令和3年5月19日(水)
卯の花腐し : うのはなくたし
陰暦四月を卯の花月ともいうが、その頃に降り続く陰鬱な
霖雨のことで、卯の花を腐らせるという意味合いがある。
五月雨の別称でもある。
今年は梅雨入りが早く(この地は21日も早い)本来なら
丁度今頃に降り続いて居るのが「卯の花腐し」で在ろう。
今朝(5月19日)の中日新聞コラム欄「中日春秋」に、
「卯の花腐し」の記述が在ったので紹介したい。
『卯の花腐しは、古くから季節ごとにある多彩な雨の呼び
名の一つである。春の雨と梅雨の間に卯の花を腐らせる様
に降り続けるという、この時節の雨だろう。
詩歌にも詠まれてきた。
さす傘も卯の花腐しもちおもり : 久保田万太郎
傘を持つ手にじわりと伝わる重みが、緑豊かな季節に漂う
少々気の滅入る雰囲気を伝える。
今年はそんな季節の情緒をとばし、梅雨がやってきた様で
ある。 北陸、関東甲信などは未だの様だが、東海地方迄
梅雨入りした。 東海は平年より21日も早い。
各地で記録的な早さである。九州では既に災害に気を付け
なければならない程、強く雨が降っている。本格的な雨の
季節の訪れが急ではないか。 走り梅雨や迎え梅雨、戻り
梅雨等と梅雨にも昔の人が呼び習わした段階が在ったはず
であるが、今年はどうなのか。少なすぎても困る夏の雨で
ある。 高齢者のワクチン接種を思えば、この夏ばかりは
とくに優しくとも願わずにいられない。
雨の中予約を取るために、掛かりつけの病院などを往復す
る方の話も聞く。 上手く予約出来ればいいが。
「避難勧告」が廃止され「避難指示」一本になって最初の
梅雨期ともいう。季節の情緒はともかく、災害への緊張感
を持たなければならない季節の始まりでもある。
梅雨入りが早いからといって、明けるのが早いとも限らな
いそうだ。(中日新聞朝刊コラム:中日春秋より引用した)
今日の1句
コロナ過の卯の花腐し意に染まぬ ヤギ爺
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