たそがれ縁側日記

ボケ老人の独り言

ついに「サハリン2」乗っ取られる。

2006-12-22 21:20:05 | Weblog
 国際石油資本のロイヤル・ダッチ・シェル、三井物産、三菱商事の三社で進めてきたロシア・サハリン沖の石油・天然ガス開発事業「サハリン2」がロシア政府の圧力で国策会社ガスプロムに乗っ取られた。「サハリン2」はエリツィン政権時代にロシア政府と生産物分与協定に基づいて開発を進めてきたものだが、プーチン政権は最近になってこの事業がロシアの森林などの環境を破壊していると批判し、環境被害による膨大な補償金を求めて提訴すると圧力をかけてきていた。しかし報道によると、この環境問題も事業をガスプロムが支配することで話がついた途端、プーチン大統領は「環境問題は解決された」と述べたという。
 政権が変わったとはいえ、当時の政府と正式に締結した協定に基づいた事業を、環境問題を持ち出して圧力をかけ、いとも簡単に国策会社ガスプロムの支配下に組み入れてしまうやり方は恐ろしい。政権維持のためなら何でもありのこのようなことがまかり通ればロシアへの直接投資はリスクが高く、外資は敬遠するだろう。
 やがてサハリンから石油・天然ガスが日本へ供給されるようになるが、果たして安定価格による安定供給がなされるのか心配だ。ロシアのエネルギーに頼りすぎると、それによってわが国が牛耳られてしまうことになりはしないか。ロシアの意に沿わなかった国が、そのために供給を止められたり、価格を極端に高く引き上げられたりした例が最近にもあった。


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