私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

トヨタは今こそ日本の意志を示せ

2020-05-21 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 つい先日、Youtubeでトヨタの決算説明会を流し見した。その雑ぱくな感想としては、日本最大の営業利益2兆円を超える企業なのだが、これがその会社の社長(以下章男と記す)か、あまりにも存在感が薄いなという思いを抱きながら眺め聞いた。まあ、プログラムに沿った説明会だからして、安倍首相の会見と同様に参謀(官僚)に作らせた脚本を章男が棒読みするだけで、その様な受け止めになってしまうだろうか。

 ところで、この説明会における章男からは、あまり中国関連の話題は伝えられなかったと回想する。もっと云えば、今次病変を見据え、今後も何年かおきに繰り返されるだろう彼の国での生産及び販売を今まで同様に進めるのかどうかいう、多くの人々が思う懸念について一切言及していないことを不思議にすら思う。

 確かに、中国の今次病変の影響が何処まで波及するのか見通せない中で、その様な言及に到らなかったと云うこともあるのだろう。しかし、中国経済の減速は今次病変以前から、様々な業界で伝えられていた問題であり、幾ら中国政府がてこ入れしようが、大幅に落ち込むのは間違いないだろう。

 トヨタの2019年度の中国での生産台数は約131万台、販売台数は約154万台と同社のHPでは伝えている。しかし、伝え聞く中国の自動車生産事情では、国家政策として単独の進出は許さず、必ず中国メーカーとの合弁企業としての進出として許可されているという。つまり、150万台生産の実り(利益)は、大雑把に予想して、75万代相当のものでしかないのだろう。しかも、その利益金の国内回収も様々な規制で、自由ではないと聞くし、もし撤収を決意しても設備機器など自己所有品の持ち出しもできないのだという。今までは、中国生産が右肩上がりで、次々設備投資して生産余力を確保して辻褄が合ってきたのだろうが、成長が見込めなくなった現在、ジレンマは出てこないはずないと想像する訳だ。

 外野の勝手な想像だが、トヨタ本体の中国進出で、当初は当然と進出したティア1以上の協力協力企業の経営者の中には、中国事情を知るに付けとか、経営者が代替わりしたりして、このままではヤバイと感じだしている者は絶体いるだろうと想像する。そして、中にはトヨタ側にそれなりに上申している場合も合っただろうと思うのだ。しかし、そんな思いが章男に伝えられても、彼にはそんな判断能力はなく、取り巻きがただ慣性だけで突き進んで来たのではなかろうかということだ。

 トヨタほどの最上位の企業となれば、日産みたいに検察に助けを請うて逆利用されると云うより、時の政権に一定の影響力を行使することはできるだろう。しかも、章男は自工会の会長でもあり、日本の自動車産業全体を統括する利益代表でもある訳だから当然だろう。そのことを、章男の平々凡々と育ったという顔相からは判っちゃいないとしか感じられない。

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