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BMWなどでのECU系ユニットのベーシックとプログラミング済みの意味

2022-11-09 | 技術系情報
BMWなどでのECU系ユニットのベーシックとプログラミング済みの意味
 ここでは、BMW車でパーツリストから部品を検索した場合に、ECU関係のパーツで「ベーシック」と「プログラミング済み」と2種の部品番号が設定されている理由を記してみたい。

 この理由だが、かつてはECUなど電子制御部品には、そのファームウェア(組み込みソフトウェア)に車両個別の車台番号(VIN)までが記録されることはなかったのだが、現在はエンジンECUだけでなく、ある程度主要なECUとして、BMWの例ではAT用ECU(EGS)、ABS、ライトSW、CAS(イモビライザー用ECU)他などにも、車台番号が記録されており、エンジンECUとの一致するかどうかを判定している。

 この理由としてはあくまで想像となるが、車両メーカーとしてやたら簡易に交換されることで、セキュリティ低下とか、自社正規部品の売上減少を防止したい(一種の囲い込み思想)という思惑があるのではないだろうか。

 そんなことで、先に上げたような関連ECU(ECUという名称はなくても相当制御を行う)ユニットを他車両の中古代替部品に付け替えると、そのままではエンジンECUとの車台番号が不一致となり、メーター内の該当制御異常の警告灯が点灯し、OBDスキャンテスターで点検すると、○○車台番号不一致という内容の表示がなされる。

 ここで、表題のベーシックとプログラミング済みの意味に入るが、「ベーシック」とはその部品に車台番号など車両固有の識別が記録されていない補給部品であることを示すもので、「プログラミング済み」とは、車両固有の識別が記録された状態で出荷される部品という違いとなる。つまり「プログラミング済み」パーツでその該当部品を交換した場合は、何ら車台番号など車両固有の識別を該当ECUに記録し直さなくて(BMWの場合はコーディングと呼んでいる)も良いということだ。また、この「プログラミング済み」部品を発注する際は、車台番号などを明確に指定して発注することで「プログラミング済み」部品の出荷がなされるということとなる。

 なお、BMWの場合、エンジンECUについては「プログラミング済み」という部品補給はなく、すべて「ベーシック」となっている。


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