トヨタ社長交代をどう見るか
日本最大の企業であるトヨタ自動車が現取締役社長の豊田章男(66)が代表取締役に退き、新社長(ただし執行役員社長に佐藤恒治(53)を指名したという。現代表取締の内山田竹志(初代プリウス開発主査)は退任という。
さて、自動車以外の大企業でも今や云われることが多い、現在は様々な業態とか国家において100年に一度の変革期ではないかと云うことがあるのだが、端的に述べて自動車関連事業こそがその代表格だろう。それは、EV化、ASV化、伴う人口減少と高齢化、自動車保有台数の大幅減少が予測される中で、米を代表とするアップル、グーグル、アマゾン、テスラなどのテック(IT)企業群の参入が今や始まっていることから明らかだろう。
これについては、井上久夫氏(ジャーナリストだが、本人は認めておらず覆面作者は正体不明とされているが、どうやらその本人と黙されているトヨタの内情に極めて精緻な知識を持つと思える)の記述を重視せねばなるまい。そこで、ヤフコメから同氏の論述を転載する。
なお、本記述をしつつ、Netより様々な情報探索をした中で、新社長は執行役員社長という代表権のない、しかも執行役員とは、会社法で規定される取締役ではなく、あくまでも個別企業における職階の一種で、企業と雇用関係のある従業員の立場となることを知る。となると、今回の人事で、代表権のあるのは代表取締役会長の豊田章男と代表取締役副会長の早川茂、そして代表取締副社長の小林耕士の3名で、その他5名の平取締役(内3名は社外取締役)という構成になる。これで、新社長が執行役員と取締役もしくは代表取締役以下の権限しかないのに、トップリーダーとして権限行使というか意思決定が出来るとは到底思えないと云うことが読み取れる。
それと、とかく大きな組織、強い権限者を嫌うと云うか冷徹に眺める思考がある私の思いとして、トヨタが章男社長以降やってきたGAZOORacing(GR)というスポーツブランドがあるが、これトヨタでは「ガズー」と読むことにしているのだが、当初のNet試行錯誤の時代にGAZOOは画像(かぞう)から命名したことを知る者としては、ガゾーレーシングと読み習わし続け、その新車グレード内容も何処かチープで安直なというイメージが拭い去れないのだ。そして、新社長の経歴で2020年9月よりGAZOO Racing Company Presidentとあり、ああここで友達関係ができたんだと想像が付くという問題になる。
先のジャナーリスト井上氏のYoutube論評だったかどうか記憶が曖昧だが、章男社長というのは謀殺された安倍元首相と同じく3代目なのだが、性格や行動パターンに類似性があるが、想像も交え本院同士は反目もある様だとの意見があった。しかし、共通項として友達で取り巻きを固める行動パターンというのは、説得力がありそうに思える。
それと、福島原発の壊滅的事故で国会事故調委員長に任命された黒川清氏が、問題起因ワードとしての「グループシンク」(集団浅慮)だが、友達関係において顕著になりそうに思える。このことが、最近記した新型クラウンの外装デザインも、そのシルエットがプリウスそっくりという安直さに表れているのではないだろうか。この外装デザインの共通性というのは、ある意味ドイツ車では、ブランド力として、全体ではなく、ある部分の共通性(BMWのキドニーグリルなど)で訴求することはあったが、側面シルエットが概ね同じというのは、ブランド力になり得ない、むしろマイナスとしてのバイアスが働くのではないのだろうか。
まとめに入りたいが、今回の人事だが、新社長はそれは能力高い人物なのだろうが、トヨタ独自の方針とか決断ということは、まず不可能だろう。100年に一度の変革期、既にEV戦略では出遅れ感ありという中、世界的に日本の生産コストの低さとか信頼性の高さという面があったのだが、魅力を保ち続けられるのだろうか、いささかネガティブな結論しか導けないという思いだ。
※代表取締役と社長との違い
