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トラックフレームの思想と修理 その2

2021-08-09 | 車両修理関連
トラックフレームの思想と修理 その2
 前回、トラックフレームの構造だとか思想といったものを記して来たが、今回は事故などでの修復の概要を記してみたい。

 モノコックボデー車の骨格修正もフレーム修正機(日本語では車枠矯正装置)が使用されるが、トラック用としても、世界的に幾つか販売されている様だが、何れも原産国は欧州が多い様だ。一つはカタログの一部を添付するが、JOSAM(ヨサム、ジョサム?)というスェーデンが原産国だ。販売はUSA。もう一つは、乗用車としてもある程度使用例が多い、仏セレット社のものがある。

 正式な価格は知らないが、乗用車用でも1千万からという定価だが、たぶんJOSAMの接地には、床に強固なアンカーレールを埋め込む必用があるが、これらの工事も入れ5千万位は要すのではないかと想像している。

 トラックフレーム曲がり方としては、上下曲がり、左右曲がり、そして捻れの3つがあるが、多くの場合で複合して生じている場合が多い。なお、フレーム材質は単なる鋼材ではなく、高張力鋼が使用されているが、粘りも必用とされるので、乗用車の極一部部位に使用されている様な、高い引っ張り強度のものではない。それでも、座屈の程度などによっては、当該座屈部位に亀裂が生じている場合もあるので、その溶接修理も含めて修正を行って行く。

 なお、先に述べたフレームの曲がり型3種を記したが、まず、上下もしくは左右を直し、クロスメンバーと結合後に、最終的に捻れを取るという順序が一般的だ。

 最後に、Youtube動画で、たぶんインドでの実例としての、トラックフレーム(事例はアクトロス・トラクタ)の10分弱の動画を参考までに見て欲しい。ここでは、先に述べた高価なフレーム修正機は一切使用していない。その原理は、添付図の通りで、1本の重量鉄骨材とたぶん50トンクラスの油圧ジャッキ、耐能力50トン以上のチェーンを数本使用しての作業だ。これを記している拙人も、かつて30年程前は、日本各地でこの様な作業を眺めて来たものだった。



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【トラックフレーム修正動画】 インド?
Mercedes Actros truck accident frame rpering
2020/08/22
https://www.youtube.com/watch?v=T6SFphL0tRw


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