ドムドムを知らない」状況なのに
   、どのような手を打ってきたのか
   。また、これからは「会社が失っ
   てきたモノを取り戻していきたい
   」というが、どういう意味なのか
   。話を聞いた。
   (次回に続く)

 

 

   10分の1に縮小したドムドム
   復活なるか  新連載 1 

         日本で初めて生まれたハンバーガ
         ーチェーンはどこ? 「マクドナ
         ルドでしょ」「いや、モスバーガ
         ーでは」と答える人が多いかもし
         れないが、答えは「ドムドムハン
         バーガー」。日本マクドナルドが
         1971年に1号店をオープンする前
         年に、東京の町田市に誕生したの
         だ。40代以上の人であれば「懐か
         しいなあ。高校生のとき、学校の
         帰りに食べていたよ」と青春時代
         を思い出されるかもしれないが、
         10~20代は違う。若い人たちに
         聞いたところ「行ったことがない
         」「食べたことがない」「聞いた
         こともない」といった反応が多か
         ったので、簡単にご説明する。
         ダイエーの創業者、中内功さんが
         ドムドムハンバーガーを設立。当
         時は「ハンバーガーってなに?」
        「日本人がそんなモノを食べるわ
         けがないでしょ」といった声が多
         かったなかで、ダイエーやマルエ
         ツなどの店内を中心に店舗を増や
         し、90年代半ばには約  400店を
         構える。ただ、その後は一部の店
         の看板をウェンディーズに変えた
         り、ダイエーの経営不振だったり
         、さまざまな要因で店舗数は減少
         していく。
                        土肥義則 ITmedia
         (今回新連載です)

 

 

        24時間営業縮小    new
   地方創生の真実  最終回  12

   人材回帰に全力で

   大村を得た長州藩は、その提案に
   よる軍制改革を断行し、四境戦争
   で幕府の大軍を撃破する。前提は
   まったく今とは異なるとはいえ、 
   思うのは、中央に出ていった優秀
   な人材をいつかは地域に取り返す
   必要があるということだ。地域に
   いる、志ある人材と中央で活躍す
   る人材とが切磋琢磨することで、
   きっと新たな知恵が生まれる。そ
   のためには、相応の報酬を提供す
   る仕組みを作って、人材回帰にカ
   ネを使ったほうが有効だ。少し前
   に、富士市産業支援センター(f-
   Biz)という静岡県富士市の中小
   企業支援施設が、1000万円以上
   の年俸を提示して、センター長や
   マネジャー(中小企業支援人材)
   を全国から公募することで話題
   となった。それから年月を経て、
   支援成果が実績化していること
   から、同様の仕組みを導入する
   自治体はいまや13に増え、さら
   に50以上の自治体が導入を検討
   中だという。この活動の主宰者
   である小出宗昭氏は、中小企業
   支援の実効性を上げるためには
   「すべては支援する人材の適性
   」と語っている。高い報酬と引
   き換えに高い成果を求め、お役
   所仕事を排除する、これが実績
   につながっているという。彼ら
   の総会的な会議体は 「Biz版地
   方創生会議」というらしい。地
   方創生の重要なヒントがここに
   あるような気がしたのである。
  (今回最終回有り難うございます)

 

 

   24時間営業縮小    
   地方創生の真実  連載  11

    大村益次郎に学ぶ

   地域に根差した企業を育てていく
   と言うと、中小企業支援施策とい
   う官製の補助金のようなものを連
   想してしまうが、企業におカネを
   ばらまく仕組みがうまくいった試
   しはない。それよりは、優秀な経
   営補佐人材、もしくは優秀な経営
   支援人材を、中央から招く仕組み
   、それも地縁(Uターン、Iターン
   、嫁ターンなど)があり、定着し
   てくれる人材をマッチングする仕
   組みに資金を投下すべきだ。こう
   した人材が、定着を前提に地域企
   業に貢献する流れが、最も有効だ
   と思う。NHKの「英雄の選択」と
   いう番組で、明治維新で活躍し、
   後に明治政府の兵部大輔(陸軍大
   臣)となる大村益次郎を主人公と
   した回があった。大村は、幕府(
   中央)で重用された技官で幕臣待
   遇であったにも関わらず、出身地
   である長州藩のスカウトを受け入
   れ、格下である長州藩士としてU
   ターン就職する。大村が求めたの
   は幕臣としての安定ではなく、自
   らの構想を実現(実験)する可能
   性の方だった。
   (次回最終回お楽しみに)

 

