一部、修正と追記をしました。2021年5月31日
前々回で、税収は財源ではないと投稿しました。
税収が財源ではないのに、何故、税収を収入として、それ以外の国債発行を借金としているのでしょうか。只、緊縮財政を続けたいだけです。
複式簿記で世界が政府に決算書を作ります。その決算書には、資産の部と債務の部が明示されます。債務の部に国債発行残高を記入します。国債費は、償還時期がきても、『借換』と言う方法で、残り続けます。経理マンとしては、この負債の伸びが終わらずに続く状態が帳簿上に続きます。
民間の税理士さんが言います。『これはメンタルきついぞ!』
世界も同じように国債の借換をしています。しかもかこから永遠に続く債務の積み重ねです。しかし、ヨーロッパでもアメリカでもこの債務の返済は行った事がありません。放置しています。
この債務の返済を行うと、市場から債務の分の貨幣が消滅します。激しいデフレ経済で、恐慌が起きる可能性さえあります。
そういう訳で、政府の収入が税金で、その税金で政府の支出を全てを賄うという主張は実は、かなり昔から崩れていたのです。
税金という貨幣は、纏まって一遍に税収として入金がないので使い勝手が悪く、殆ど使われませんでした。
ミニ国債の『国庫短期証券』を発行して税収に充てて、税収は納められたことの確認とともに消滅してしてきました。
貨幣は、現在、殆どがデジタル情報として存在します。現金を崇拝する人が多く存在していますが、殆どが銀行預金として、貨幣をクレジットカード、或は、スマートホンをかざして、ピーッと決済したりしています。
財務省が是非とも主張したい事、或は、池上彰氏が主張したがる事は、市場には限定的に、量的に限りがある貨幣の集積場が、存在していると強調したいのです。
貨幣はモノなのです。これに相当するのが、私たちが預けてある銀行預金です。この銀行預金を沢山使うと預金額が無くなるから、財政破綻するというのです。政府が発行する国債は銀行が購入しています。それが根拠になっています。
2020年7月現在の市中銀行の預金残高を日本銀行が発表しています。
その金額は、こちら 【786兆1263億円】
国債発行残高は最近発表になってはずですが、ネット上にはっきりとした数字が見つかりませんでした。何故でしょうか。
【1100兆円】 は超えてはずです。
銀行預金を遥かに超えています。ですが、インフレにもなりません。市中銀行の貸出金利はマイナスです。融資を頼む企業がありません。何が問題なのか、もっと緊縮しないと、利払いの国債費が伸びるというのです。国庫短期証券も大きな利払いをしています。
市中銀行は、融資ができないので、日本国債を徐々に買い取り、その金利を得ることで凌いできました。
勿論、色々な金融商品が蔓延していますので、投機で利益をあげているでしょう。自社株買いで、株式市場は株高になっています。企業の株も多く所有する銀行は、何とか利益を得ていますが、本来の融資による金利の取得がないからです。
ところが、デフレ脱却だとして、貨幣の発行だとして、日本銀行が異次元の国債の買い取りを始めました。保険会社の所有の国債は、保険会社の存続に関わるので、そっとしておき、市中銀行が金利を得る目的で買い集めた国債を日本銀行か買い取りを始まました。しかし、市中銀行は金利を得る目的で購入した国債を日本銀行に買われると、金利が得られません。
そこで、本来日本銀行の当座預金には、金利はつきません。
しかし、それでは銀行が国債を売ってはく居れません。そこで、法律を変えて、日本銀行の当座預金口座の一部の資金に金利を付けることがされました。
言い忘れましたが、市中銀行から購入した国債の代金は、日本銀行の市中銀行名義の当座預金口座に振込まれます。当然デジタル情報です。
その額が何と、約490兆円になります。この分の国債は債務とは言いません。何故ならば子会社である日本銀行と政府の関係で連結決算で国債は消えてなくなるのです。
上の図は、日銀の国債の買い取りが、インフレにならない状態を説明するモノです。
日本銀行と市中銀行との国債の売り買いは、市場に関係の無い、ところで行っていました。貨幣を、約490兆円分を発行したとされています。しかし、国債の買い取り代金は、日本銀行にある、市中銀行の当座預金口座に振込まれました。
この市中銀行の日本銀行当座預金は、市中銀行が引き出すことができます。その際に現金貨幣として引き出し、銀行のATMにセットして民間に現金貨幣を供給します。
このシステムで、約490兆円の貨幣を市場のバラ供給しないと、民間への影響は出ません。
しかし、そんなことは、現実では起こりません。
