私の思いと技術的覚え書き

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方言と地域気質に思うこと

2008-11-15 | コラム

 20年近く前、私はある会社の東京本社に勤務しており、同社の全国のアジャスターと話しをする機会が多くありました。会っての話しはともかく電話での話では、その方言もあり言葉の意味が判らず困ることが時々ありました。方言の強い地方でも、若い人はまあ標準語を意識しているのでしょうから、ほとんど問題なく理解できます。しかし、青森や鹿児島辺りの年配の方になりますと、「え、え、もう一度云って下さい」何て云うことを繰り返し聞いたものでした。

 ところで、本社時代は、何かと地方からのおたずね(質問)を受けたのですが、質問の回答者として問題を感じることが多くあったものです。それは、「そんなこと自分で調べろよ、それがあなたの仕事でしょ」と云うものでした。当時、余りにも繰り返して下らない質問をしている者に、「お前、クルマ見たんだろう、俺は見ちゃいないから判る訳ないだろう」とか「こんな下らん質問して来んな、もう、お前の質問は一切答えんからな」何て云ってやったこともありました。(気が短い私ですから後悔することも多いですが一生直らないでしょう。)

 方言と共に、地域的な特性と云うものも感じられるものです。東京人(実際に東京生まれ育ちは少ないものですが)は、関西人を「何て吹っかける常識を知らない奴らだ」等と思っている場合が多くあるものです。一方、関西人は東京人を「上品気取りの上っ面だけで本音を言わない奴らだ」等と思っているのかもしれません。

 特に東京圏に住む方々には、関西アレルギーみたいなものがあり、関西人は関西弁を隠そうともせず、すぐアホと云うとか、主張ばかりして図々しい奴らだとか思っている方が多い様に感じられます。しかし、私は、母親が関西人だったせいもあるのかもしれませんが、いわゆる関西アレルギーはなく、むしろ東京圏の「上品ぶって本音を隠す気質」より関西圏の「吹っかけるけど、あっさりした気質」の方が好ましい等と思ってしまいます。

 これは、愛知県に2年程単身赴任していた時に感じたことです。愛知県というのは、名古屋を中心とした尾張地域とそれより東方の三河地域に分かれます。私の赴任先は、三河地域でしたが尾張寄りの場所でした。主に三河地域を中心に交流を行ったのですが、偶に尾張地域での活動もしたものです。そんな中、この地域間の気質の差異を感じたものでした。それは現地の方の思いを代弁すれば、三河は尾張のことを「欲が深い奴らだ(いわゆる尾張商人だ)」と思い、尾張は三河を「のんびり屋の田舎者め」なんて云う思いであった様に感じられます。

 私の仕事面でも「尾張の方はきついなあ」なんて思うことがあったものです。思い出すのですが、尾張の整備工場代理店さんでしたが、なかなか「きつい」お話しをよく聞いたものでした。しかし、暫く付き合い打ち解けてから、困ったという意思表示をした私に対し、その工場主曰く「俺はなあ、何時も言い過ぎちゃうんだよ、悪いなあ。」と云ってくれたものでした。そんな、元気一杯で頑張り屋の工場主でしたが、あるとき病気に掛かり急激に悪化し、半年程の期間で亡くなってしまったことが記憶に残ります。見舞いに行った病室で、今ままでの強気の発言が嘘の様に「今後も頼むわ」と死に行く様を表す如くの弱々しい発言を聞き、涙を堪えるのに一杯だったことが思い出されます。

追記

 これは、方言ではないのかもしれませんが、私が東京時代に巡り会った敬服すべき上司たる人物から、よく「お前さん」と呼びかけられたものでした。これにはまったく抵抗を感じることはなかったのですが、別の軽蔑している上司から酒の席で説教じみた言葉として「お前さん」と呼ばれた際にはキレてしまったことがありました。その時は「あなたにお前さんと呼ばれるまでの覚えはない。あなたは私を見下している」と突き放してやったことがありました。これだから出世できないんだよなと思いますが、全然後悔なんかしていません。

 類似のことで、これは酒席でもなかったのですが、日頃軽蔑すべき上司から「◎◎君」と君呼ばわりを繰り返されて、「あなたは私を見下している、人間とはそもそも対等なはずだ」と正論を投げ掛けたら、だまり込んでいたものです。人間、偉くなると見下ろしたがる方が多いものです。私も気遣わなければいけないことと思います。

追記2

 私のことですが、これは方言なのかどうか判りませんが、接する相手に対し「あんた」と呼びかけることがクセになっています。これは私からすれば、親しさを込めた「あなた」であるという意識なのですが、東京人(田舎者の集まりですが)からは、「お前」と呼ばれたに等しいという意識を生じさせ、反発を買っている様です。しかし、私はこれを変えるつもりはありません。




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