遊民ヤギ爺

俳句と映画のゆうゆう散歩

虎が雨

2018-05-24 15:16:16 | 日記
平成30年5月24日(木)

虎が涙雨

陰暦5月28日の雨、この日は曽我兄弟が
討たれた日で、兄十郎の愛人であった大磯
の遊女虎御前がその死を悼んで流した涙が
雨となって降るという伝説に基づく季題。


5月22日 東京記者クラブに於いて、
日大アメリカンフットボール部の選手が
関西大学との定期戦での悪質タックルに
より相手QB選手を負傷させた件での謝罪
会見を行い、侘びを行い、自分自身の進退
を発表した。坊主頭で全身をさらけ出して
真摯に会見し、全国視聴者の共感を呼ぶ。





日大選手の会見(中日新聞より)

一方、それまで関与を全面否定していた
日大監督、コーチが急遽日大に於いて会見
を開き、選手への反則指示をしていないと
改めて関与を否定した。


監督、コーチの会見(中日新聞より)
これにより、益々「火に油」でマスコミや
世論の総批判を浴び、終日ニュースを繰り
返して居ります。
今回は選手との間に言葉の「乖離」が在った
と述べ、マタマタ訳の判らぬ表現を、、、

乖離 : かいり、そむき離れること。
     人の心の乖離、解け離れる状態

先に、「森友、加計学園問題」の折りに、
「忖度」と言う言葉が繰り返され、昨年の
流行語に選ばれました。

忖度 : そんたく、他人の心中を推し量る
     推察する。
この言葉、以前は父の心、母の心を思いやる
等と使っていたのが、最近では使い方を政治家
や団体等 組織の上司や上層部の気持ちを予測
して行動する。 亦、得意先の意向を忖度して
取り計らう等と悪用?される様になった。

今回の日大選手の件でも同様に、、
「空気よ読む」: その場の雰囲気から状況を
         推察する。
つまり、自分は何をすべきか、すべきでないか
相手のして欲しい、欲しくない事を憶測して
判断する。 選手を追い詰めて行った様です。

亦、監督やコーチには「贖う(あがなう)」
在るものを代償にして報酬等を手に入れる。
会見を見て、双方のこんな感情が見えます。

斟酌 : しんしゃく、相手の事情や心情を
     汲取る。
日大の選手には、こんな心の優しさが、、、

この件を見て、「森友、加計問題」に対して
昨年或る作家が「ナチス高官のアイヒマン」
を例に取り論評していたのを思い出しました。

戦犯としてホロコーストに於けるユダヤ人の
大虐殺での裁判でアイヒマンは「自分は何も
命令しては居りません、 ただ指示に従った
だけです、、、」と述べる。

人間は群れの中で生活し安心を得る。群れの
中では一緒に暴走し、過ちを犯す。
群れから外れた時、何かがオカシイと気づく
「一体誰が悪いのか、、、、、でも判らない
だから責任の所在が曖昧になる、、、」
群れとは、学校、社会、、、地域や共同体、
行政、国家等、、、

群れから外れると孤立するかも知れないが、
声を挙げて発言すれば必ず参道者が現れる。
これが今回の日大の選手ではないでしょうか。
大学の頃には、マダマダ所信を忘れずですが
社会に出て働くと「贖う」という言葉を嫌
でも覚え、周りから強要される様です。

このままでは益々「贖い」が増え続け、、
大人達も所信忘るべからず、官僚、政治家
の皆さんも勇気ある声を、、、、。


今日の1句

夢絶たる二十の無念虎が雨    ヤギ爺