最も混同されやすいのが、代表取締役と社長だろう。必ずしも代表取締役が社長である必要はなく、代表取締役と社長は全く別のものだ。代表取締役は会社法で定義された役職であるのに対して、社長は会社内で決められた役職となる。多くの場合、社長が会社のトップであることから、代表取締役社長となることが一般的だ。そのため混同されやすいのだが、そもそもは別の役職となる。代表取締役の権限とは、他の取締役より一段強い権限を持つ。その最も大きな違いが、その者は裁判などにおいて、会社そのものとして認識されることにある。
--- 新社長略歴 ---------------------------------------
氏名 佐藤 恒治(サトウ コウジ)
生年月日 1969年10月19日(53)
学歴 1992年3月 早稲田大学理工学部機械工学科卒業
主な職歴
1992年4月 トヨタ自動車株式会社入社
2016年1月 同社 Lexus International Co. ZLチーフエンジニア
2017年4月 同社 常務理事就任
2017年4月 同社 Lexus International Co. 統括
2019年1月 同社 Lexus International Co. Executive Vice President
2020年1月 同社 執行役員就任
2020年1月 同社 Lexus International Co. President(現在に至る)
2020年9月 同社 GAZOO Racing Company President(現在に至る)
2021年1月 同社 執行役員就任(現在に至る)
2021年1月 同社 Chief Branding Officer(現在に至る)
2023年1月 同社 執行役員 社長就任 (従前の代表取締役豊田章男氏は、代表取締役会長へ)
--- ヤフコメ ---------------------------------------
井上久男 23/1/26 17:30
経済ジャーナリスト
09年に就任した豊田章男社長は就任直後はリーマンショックの後遺症や米国のリコール問題への対応に苦慮したが、歴代経営陣が蓄積してきた財務力、人材力を駆使して「危機」を乗り越えてきた。しかし、次期社長の佐藤氏には豊田氏以上に厳しい課題が突きつけられることになるだろう。自動車業界は100年に1度の変革期であり、EVシフトを軸に技術革新の波が襲い掛かっているが、トヨタはハイブリッド技術に安住してその流れに遅れつつある。このため21年12月に発表したEV戦略を見直している。EVのプラットフォーム戦略もゼロからのやり直しだ。加えて、トヨタがドル箱としてきた北米市場で、インフレなどの影響によって収益が大幅に悪化している。昨年の中間決算時点で北米の営業利益は前年同期比84%減となり、抜本的な改革を迫られている。新社長は収益の確保と、時代の流れを見据えての中長期の戦略を同時並行で進めていかなければならない。
--- 報道 ---------------------------------------
トヨタ自動車社長に53歳の佐藤恒治氏 豊田章男氏「現場で努力」
朝日新聞デジタル 1/26(木) 15:57配信
トヨタ自動車は26日、豊田章男社長(66)が4月1日付で会長に就任し、佐藤恒治執行役員(53)を社長に昇格させる人事を発表した。トヨタの社長交代は14年ぶり。急速に進む自動車の電動化の流れの中で、トップの若返りを決断した。
佐藤氏は早大理工学部を卒業後の1992年に入社、20年に執行役員に就任し、現在はチーフブランディングオフィサーを兼ねている。
豊田社長は84年に入社し、専務や副社長などを経て09年に社長に就任。リーマン・ショック後の業績悪化からの経営再建などを主導した。
■豊田氏「佐藤氏は若くて車を作ることが好き」
豊田社長は、26日に出演した自社メディア「トヨタイムズ」の番組内で、社長退任を決断した理由について「内山田会長の退任がトリガーだった」と述べた。佐藤氏を後任社長に選んだことについて、「若さと車を作ることが好きだった。車作りの現場で努力してきたのも見てきた。トヨタのトップは、現場を体験している人と思っていたので適任だった」とし、「一人で経営しようとせず、チームでやってほしい」とエールを送った。トヨタはこの日、内山田竹志会長が退任することもあわせて発表した。