    24時間営業縮小    
   地方創生の真実  連載  10

   地元産業を育てる

   こうしたことが、なぜここまで急
   に起きたのかと言えば、90  年代
   以降に工業化した地域の多くが、
   大都市圏の大企業の工場を誘致す
   ることによって、雇用創出すると
   いう安易な手法を横並びで採用し
   たことによるからだ。繰り返しに
   なるが、地域に雇用をもたらした
   としても、大企業の出先工場を増
   やしても、経済環境が悪化すれば
   彼らは地域からいなくなってしま
   う。「地方創生」という言葉をよ
   く聞くようになったが、地域に本
   社を置き、地域住民を雇用し、域
   外から収益を獲得してくる企業を
   育てなければ、こうしたことの繰
   り返しになるのは間違いないだろ
   う。
   (次回に続く)

 

   24時間営業縮小    
   地方創生の真実  連載  9

   雇用シフトの変化

         4大工業地帯および瀬戸内工業地
         域は、主に1970年代には雇用の
         製造業依存がピークアウトし、
         その後、第3次産業へのシフトが
         50年以上の年月をかけて進んで
         いく。一方、そのほかの地域では
         主に90年代以降、第2次産業就労
         比率のピークを迎えているのだが
         、その直後から、製造拠点が海外
         へとさらにシフトしたことで、多
         くの地方で第2次産業による雇用
         が急速に失われていくことになる
         。雇用を吸収したのはサービス業
         を中心とした第3次産業なのだが
         、地方では十分な規模のサービス
         業の生成がなされないまま雇用シ
         フトが起こった。雇用シフトと簡
         単に言うが、日本の雇用環境の下
         、生身の人間が職を変えるのはか
         なりの痛みが伴い、地方の所得低
        下の一因になったのではないか。
         (次回に続く)

 

 

         24時間営業縮小    
   地方創生の真実  連載  8

    生産拠点の移転

   40 年前の社会科の授業で、日本
   産業のけん引車は製造業であり、
   その中心的な立地は4大工業地帯
   (京浜、阪神、中京、北九州)
   だと教わった。その後、地方では
   工場誘致を進め、大企業の工場が
   4大工業地帯から移転して、各地
   域で大きな雇用を生み出した。し
   かし、国際競争の時代を迎えると
   、製造業の生産拠点は海外へと移
   転し、雇用を創出したはずだった
   地方自治体の大企業工場誘致の
   政策は破たんし、製造業からの雇
   用シフト対応に苦しむことになっ
   た。
   (次回に続く)

 

 

   24時間営業縮小    
   地方創生の真実  連載  7

    地方から企業が次々と流出

   ただ、大きなダメージを受けつつ
   も、地方自らが対策を講じること
   はほとんどできなかった。その理
   由は、地方経済に影響を与える製
   造業が、多くの場合、大都市圏に
   本社を構える大企業の工場を頂点
   としたピラミッドを構成している
   ためである。こうした大企業は地
   域のために企業活動を行っている
   わけではない。あえて正論を言う
   が、株主のためである。そして株
   主とは、資産家、外国人投資家、
   金融機関なのである。地方経済を
   主語として考える当事者はいない
   ので、工場の採算が悪くなれば海
   外移転や閉鎖も辞さないのは自明
   である。こうした大都市の大企業
   を地域の経済政策の軸とせざるを
   得ない状況自体が、地方停滞の根
   源だと思う。
   (じかに続く)

 

   24時間営業縮小    new
   地方創生の真実  連載  6

   リーマンショック時のこと

   製造業を地域の基幹産業とする地
   方においては、24時間営業はそう
   した社会環境を背景とした一定の
   需要を前提としていた。それゆえ
   、地方の24時間営業スーパーは、
   地方経済を左右する地域製造業の
   動向に極めて敏感なアンテナを持
   っていた。彼らの深夜帯の売り上
   げは、地域製造業の稼働率と直結
   していたからである。各地に製造
   業が分散したことで、 1990年代
   以降の製造業の国内拠点閉鎖、縮
   小は、大都市よりも地方に大きな
   ダメージを与えることとなったの
   だ。今でも記憶に残っているのは
   、リーマンショックの後、各地の
   スーパーの深夜帯売り上げが軒並
   み低迷し、地域を異にする各社が
   異口同音に、地域の製造業の稼働
   率低下が原因だと語っていたこと
   である。
   (次回に続く)

 

 

   24時間営業縮小    
   地方創生の真実  連載  5

     終電の意識がない

   公共交通ではなくクルマで生活し
   ている人が多い地方都市には、終
   電という意識がほとんどない。か
   つて筆者は転勤のために和歌山市
   で生活していた時期がある。そこ
   では電車を使って通勤している人
   がほとんどいなかった。夜、飲み
   会をやるとすれば、当然、タクシ
   ーか、運転代行で帰るということ
   になるため(バスは終バスが早い
   ので選択肢に入らない)、終電ま
   でといった時間の歯止めはない。
   夜中になっても移動コストに大き
   な変化がないため、深夜まで宴会
   は続き、かみさんの機嫌が悪くな
   る、という日々を送っていたこと
   を思い出す。実は大都会のほうが
   夜は早いのである。
   (次回に続く)

