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改めて90年バブルショック以来の時代の変容を思う

2022-06-11 | コラム
改めて90年バブルショック以来の時代の変容を思う
 これは従前も掲載した自動車保有台数の年度別、車種別推移を示した表とグラフなのだが、今回は総台数より「貨物車」(トラック)の推移に注目して欲しい。

 貨物車がピークとなるのは1992年でおよそ2100万台だ。その後減り続け、2014年以降は1400万台程度で安定化している。つまりピークの66%程度まで減って安定化したということだ。つまり大まかに云えば、貨物車市場は往時の1/3が失われ2/3の市場となりほぼ頭打ちになったという訳だ。これは何を示すかと云えば、主に企業が総需要の低減から利益を確保するために設備投資を抑制したことに他ならないからと思える。


 なお、この間に物流量が2/3になったかと云えば、例えば今まで最大積載量20トンだったのが25トンまで許容されたり、運送業の許認可が緩められ運輸事業者数は中小零細を中心に増えていると予想されるなど、そこまで物流量が減っていない様にも思える。しかし、トヨタが始めたジャストインタイムとかの弊害で、夜中のパーキングエリアが一杯でとか、道路によってだが、貨物車の交通量がそこまで減ったと云う感じは受けない。ただし、拙人はこの期間中の自整業などを眺めて来て、どちらかと云えば貨物車中心に営業していた零細自整業社の廃業が目立ったことはここに理由があったのかと今更ながら思うところだ。この貨物車のグラフが示す軌跡を、乗用車についても何年後か先から同様にたどる様に思えて来るところだ。

 さて、昨夜も自分以上の高年齢者と現代を覆う思想というか風潮のことに論議がおよぶのだが、「昔は良かった」が年寄りの一般論調として揶揄されるところなのだが、この話しは昔は良かったではなく、現代を覆う思考が、端的に云えば危険な方向に近づいていると感じるところでは一致するところなのだ。

 これは、例えば政治の世界では、ますます庶民の政治への関心が薄れていることと、今年は参議院選挙が7/10に予想されているがますます保守政権たる自民党が力を付けるだろうと予想される雰囲気が醸し出されていること。そんな中にあり、既に方向は国防予算の大幅増額という名の軍事費増額が既定路線と化していること、憲法改正もしなけりゃならんとかいう雰囲気などを同感するものだ。その論議相手車曰わく、今の若い人たち見ていると、あまりに政治に関心薄く、権力の前に反対の意思表示もしない様子を見ていると、憲法改正がなり自衛隊でなく国防軍という組織が正式化した後のことだが、現在の韓国並みに、ある年齢層での1年なのか2年なのか兵役までが持ち出される時代が訪れれるかもしれないと云うのだが、幾ら何でもとは否定するものの、自信を付けた権力者は愛国という名の大義名分を掲げ、その様な時代が来ないとも限らない。

 まあ、これが実際行われるにしても、私が生きている内に行われることも、私が兵役召集される年齢層でもないが、その対象者となる後輩諸君とか国家のあり方、そして80年前にあれだけ幾ら公開しても足りない戦争を経験している中で、どうしてこういう時代は繰り返すことになるのだろうかということだ。

 このことは、近年80年前の戦争の悲劇を忘れるはずもないのに、あの戦争は結果として負けたが、間違っていなかったとか、米国の謀略に填まったとかいう、日本史肯定論というべき論者もあるのだが、幾ら追い詰められたにしても、勝てるはずのない戦争に踏み切ってしまった、しかも負けが明確になっても、権力者は負けを認め難く被害をとことん拡大してしまったという致命的間違いを犯したのだと思う。これは、ある信念を持った犯罪者が、幾ら抗弁を並べ建てても、侵してしまった罪は素直に認めなければならないのと一緒で、その犯罪を犯す前の段階で、すべてを諦め隷属する必用はないにしても、もっと粘り強く別の解決方法を模索する必用があったと思える。それを、一部書数を除き、開戦を喜んだ国民が多数だったという歴史の上に反省する国民が、懲りずにまた復活しつつあることを示しているのではないだろうか。

 このことは賢者は歴史に学び愚者は経験に学ぶと述べたビスマルク(現在のドイツ将軍)の言葉があるが、そのドイツですら、二度の対戦を引き起こしているという事実を振り返るとき、人間とは愚かなものだという思いが込み上げて来るのだ。

 この現実を知る時、やはり愚かな人間にとって、言論の自由と云うのは何よりも大切な基本原理だろうと思う。ただし、これは浅慮というべき直情型の情に流された言論であってはならず、何手も先を見通した熟慮に基づいたものであることが必用ではないだろうか。その様な点で、その様な論客が少なくなっている現状を憂うところだ。


#自動車保有で貨物車は往時の2/3で安定 #人間の愚かさ




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