たそがれ縁側日記

ボケ老人の独り言

赤ちゃんポスト

2007-02-24 10:56:32 | Weblog
 熊本市にある民間病院で「赤ちゃんポスト」を設置する計画を進めていることについて、その是非が議論となっている。ポストと言えば郵便物を投函する赤いポストを思い浮かべるが、育てられないあかちゃんをそのポストに入れておけば病院が面倒を見て育ててくれるというもので、先の「女性は子を産む機械」発言と同様に赤ちゃんを物扱いしているようで抵抗を感じる。
 設置する病院側としては命の救済を考えてのことだ。親に事情があって子を育てることができず捨てるケースは今でもある。捨て子に手紙を添えて裕福そうな家の門先に置いて来るなど古典的な話もあるが、公園のベンチなどに置き去りにされて死亡するケースもある。後ろ髪を引かれる思いでやむを得ず捨てたものの、拾われ無事に育てられるだろうかと心を痛める母親にとっては、「赤ちゃんポスト」があれば安心して捨てる(預ける)ことができる。しかしそうしたことが捨て子の助長に繫がるのではないかとの心配がある。どんなに苦しくても自分の産んだ子は自分で育てると考えるのがごく普通だが、「赤ちゃんポスト」があることにより、その気持ちをくじけさせてしまうことにならないか。
 報道によると安倍首相は「親として責任をもって産むことが大切だ。匿名で子どもを置いていけるものを作るのがいいのか、大変抵抗を感じる」と述べ、否定的な見解を示している。「赤ちゃんポスト」の設置は法律に触れることはないようで、厚生労働省としては「法令違反を理由に設置を止めることはできないが、積極的にOKを出したとか、いいことだとは言っていない」としている。