 

    24時間営業縮小    
   地方創生の真実  連載  4

    大都市は、時間制限されている
   
   考えてみれば、公共交通での通勤
   を前提とする首都圏、京阪神の住
   民の多くは、公共交通の営業時間
   に合わせて生活している。加えて
   、大都市周辺では 24 時間稼働す
   るような製造業の工場の多くが、
   郊外や海外に移転してしまったた
   め、その傾向はさらに顕著となっ
   た。首都圏の駅周辺の住宅街にお
   いて、終電以降にスーパーが店を
   開いていたとしても、客が来る可
   能性は多くない。公共交通が十分
   に機能している街は安価で便利な
   移動手段を提供されているが、時
   間制約があり、その営業活動を終
   電後に設定すること自体が非効率
   なのである。
   (次回に続く)

 

 

   24時間営業縮小    
   地方創生の真実  連載  3

   地域製造業と
   24時間営業の関係

   スーパーマーケットの24時間営
   業の歴史は、日本では中国地方
   からと言われている。諸説ある
   ようだが、広島県東部から岡山
   県臨海部を地盤としていた「ハ
   ローズ」という地方食品スーパ
   ーがその元祖だとされており、
   現在でもほとんどの店舗が24時
   間営業を続けている。人口が少
   なくはないが、大都市のように
   人口密集してもいない広島東部
   、岡山でどうして24時間営業を
   始めたのかといえば、この地域
   は製造業が盛んで、3 交代制で 
   勤務する労働者が相当数いたた
   め、夜間早朝にも買物する需要
   があったということらしい。現
   在、全国各地に24 時間スーパ
   ーは存在するが、その大半が同
   様の消費者をターゲットとして
   広がったものだという。
   (次回に続く)

 

   24時間営業縮小     
   地方創生の真実   連載  2

   24時間営業は、地方発

   こうした夜間消費の停滞がなぜ今
   取り上げられたかといえば、需要
   の低迷というよりは、早朝深夜営
   業における人手不足から人件費が
   高騰し、採算が維持できなくなっ
   た、という状況が発端だろう。そ
   れも、これまでは人口増加を維持
   してきたため、パート、アルバイ
   ト確保でそこまで苦労しなかった
   首都圏までが人手不足にという点
   で話題性があったと思われる。た
   だ、都会の人は、深夜早朝営業と
   いえば大都市圏の話であって、地
   方で24時間営業しているのはコン
   ビニエンスストアぐらいだと思う
   だろうが、実はそうではない。ス
   ーパーマーケットの  24時間営業
   というのは   「地方発」だという
   意外な事実をご存じの人は少ない
   のではないだろうか。
   (次回に続く)

 

   24時間営業縮小     
   地方創生の真実  新連載  1

   「日経ビジネス」2017年9月25日
   号で「寝るな日本人 国は夜から衰
   退する」というタイトルの特集が
   組まれていた。昔に比べて、日本
   人の夜間の活動量が低下している
   ために、夜間消費が低迷し、経済
   的にも悪影響を与えている、とい
   った趣旨なのであるが、感覚的に
   うなずける話が多かった。記事に
   よれば、札幌や大阪の繁華街は日
   本人客が大幅に減少し、地元の店
   は訪日外国人客頼みだということ
   や、公共交通の充実している首都
   圏ではクルマを持つ若者が少なく
   なったため夜の活動が低下した、
   もしくは、スマートフォンの普及
   で対面コミュニケーションの必要
   性が薄れたという。恋愛しない若
   者が増えたことで、デートカー需
   要がなくなり、クルマは不要とな
   った、というやや強引なくだりも
   あったが、夜の活動量が減ってい
   るというのは多くの人が実感して
   いることだろう。
                    中井彰人ITmedia
        (今回新連載です)

 

   物件数国内ナンバーワン   new
   楽天とLIFULL民泊参入
             最終回  4

   スタート数万件の物件目指す

   一定数の空き家を確保した場合、LI
   FULL  子会社で不動産特化型クラウ
   ドファンディングを手掛ける  JGマ
   ーケティング経由で資金を募り、リ
   ノベーションを実施する案も検討中
   という。住宅宿泊事業法が制定され
   た場合、民泊事業者の営業日数の上
   限を年間180日に限定する“民泊 18
   0日規制”が導入されることが予想さ
   れるが、太田社長は「法令は順守し
   、住宅の貸し出し日数が年間の半分
   を超えないよう留意する」と話す。
   「ただ、今後、訪日客が増加した場
   合は、規制が緩和されることも期待
   している」という。「単にプラット
   フォームを提供するだけでなく、各
   種サービスを充実させつつ、オーナ
   ーの獲得にも取り組むのが当社の特
   徴。まずはスタート時までに数万件
   の物件をそろえられるよう、今後努
   力していきたい」(太田社長)
   (今回最終回有り難うございます)

 

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