私の思いと技術的覚え書き

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バンパーの今昔

2008-12-28 | 車両修理関連

 最近のクルマはちょっとした事故でも、つまり大して大きな事故でなくても、バンパーが取れて脱落してしまうケースが増えていLexusisると感じられます。

 その理由は、この写真(レクサスIS )を見れば判ります。ヘッドランプ下部だとか、左右サイド部分に、バンパーの縁部分が勘合して装着される方式なっています。その他、バンパーの中央部だとか下部は、クリップというはめ込み式プラグで装着されているのです。

 ですから、クルマ同士の事故等で、主に横方向に引き千切られる様な力を受けると、簡単に外れて脱落してしまうのです。

 バンパーという意味を英語を直訳すれば「緩衝器」であり、ある程度の力を受け止めるというのが本来の機能である訳です。しかし、最近のクルマのバンパーは、ボデー面と隙間なく一体化され、単なるボデーの一部分というのが実態なのです。

 大昔のバンパーは大体がスチールメッキされたものが多かったのですが、これは左右にブラケットがフロントサイドメンバーというボデー骨格に取り付けられていました。

 その後、樹脂バンパーが主流になって行きましたが、米国のFMVSS(米連邦安全基準:日本の保安基準に相当する法律)の5マイルバンパー規準といって、時速8km/hで衝突してもぼでーのダメージがない規準を満たすためのバンパー等は、強固なバンパーリインホースメント(骨)が、フロントサイドメンバーに太いボルトで強固に固定され、樹脂のバンパーフェイシア(カバー)は、リンホースメントに多数のボルトと押さえ板で固定されるというものだったものです。

 その後、米国での省エネルギー法案としてCAFF規制との関係もあったと感じますが、FMVSSの5マイル規準で車重が重くなり燃費が悪化すのを改善するため、2.5マイル規準に変更されて現在に至っているのです。

 

追記

 現状のクルマはめ込み式のバンパーでも、バンパーリインホースメントが使用されている場合は多くあります。しかし、昔の様にリインホースメントにカバーが装着されるものではなく、バンパーカバーとの間は隙間があり、エネルギアブソーバー(単なる発泡スチロールですが素材の割に馬鹿高い価格設定)が入っている場合が多くあります。ですから、バンパーリインホースメントの位置・寸法精度は、高いものではありません。


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