私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

別事故クレーム絡みの話

2008-11-15 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険

 ちょっと以前の思い出です。ポルシェ911(964型だったかな)の左前ぶつかりの100:0事故の相手車両でのことです。修理作業の911repair_2着手後の工場より電話連絡があり「別事故がありちゃんと直らないからお客さんに説明して欲しい」との内容でした。

 この様な話は時々あるのですが、いくら私がお客さんに話をしたって信憑性を疑われてしまい兼ねません。ですから、工場には「判った、工場へお客を連れて行くから現車を前に説明してくれ」と返事をしました。そして、土曜日でしたがお客さんを連れて工場へ訪問した次第です。

 そんな訳で、お客様と工場へ行く道すがら世間話をしましたが、お客様は大都市団体の職員さんで私より若干年上という真面目そうな方でした。ポルシェに憧れ、中古車として購入されて数ヶ月を経たとのことでした。

 さて、工場へ訪問し、お客様と一緒に該当車を見たのですが、工場の訴える不具合とは、フードを取替たのだが左側フロントフェンダーの曲面(上下)が合わないことや、同じくカウルパネルと合わないことであり、以前の事故修復がまともになされていないことにあると云うものでした。

 現車を見ると確かに、各パネルの合わせは悪いし、フロントドアヒンジ部を見れば大きく動かしてチリ合わせを行った跡が丸わかりですし、フロントサイドメンバー等の骨格がアンダーコートのパー吹き仕上げの荒っぽい修理を行ったのが丸判りのものでした。

 お客さん曰く「購入した中古車屋さんは無事故車と云うし、カレラ仕様のバンパーが装着されて気に入って購入した」とのことでした。そんな訳で、工場には現状でなるべく目立たない様修理を進めてもらうことを要請し、お客様の了解を得た次第なのです。クルマ好きなお客様が騙されてしまっていたことにちょっと気の毒に思いましたが、この様なケースは時々あることですし、中古車選びの難しいところだと思います。また、これだけ明確に事故修復跡があるのを無事故車だと云って販売したとすれば、その中古車屋さんのモラルも疑ってしまいます。

追記

 そもそも、このポルシェの損傷車はフードは前端部の比較的軽微な変形だったものです。鈑金修正してくれさえすれば、こんな問題も生じ得ることはなかったのかもしれません。安易な部品交換が、新たなトラブルを生み出す一要因とも感じます。




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