(タイトルを修正しました)
米週間失業保険申請数は、修正後の前週56.9万人から4.7万人減って52.2万人(※1、2)。米国では自動車とか製造業で通常夏に生産を減少させるので、季節調整としてこの一時的影響が出ないように申請数を少なくする加工をしているが、今年は早い時期に生産が減少したことから、一時的な減少がないなか、季節調整を図っているため、実態よりも少なく出ているという。この影響は1~2週間続くとのこと。
ということは、前の月は実態よりも多く出ていた、ということでもあるので、とりあえず心にとどめる程度にしておこう。
減少したとはいえ、平常時で40万以下、という水準よりもはるかに高く、月でみると、まだ50万程度平常時よりも多い水準。今後、1980年代の様に急速に下がるのか、1990年代、2000年代の様に高い水準にとどまるのか、が要注目(急速に下がることはかんがえずらいが)。
さて、昨日の米株価上昇の一因として、Roubini教授が「経済・金融状況に関して最悪期は過ぎ去ったとの見解を示した」ことが言及されている(例えば、http://jp.reuters.com/article/usMktRpt/idJPnJS843237420090716)が、Roubini教授のブログによると、特に見解を変えたわけではないようだ(※3)。
・レセッションは24か月続くと分析しており、年内続く(2007.12~2009.11で24か月)
・潜在成長率は2.75%であるが、数年間は1%程度
・来年後半からは、金融政策の緩和を解くかどうかという難しい判断を契機にW型の2度目のレセッションとなるリスクあり。
一方、FRBは引き続き強気の見方(※4、5)。「今年の失業率は9・8%~10・1%と4月時点(9・2%~9・6%)から引き上げ、さらなる悪化を予測」とのことだが、引き続きかなり強気と言わざるを得ないだろう。
※1 Weekly Unemployment Claims Decline Sharply
http://www.calculatedriskblog.com/2009/07/weekly-unemployment-claims-decline_16.html
NOTE: The seasonally adjusted weekly claims numbers are being impacted by the layoffs in the automobile industry and other manufacturing sectors. Usually companies cut back production in the summer, and the numbers are adjusted for that pattern - but this year the companies cut back much earlier. This distortion is expected to last for another week or two.
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The DOL reports on weekly unemployment insurance claims:
In the week ending July 11, the advance figure for seasonally adjusted initial claims was 522,000, a decrease of 47,000 from the previous week's revised figure of 569,000. The 4-week moving average was 584,500, a decrease of 22,500 from the previous week's revised average of 607,000.
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The advance number for seasonally adjusted insured unemployment during the week ending July 4 was 6,273,000, a decrease of 642,000 from the preceding week's revised level of 6,915,000.
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※2 UPDATE1: 米新規失業保険申請は1月以来の低水準、受給総数も週間で過去最大の減少
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnJT843178820090716
・・・働省当局者は、自動車など製造業セクターでの一時解雇(レイオフ)が、季節的要因を踏まえ予想されていた水準を大幅に下回ったことが、季節調整後の申請件数及び受給総数の大幅減につながったと説明した。
季節的な要因(季節調整値)が同統計に影響するのは2週連続。当局者は、向こう1─2週間はこの影響が続くとの見通しを示し「大幅な落ち込みは必ずしも経済で起こっていることを反映しているわけではない」と説明した。
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※3 Roubini Statement on the U.S. Economic Outlook
http://www.rgemonitor.com/roubini-monitor/257299/roubini_statement_on_the_us_economic_outlook
※4 FOMC Minutes: Immaculate Recovery
http://www.calculatedriskblog.com/2009/07/fomc-minutes-immaculate-recovery.html
※5 FRB経済予測 今年の米国成長率上方修正
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/090716/fnc0907160842005-n1.htm