この日本銀行と政府だけの貨幣のやり取りは、マネタリーベースと言い増す。
一方で、政府が財政出動、即ち国債を発行して、その貨幣で政府が仕事を発注して、民間に貨幣が供給されると雇用が誕生したりして、政府が発注した仕事で所得が増えて、消費活動が活発化されます。
生産が伸びて、生産設備を新しくさせたり、モノやサービスが増産されて、所得が増えて、消費が伸びる、このサイクルが起これば経済成長がはじまるのです。
この財政出動のために政府が国債を発行すると、マネーストックが貨幣で潤うなどと言います。
政府は、日本銀行の約490兆円の国債を連結決算で償却すれば、国債発行残高はかなり少なくなります。
しかし、そうはせずに、日本銀行の買い集めた国債を政府は『借換』手続きをして、金利も払っています。国債を生かしておいて、借金だとして緊縮財政への根拠としています。
財政破綻は過去にも現在も日本国債で起こりません。明治14年に西南戦争の戦費調達のために、日本銀行が成立しました。そこから国債は発行され続けてきました。一度も返済はされてはいません。
自国通貨、日本では、円になります。この円での国債発行で、しかも日本国内で消化している国債です。外国へは売っていません。
日本円が固定相場、要するに、為替相場で対ドルに対して、固定相場ではありません。
円高とか、ドル高とか言います。これは為替相場で変動為替で円が存在しているのです。この状態では、国債発行しても財政破綻はありません。
供給能力、生産能力が存在していれば、財政破綻はありません。
現在、緊縮財政で、国内経済がドンドン縮小しています。しかも金融経済が歪んだ形で広がってます。
実態経済が無視されています。製品を作っても、緊縮財政で所得が減ったので、購入能力(お金がありません)が衰えてしまっています。
生産設備が稼働しなくなってきています。
製鉄業は、高炉(鉄鉱石を溶かして鉄を作る装置)を止めると、製鉄を再開すのに時間が掛かります。工場を造り直しをしなければなりません。
新日鉄、他の製鉄業が、安い、韓国産や中国産に覆われて、世界がデフレ傾向なので、日本産は高額になり、製鉄という基幹産業が疲弊して、供給能力を失いつつあります。
このままですと、日本国内での生産設備が失われて、経済の基本が破壊されます。
全ての元凶が財務省の緊縮財政です。
現在も韓国などで活躍する、大前研一、という経営コンサルタントがテレビなどに出ていました。この人は徹底的に新自由主義に傾倒していて、製品は安い海外から輸入すれば良い、金融経済を発展させて、経済の活性化を遂げるべきだ、と主張を続けてきました。
実態経済を放置すると、雇用が失われてしまいます。 アメリカや欧州の金融資本だけが利益を得て、しかも、文化や文明を利益の対称にしますので、歴史や民族性などを破壊を続けます。
国土を持たないユダヤ資本が国境を壊し、自由な投機をさせろと政治力を利用して自分だけ利益を得る『守銭奴の利益追求』を行っています。
ここで、財務省は、国債費が伸びていることを、イメージとして表現しています。年間の予算額が伸び続けて、100兆円をこえている現状をアッピールしている財務省の発表のグラフがやたらとヒットします。
貨幣論のモノ貨幣論です。銀行預金という貨幣の限定的なプールがあるとしたイメージです。
コロナパンデミックが終わったら、この間で使った国債発行の金額を返済をせまる、増税をする用意をしています。
財務省は人にの死や、貧困に喘ぐ悲劇は視ない振りしています。緊縮が出世への道です。頑固に緊縮させて、帳簿上の赤字を消したいとしています。この行為が時流に乗りました。
アメリカからの、新自由主義の徹底した日本征服です。デフレ経済を良しとしている経済の事実関係ではなく、主義主張なのです。ここに多くの課題を抱く、新自由主義経済なのです。
さて、現在の100兆円を超える年間予算は、消費税を増税して、企業減税をしたり、金融での収入に減税【金融所得には、22%の税率です、企業の売り上げで得る高所得者の所得税ですと、50%前後です。】をしてり、偏りの税制の維持が存在しています。
累進課税は、1億円までは存在しますが、1億をこえると、激しく税率が減り続けます。下のグラフで解るように1億円から税率は下がり続けます、庶民の税制ではありません。10億円、100億円の所得の人に焦点を当てた税制です。
この歪んだ税制を維持するために、国債を発行するしか方法がありません。安部政権下のことです。それから100兆円を超える予算を組まないと、消費税の増税ができなくなる、矛盾が露呈しています。
