ジェット・ノズルの話

　映画・トップガンの冒頭のシーンはよく覚えている方も多いのではないでしょうか。空母上からカタパルトで急加速され離陸したＦ１４トムキャットが、ジェットノズルから強力は排気炎を噴き出しながら急上昇して行くというシーンです。ジェット戦闘機の場合は、アフターバーナーという出力増強装置が付いていますから、それをＯＮして最大推力で急上昇しているところですが、凄い迫力で映像化されています。

　ところで、写真はＦ１５Ｊの排気ノズル付近を写したものですが、ノズル開口径を可変にするための機構が付属しています。これは戦闘機の様にアフターバーナーを装着した戦闘機にはほぼ付属する様ですが、民間用航空機では、まず見掛けない装置です。

　アフターバーナー付きジェットでは推力可変域が広い訳ですが、アフターバーナーＯＮの場合の様な強い推力の場合は最大径とし、アフターバーナーＯＦＦで出力を絞った場合は、ノズル径をすぼめジェット流速を維持するというのが目的の様です。これは例えて見れば、水道ホースの出口を指でつまんで狭くすると、出口の流速が上がって出る水の勢いが増すというものと同様のことです。ちなみにジェットノズルは非常に高温となり、しかも航空機では軽さも求められます。たぶんですが、ノズルの羽はインコネルで、リンク関係はチタン系の素材が使われているのだと想像します。

　なお、写真はＦ１５Ｊで、空母搭載をしない陸上からの離陸と着陸を前提とする戦闘機ですが,着艦フックと同様のものが装着されていることが判ります。これは、あくまでも何らかの緊急時の非常停止用として備えているものだそうです。