私の思いと技術的覚え書き

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静岡・川勝知事の攻撃について

2021-07-04 | コラム
静岡・川勝知事の攻撃について
 私は静岡県民である。だから川勝知事を支持する思いはなく、様々な不満を感じるところもあるのも事実だ。

 ただし、リニアの問題については、川勝知事を支持するのだ。それは大井川の源流の問題をおざなりにするJR東海の思考を愚劣だと思うからだ。よって、川勝知事を、韓国とか中国の回し者だと非難する声は、正に現与党とかJR東海の世論操作に惑わされた謀略に引っ掛かった浅はかな知識に基づくものだと判断している。

 鉄道の超大トンネルと、水源の涸れという問題は、過去から歴史的事実があるのだ。それは、昭和12年の開通した丹那トンネルだが、約8kmのトンネルだが、計画8年で着工したが完成は16年を要した。工事遅延の理由は、途中で伊豆地震(昭和8年)が生じたこともあったが、総じて大量の湧水に悩まされたことだったという。

 現在の完成した丹那トンネル熱海口では、現在でも日量何万トンかの湧水が流れ出て、JRではそのまま海に捨てているそうだ。もったいなくも感じる。

 一方、丹那トンネル上部200~300mには丹那盆地という昔からの農村がある。トンネルができる以前のこの地は、水豊かで「わさび」の産地だったという。それが、トンネル完成後は、水源は涸れ、酪農を中心としたに変わってしまったという。なお、この辺りの詳しいことは、吉村昭著「闇を裂く道」(小説)に詳しい。

 ということで、南アルプス直下に超大トンネルを通すことは、安倍川源流部に著しい変化をもたらす要素があり、そうならない説明を川勝知事は求めているのだ。

 最後に、「リニアが世界最高でニッポン最高」という考えだが、正に「オリパラだけを追求する姿」と近似した思想を感じる。


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