日本最大の企業であるトヨタ自動車が現取締役社長の豊田章男(66)が代表取締役に退き、新社長(ただし執行役員社長に佐藤恒治(53)を指名したという。現代表取締の内山田竹志(初代プリウス開発主査)は退任という。
さて、自動車以外の大企業でも今や云われることが多い、現在は様々な業態とか国家において100年に一度の変革期ではないかと云うことがあるのだが、端的に述べて自動車関連事業こそがその代表格だろう。それは、EV化、ASV化、伴う人口減少と高齢化、自動車保有台数の大幅減少が予測される中で、米を代表とするアップル、グーグル、アマゾン、テスラなどのテック(IT)企業群の参入が今や始まっていることから明らかだろう。
これについては、井上久夫氏(ジャーナリストだが、本人は認めておらず覆面作者は正体不明とされているが、どうやらその本人と黙されているトヨタの内情に極めて精緻な知識を持つと思える)の記述を重視せねばなるまい。そこで、ヤフコメから同氏の論述を転載する。
なお、本記述をしつつ、Netより様々な情報探索をした中で、新社長は執行役員社長という代表権のない、しかも執行役員とは、会社法で規定される取締役ではなく、あくまでも個別企業における職階の一種で、企業と雇用関係のある従業員の立場となることを知る。となると、今回の人事で、代表権のあるのは代表取締役会長の豊田章男と代表取締役副会長の早川茂、そして代表取締副社長の小林耕士の3名で、その他5名の平取締役(内3名は社外取締役)という構成になる。これで、新社長が執行役員と取締役もしくは代表取締役以下の権限しかないのに、トップリーダーとして権限行使というか意思決定が出来るとは到底思えないと云うことが読み取れる。
それと、とかく大きな組織、強い権限者を嫌うと云うか冷徹に眺める思考がある私の思いとして、トヨタが章男社長以降やってきたGAZOORacing(GR)というスポーツブランドがあるが、これトヨタでは「ガズー」と読むことにしているのだが、当初のNet試行錯誤の時代にGAZOOは画像(かぞう)から命名したことを知る者としては、ガゾーレーシングと読み習わし続け、その新車グレード内容も何処かチープで安直なというイメージが拭い去れないのだ。そして、新社長の経歴で2020年9月よりGAZOO Racing Company Presidentとあり、ああここで友達関係ができたんだと想像が付くという問題になる。
先のジャナーリスト井上氏のYoutube論評だったかどうか記憶が曖昧だが、章男社長というのは謀殺された安倍元首相と同じく3代目なのだが、性格や行動パターンに類似性があるが、想像も交え本院同士は反目もある様だとの意見があった。しかし、共通項として友達で取り巻きを固める行動パターンというのは、説得力がありそうに思える。
それと、福島原発の壊滅的事故で国会事故調委員長に任命された黒川清氏が、問題起因ワードとしての「グループシンク」(集団浅慮)だが、友達関係において顕著になりそうに思える。このことが、最近記した新型クラウンの外装デザインも、そのシルエットがプリウスそっくりという安直さに表れているのではないだろうか。この外装デザインの共通性というのは、ある意味ドイツ車では、ブランド力として、全体ではなく、ある部分の共通性(BMWのキドニーグリルなど)で訴求することはあったが、側面シルエットが概ね同じというのは、ブランド力になり得ない、むしろマイナスとしてのバイアスが働くのではないのだろうか。
まとめに入りたいが、今回の人事だが、新社長はそれは能力高い人物なのだろうが、トヨタ独自の方針とか決断ということは、まず不可能だろう。100年に一度の変革期、既にEV戦略では出遅れ感ありという中、世界的に日本の生産コストの低さとか信頼性の高さという面があったのだが、魅力を保ち続けられるのだろうか、いささかネガティブな結論しか導けないという思いだ。
※代表取締役と社長との違い
