令和3年5月26日(水)
水 馬 : アメンボ
アメンボ科の水生昆虫
体調5~30mm程度で、黒く細長い。
三対ある脚のうち、後ろの二対は極めて長い。
池沼や小川の水面をスイスイ滑走し、小昆虫を捕食する。
身体から飴のような匂いがするのでこの名がある。
アメンボは別名にミズクモ(水蜘蛛)、カワグモ(川蜘蛛)
スイバ(水馬)、ミズスマシ、チョウマ(跳馬)等がある。
脚先にある毛だけを水面につけ、毛が水を弾く表面張力を
利用して水面に浮かぶ。雌が雄を背に乗せても沈まない。
肉食で、水面に浮かぶ小動物や死骸等を食べる。
前肢で捕獲して、口から針の様な尖った口器を突き出して
獲物に消化液を注ぎ、溶かして液状の物を吸い込む。
アメンボは水面で交尾する
俳句では、アメンボを「ミズスマシ」と詠むが、本来「ミズ
スマシ」は別の昆虫で「マイマイ虫」のこと。
俳人の川崎展宏さんの著書「四季の詞」に、水馬の季語随筆
が載ったので紹介します。
五月、六月のアメンボは雄雌がちかちかとぶつかり合って、
静かな水面のそこだけが慌しいのです。 しかしアメンボの
群れを見ていると私は何だか淋しくなってきます。
アメンボをつかまえて間近で見たことがあるんですが、鉛筆
の芯みたいな胴には毛が生えていて意外にやわらかく、正面
から見ると意地悪そうな貌をしているので、そのまま水へ放
しました。空中でも水中でもなく、表面張力を利用して水面
で生きている不思議な虫です。 細い細い足の先には鞭のよ
うにしなって、それで水面を動たびに水輪ができるのです。
あめんぼの輪より雨の輪増えて来し 西村 和子
あめんぼの作る水輪と、ぼつぼつ降って来た雨の作る水輪と
はじめは見分けがつかなかったのに、雨の水輪がだんだん多
くなって来たのですね。読んでいて、雨の輪が増えて来るの
が見えます。( 川崎展宏著:四季の詞 より引用した)
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