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トヨタ系サプライヤー製エアバッグ採用のGM者で100万台規模リコール

2023-05-19 | コラム
トヨタ系サプライヤー製エアバッグ採用のGM者で100万台規模リコール
 トヨタ系サプライヤーである豊田合成が関わり米GM車に採用されていたエアバッグが、NHTSA(米運輸省)よりリコール公示されたという。対象は、GM車の2014年から2017年に製造された3車種で、合計対象台数は100万台にもなるとしている。

 しかし、エアバッグよいうシステムは自動車の衝突という極短時間(0.1-0.2秒と云われる)の速度変化に対し、その前期行程で衝突時間の1/10程度という極短時間に高信頼度で機能しつつ、その展開速度時速換算で100km/hを越えると聞くが、それが高速度過ぎても内部構成部品の破壊などから搭乗者に障害を与えると云う事態があり得る。それが、世界でもエアバッグ市場の1/4程度を保有しつつ、シートベルトプリテンショナーまで初開発したかつての日本のタカタであったが、全世界で1000万台を越えるリコールを出しあえなく倒産することになった。また、数年前日産、三菱の協同製作車のデイズがエアバッグの展開の仕方が軸線に対し変位して展開すると云う問題が社内で発見され、原因追及のため数ヶ月生産を停止し、対策部品の投入を図ると云う事態もあった。

 今回のGM納品のエアバッグが、どういう不具合でのリコールなのかは報道では記されていないが、その理由に感心が持たれるところだが、何れにせよ、エババッグシステムとは、作動は電気仕掛けだが、実際の高速チッ素ガスの発生は電気でなくケミカル的なエクスプロージョン(爆発的な現象)であり、タカタの事例でも、そこに吸湿性による膨張と収縮という環境と時間的経過に伴う、転移によるガス発生ペレット剤の多亀裂での表面積の増加による当初設計値を大幅に上回る膨張速度が起因していたなど、極めてデリケートな性格を持つ、製造社にとってある意味リスキーなパーツだという思いを持つところだ。

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GM車100万台のリコール…豊田合成のエアバッグ搭載、ARC社製インフレーターに異常
レスポンス 2023/5/18
 豊田合成は5月18日、米国子会社が製造した運転席用エアバッグを搭載したGM社3車種について、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)とカナダ運輸省からリコールが公表されたことを発表した。
 今回のリコールは、GM社が2014年から2017年に製造した3車種について、衝突事故の際に運転席用エアバッグのガス発生装置(インフレーター)に異常が生じるおそれがあるというもの。対象車両は米国公表分が約99万台、カナダ公表分が約4万台。当該インフレーターは米自動車部品サプライヤーのARCオートモーティブ社にて製造され、豊田合成の米国子会社に納入されたもの。
 当該インフレーターの異常の原因については、現時点では特定に至っていないことから、豊田合成はGM社およびARC社に協力して調査を進めている。


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