私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

優雅な航空機

2011-01-21 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 過去の航空機で、最も優雅な佇まいを有するのは、英仏合作のコンコルド(Concorde)であったろうと思います。1976年から2003年まで、ロンドン→ニューヨーク間、パリ→ニューヨーク間を、超音速飛行により約3時間の飛行時間と、在来機の半分の時間で就航していたそうです。
 しかし、超音速飛行により生じる衝撃波(ソニックブーム)の影響を避けるため、大洋上のみ超音速飛行が可能であって、内陸部にある空港への就航が困難であった様です。また、超音速飛行は、旅客機用ジェットエンジンとしては希有な装備となるアフターバーナーによって達成されているのだそうです。アフターバーナーはエンジン推力を一気に50%程も増加させてくれはしますが、極めて熱効率が低下し、非常に多くの燃料(ケロシン)を消費してしまうそうです。従って、航空運賃も極めて高額ものになってしまった様です。
 そんな欠点を持っていたこともあったのでしょう。約30年の就航期間に製造された機体は、英仏合わせて僅か16機でしかなかったそうです。しかし、今でもコンコルドの飛翔する姿をビデオなどで見ると、水平尾翼を廃した綺麗な曲線を持つ主翼(オージー翼[デルタ翼の変形])に目を引かれます。また、主翼構造故に離着陸時に大きな機種上げ姿勢となるのに対応し、前方視界を確保するため機首が下向きに変位する構造や全面風防がアウターとインナーに別れ、大きく寝たアウター風防は機首下げ時になど、下部に収納される構造など、この機体にしかない独特のものです。
 それと、なにりより、飛翔する姿の美しさには関心します。離陸時および着陸時の速度は従来機より高速なのでしょう。主翼前縁部で大きく生じ渦を巻くベーバーが迫力を増します。また、従来機ですと水平尾翼にエレベーター(昇降舵)と主翼のエルロン(補助翼)に別れますが、デルタ翼ではこれらを合わせたエレボンという舵を持っており、急速度で急上昇した後、少しでも早く洋上へ出るためでしょう、上昇角度と保ったままバンクして旋回していく姿など、優雅だなあと関心してしまうのです。
 確かにコンコルドは商業的には成功したとは云えません。しかし、速度を求めるニースがない訳ではなく、この1960年代にデザイン(設計)されたコンコルドを、現代技術でリ・デザインしたとすれば、次のよなものになるのではないでしょうか。
 機体全体のデザインイメージは踏襲するものの、胴体および各翼は、複合材(ガーボンファイバー)の大幅採用で軽量化を図る。また、アルミ合金採用部位であっても削り出し製作により、表面凹凸を極小として空気抵抗を低下させる。エンジンは全般として高効率化したものとするが、離陸時や給与上昇時に備えアフターバーナーは装備する、但し、F22と同様にアフターバーナーなしでマッハ1。8程度までの超音速飛行を可能にする。当然、コックピット内もグラスコックピット(多面ディスプレイ)とHUD(ヘッドアップでスプイ)、それとレーダーシステムとフライバイワイヤシステムなどで、パイロットへの負担軽減と、安定性と安全性を向上させます。

追記
 国産中型旅客機MRJの開発が進められています。順調に進めば次年には、初飛行が行われる予定だそうです。しかし、B787とかA380の開発時の遅延のことを聞き及ぶと、安心はできないと感じます。なお、MRJは現状で100機前後の受注契約を得ているようですが、最終的には1000機以上の受注を得ないと、採算は取れないとのことです。航空機開発の難しさを感じる話しです。




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