国債発行の原資が、私たちが預けてある、銀行預金から買われていると、主張します。確かに銀行が買っています。それは何回も言いますが、私たちの銀行預金から買っているのではありません。
日本銀行にある、銀行と日本政府の当座預金口座のデジタル貨幣をやり取りしているのです。これが日本国債を貨幣にして市場に流す方法なのです。
政府は、市中銀行に国債を買ってもらう方法を敢えてとります。実は、日本銀行が政府の国債の買い取りをするために日本銀行を創ったとしても過言ではありません。
政府が国債の発行を抑制するために、間に市中銀行を入れたのです。現在、デフレ脱却として、日本銀行が市中銀行の所有の国債を買い取りを続けて、約490兆円もの国債を所有しています。
しかし、この貨幣発行だとした日本銀行の国債買い取りの代金は、日本銀行にある市中銀行の当座預金にデジタル情報として積みあがっています。
この日本銀行にある当座預金は、政府、市中銀行にしか存在しない口座です。この口座と私たちが、認識するのは、日本銀行券、即ち元金紙幣や硬貨を手にするとき、市中銀行は、ATMで貨幣を引き出せるようにしてあります。
この貨幣、硬貨などが、この日本銀行の当座預金を引き出す際に、市中銀行が現金をATMにセットするときに、日本銀行の当座預金から、現金で引き出すことを法的に許されています。
市場に現金が出回るシステムになっています。
新古典派経済学で、現在の新自由主義経済は、この量的に限界がある貨幣なので、使い続けると無くなり、財政破綻すると言い張るのです。
貨幣がプールのように貯めてあるので、そこの貨幣を使い続けると、貨幣が無くなる、とした理論なのです。
この理論の根底には、『モノ』としての貨幣観が存在しています。
貨幣は、抽象的な概念として存在しています。債務という抽象概念として発行されます。
この事実が大嫌いな池上彰氏なのです。彼は貨幣に限界を感じながら、俺様はテレビ出演して本を出版して多くの利益を得ている。限界のある貨幣の一部を勝利者として奪い合いの末手にしたのだ、とほくそ笑んでいるでしょう。
言変えれば、銀貨や金貨を裏付けとした貨幣、兌換(交換ができる)紙幣のように銀貨や金貨のように量的に限界がある希少金属のような価値が存在する、として考えると、限界のある金属のような貨幣観になります。
そうしますと、インフレになると、この『モノ貨幣』の価値が低くなり、市場や富豪が持つ『モノ貨幣』が目減りするので、デフレへ向かうべきこととして、消費税の増税をして、市場から貨幣の量を減らすことに夢中になっているのです。
この貨幣論で、勝ち組、権力者に到達した人々は、現在の地位の確保のために変化は嫌います。金融経済を栄えさせた国際金融資本もこのデフレの是認で財を築いてので、現在の是認に躍起ですし、デフレで利益を得る方法に熟知しています。
戦後、ケインズ経済で、抑制されたインフレを進み、アメリカ、ヨーロッパ(特に西ドイツ)、日本が経済成長をしました。冷戦のためとしたことが大きく寄与します。
このケインズのインフレへ進む経済を苦々しく思っている人達が多く存在しました。インフレが嫌いな金融で築き上げた大富豪たちです。
金本位制に近い、貨幣が兌換紙幣にも近い感覚の経済で、『一定量の貨幣』という感覚で、これが経済の全ての基本になる古典派経済学の人達です。
『一定量の貨幣』ですから、使い方をによって貨幣が足りなくなるとした理由が存在します。
この『一定量の貨幣』という考え方は、銀貨を中心にした金属貨幣論で、長く続けてきた歴史があり、馴染みやすさがあったのでしょう。
貨幣そのものに、価値があるとする、まるで兌換紙幣のような感覚で認識をしたがる情念のようなもので、正しい事実認識がされていません。
兎に角、インフレですと、富豪たちの資産が目減りをします。ですから、税金を採って、市場の貨幣を集めろ! という政策です。インフレ抑制策です。
デフレ経済が正解だとするモノ貨幣論です。
もう一つ、推測ですが、複式簿記で、政府の決算書を出します。財務省は非常に頭脳明晰で、この複雑怪奇な【官僚が天下り先の確保などで、複雑になった外郭団体が実に多く存在します。10万件もの外郭団体があるそうです。】決算書を作りあげるのですから、その経理マンとしての作業は、民間の税理士さんも只関心するばかりです。
その経理マンが、絶対的に苦しむのが、消えない債務の蓄積なのです。
国債の『借換』で説明しましたが、国債の償還期に借換を繰り返すことは、国債という債務が永遠に伸び続けることになります。
経理マンとしては、このことが、物凄いストレスとして襲い掛かり、債務に対する怨念のようなものが存在するのではないか、ということです。