最も混同されやすいのが、代表取締役と社長だろう。必ずしも代表取締役が社長である必要はなく、代表取締役と社長は全く別のものだ。代表取締役は会社法で定義された役職であるのに対して、社長は会社内で決められた役職となる。多くの場合、社長が会社のトップであることから、代表取締役社長となることが一般的だ。そのため混同されやすいのだが、そもそもは別の役職となる。代表取締役の権限とは、他の取締役より一段強い権限を持つ。その最も大きな違いが、その者は裁判などにおいて、会社そのものとして認識されることにある。
--- 新社長略歴 ---------------------------------------
氏名 佐藤 恒治(サトウ コウジ)
生年月日 1969年10月19日(53)
学歴 1992年3月 早稲田大学理工学部機械工学科卒業
主な職歴
1992年4月 トヨタ自動車株式会社入社
2016年1月 同社 Lexus International Co. ZLチーフエンジニア
2017年4月 同社 常務理事就任
2017年4月 同社 Lexus International Co. 統括
2019年1月 同社 Lexus International Co. Executive Vice President
2020年1月 同社 執行役員就任
2020年1月 同社 Lexus International Co. President(現在に至る)
2020年9月 同社 GAZOO Racing Company President(現在に至る)
2021年1月 同社 執行役員就任(現在に至る)
2021年1月 同社 Chief Branding Officer(現在に至る)
2023年1月 同社 執行役員 社長就任 (従前の代表取締役豊田章男氏は、代表取締役会長へ)
--- ヤフコメ ---------------------------------------
井上久男 23/1/26 17:30
経済ジャーナリスト
09年に就任した豊田章男社長は就任直後はリーマンショックの後遺症や米国のリコール問題への対応に苦慮したが、歴代経営陣が蓄積してきた財務力、人材力を駆使して「危機」を乗り越えてきた。しかし、次期社長の佐藤氏には豊田氏以上に厳しい課題が突きつけられることになるだろう。自動車業界は100年に1度の変革期であり、EVシフトを軸に技術革新の波が襲い掛かっているが、トヨタはハイブリッド技術に安住してその流れに遅れつつある。このため21年12月に発表したEV戦略を見直している。EVのプラットフォーム戦略もゼロからのやり直しだ。加えて、トヨタがドル箱としてきた北米市場で、インフレなどの影響によって収益が大幅に悪化している。昨年の中間決算時点で北米の営業利益は前年同期比84%減となり、抜本的な改革を迫られている。新社長は収益の確保と、時代の流れを見据えての中長期の戦略を同時並行で進めていかなければならない。
--- 報道 ---------------------------------------
トヨタ自動車社長に53歳の佐藤恒治氏 豊田章男氏「現場で努力」
朝日新聞デジタル 1/26(木) 15:57配信
トヨタ自動車は26日、豊田章男社長(66)が4月1日付で会長に就任し、佐藤恒治執行役員(53)を社長に昇格させる人事を発表した。トヨタの社長交代は14年ぶり。急速に進む自動車の電動化の流れの中で、トップの若返りを決断した。
佐藤氏は早大理工学部を卒業後の1992年に入社、20年に執行役員に就任し、現在はチーフブランディングオフィサーを兼ねている。
豊田社長は84年に入社し、専務や副社長などを経て09年に社長に就任。リーマン・ショック後の業績悪化からの経営再建などを主導した。
■豊田氏「佐藤氏は若くて車を作ることが好き」
豊田社長は、26日に出演した自社メディア「トヨタイムズ」の番組内で、社長退任を決断した理由について「内山田会長の退任がトリガーだった」と述べた。佐藤氏を後任社長に選んだことについて、「若さと車を作ることが好きだった。車作りの現場で努力してきたのも見てきた。トヨタのトップは、現場を体験している人と思っていたので適任だった」とし、「一人で経営しようとせず、チームでやってほしい」とエールを送った。トヨタはこの日、内山田竹志会長が退任することもあわせて発表した。