私の思いと技術的覚え書き

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【過去の紀行文】かきつばたとツツジの探訪記

2005-05-05 | 過去の紀行文
【過去の紀行文】かきつばたとツツジの探訪記
 長の休みとなったGWも終わり、忙しい仕事の日々が再開しておりますが、お変わりなくお過ごしのことと思います。
 さて、単身赴任の悲しさ故、帰省して過ごす自宅でのGWの生活も、家の用事を消化するのが中心となり、満足な観光等は出来なかったと感じています。そんな、今回のGWでしたが自宅から赴任先へ戻る道すがら、かきつばたとツツジのある風景を楽しみつつ戻りましたので、その時のことをへたくそな写真と共に紹介してみます。

 三河の地は知立市にある八橋という所に、今回訪問のかきつばた園があります。そこで、パンフレットと共に貰った紙に伊勢物語の一節が掲載されていました。これを読みつつかきつばたのある風景を眺めると、約1千年前となる平安時代の人も味わった感動が若干伝わる様にも思いました。

※下記は伊勢物語の該当の一節(原文と訳)をネットから引いたものです。
伊勢物語(九段:東下り)  むかし、おとこありけり。そのおとこ、身をえうなきものに思ひなして、京にはあらじ、あづまの方に住むべき国求めにとてゆきけり。もとより友とする人、ひとりふたりしていきけり。道知れる人もなくて、まどひいきけり。三河の国、八橋といふ所にいたりぬ。そこを八橋といひけるは、水ゆく河のくもでなれば、橋を八つわたせるによりてなむ、八橋といひける。その沢のほとりの木のかげに下りゐて、かれいひ食 ひけり。その沢にかきつばたいとおもしろく咲きたり。それを見て、ある人のいはく、「かきつばたといふ五文字を句の上にすへて、旅の心をよめ」といひければ、よめる。 から衣きつつなれにしつましあればはるばるきぬる旅をしぞ思ふ。 とよめりければ、皆人、乾飯のうへに涙落してほとびにけり。

*現代語訳*  昔、男がいた。その男は自分の身をいらないものと思いこんで、京におるまい、東国の方に居住できる国を求めようと思って出かけて行った。古くからの友人を1人2人つれていった。道を知った人もおらずさまよいつつ行ったのである。三河国の八橋というところに行きついた。 そこを八橋というのは水がクモの足のように分かれて流れているので、橋を八つ渡しているから、八橋といったのであった。その水辺の木かげに下りて座って乾飯(かれいい)を食べた。その沢にかきつばたがとてもきれいに咲いていた。それを見て一人がいうには、「かきつばたという5文字を句の頭に置いて旅の気持ちを詠んでごらんなさい」といったから詠んだ。 唐衣の様に着慣れ親しんできた妻が(京に)いるので、そこからはるばるやってきた旅をしみじみもの悲しく思う。 と詠むと、みんな(妻を都においてきたものだから)乾飯の上にぼたぼた涙を落としてごはんがふやけてしまった。

※ツツジの風景の内、背景にお寺の屋根が写っている写真は、静岡県袋井市にある可睡齊(かすいさい)というお寺さんでのものです。 送信日時: 2005年5月11日 水曜日 0:05 4 枚




01 愛知県知立市にある八橋のかきつばた 05/05/05
02 愛知県知立市の八橋のかきつばた 05/05/05
03 静岡県袋井市にある可睡齊(かすいさい)というお寺さんでの写真です。 05/05/05
04 愛知県知立市での写真です。 05/05/05


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