私は、知りもしませんでしたが「円天」という独自通貨を発行して会員を集めながら破綻したL&Gと云う会社の経営者らが近く逮捕されると報道されています。
ところで、このL&G社の会長である波和二という者は、1971年にAPOジャパンというクルマのエンジンに装着して、出力や燃費の向上を謳うマルチ商法で逮捕された経歴を持っているとのことです。
昭和52年頃、偶にこのAPOジャパンのシステムを装着したエンジンを見る機会がありましたが、エンジンルーム内にウオッシャー液様のタンクを装着し、そこに赤色の液体(アルコールが主成分?)が入っており、配管がインテークマニホールドに接続されていると云った様なものであった記憶があります。結局、このシステムは、謳う様な出力や燃費の向上効果がないことや、マルチ商法(ネズミ講)としての違法性から崩壊した和アジャスターですが、25万人とも伝わる被害者を生み出した訳です。
そんな経歴を持つ今回のL&G社の首謀者なのですが、正に懲りない者ですが、この様に繰り返し詐欺的商売を行えてしまうところに、詐欺師としての天性の能力があるのでしょう。
ところで、マルチ商法というと、「豊田商事事件」で、1985年にマスコミ報道中に刺し殺された永野会長のことは記憶に残るところです。
マルチ商法(ネズミ講)と云うのは、法律で禁止されてはいますが、今でも「それってマルチじゃないの」という様な話は時々耳にします。想像するに、この様な詐欺的商売を起業する者って云うのは、新教宗教の教祖と近い特質を持っているんじゃないでしょうか。余程、気を付けていても、そんな機会に巡り合えば、取り込まれてしまうのが人の性なんだろうと思います。不景気な世の中が暫く続きそうですが、ますますこの様な「一見得する話」としての、詐欺的商法は増加して行くのかもしれません。