私の思いと技術的覚え書き

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アフリカの星(と、bf109とDB601のこと)

2011-10-05 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 アフリカの星とは、先の大戦のドイツ軍のエースパイロットである「ハンス・ヨヒアム・マルセイユ」氏(享年23才)のことを指すのだそうです。未だ視聴していませんが、同名の映画があることを知り、関連してwikで同氏のことを知り記すものです。

 同氏の4年程の軍歴において、撃墜敵機数は158機だそうです。我が国の撃墜王たる坂井三郎氏が64機撃墜ですから、桁違いの戦績であると思います。何れにしても、戦闘機を巧みに操り、空戦による戦果を上げうるためには、F1ドライバーと同様(以上か)の動体視力、反射神経、平衡感覚、頭脳と肉体の強健さが要求されるのだろうと想像されます。それにしても、wikの写真で見る同氏はハンサムな好青年と感じられます。

 さて、ハンス氏が駆った戦闘機は、ドイツ空軍ですから云わずと知れたメーサーシュミット(bf109)ですが、同機と、そのエンジンのことについて少し記してみます。


 bf109(もしくはMe109)は旧ドイツ軍の主力戦闘機です。ゼロ戦の様な空冷星形エンジンではないので、水冷エンジン(後述)によりプロペラスピナーから機体本体へとスリムに続く流線型のノーズを持っています。主翼も薄くされ、最高速度や急降下(ダイブ)性能を追求した設計とのことが記されています。その関連で、主脚(前輪)はエンジン部分にマウントされ、機体外側に折りたたまれる構造になったとも、そして主脚間のスパンが短く、ためにランディング中の安定性が悪く、転覆事故が多かったことも記されています。

 エンジンですが、型式はDB601(DBはダイムラーベンツ)、倒立(ヘッド側が真下)のV12気筒エンジンで、OHC4バルブヘッド、ヘッドとブロックは一体構造、クランク軸受けなどはローラーベアリングを多用し、ためにクランクもヒルト継ぎ手により組立構造、ルブリケーション(潤滑)はドライサンプ方式、機械式過給(スーパーチャージャー)は2段変速ですがフルードカップリングによる連続可変、機械式噴射ポンプによる筒内直接噴射(DI)と凝りに凝ったという表現に相応しいエンジンとなっています。ちなみに同型エンジンは、我が国の川崎航空機(現川崎重工)および愛知航空機(現愛知機械)にて、ライセンス生産され、彗星だとか飛燕に使用されましたが、当時の我が国工作機械の未熟さにより、ドイツ本国同等の性能は出せなかった様です。そのドイツ本国でも、大戦末期は我が国同様に物資欠乏により、高オクタンガソリンの供給が不可能となり、スペックを下回る馬力しか出せなくなった様です。

※メッサーシュミットの型式で、bfはバイエルン航空機を表し、社名変じてメッサーシュミット社でMeとなる。



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