写真は池袋 立飲み三兵酒店。
レモンサワーでも頂きますか。
つまみは乾き物の中から、
リッツとしましょうか。
リッツをサクサク食べながらレモンサワーを流し込む。
この店に喧騒は無い。
殆んどが男ひとりの客だから。
誰も話しかける事は無い。
街の喧騒を他所にこの店には静寂が支配する。
試みにおじいさんの壊れた古時計をこの店の柱に掛けたら。
きっと時計は動き出す、それぞれの男の胸の中で。
時は今を刻むものでは無く、過去に刻まれたものだから。
その「時」を噛み締めながら酒を呑む。
束の間、目を閉じれば海鳴りが聴こえる。
海鳴りを数えながら酔いに身を任せる。
ごちそうさま、今夜はこれで終わりにします。
家に帰って寝るとしよう。
枕に耳を押し付けて海鳴りの続きを聴きながら。