別グループで記した、国鉄専用バスがあった時代の記事ですが、関連して整備部門の方向けに追記します。
実は、私はL4からV8までのエンジンOHの経験はありますが、水平対向エンジンを全分解したことなく、常々関心を持っているのです。それは何故かということですが、クランクシャーナルの締め付け構造や組み立て順序などに、どうやって行うのだろうと不思議にも思われるところがあるからです。
なお、一見外見上は同一形状の水平対向エンジンでも、水平対向エンジンと180度Vという2種のエンジンがあることはご存じのところでしょう。180度Vというのは、振動面で辛くレーシングエンジンで12気筒クラスでしか使われない方式ですが、クランク剛性の点で有利であり高回転を狙うフェラーリ312T(TはMTがトラバース(横)の意味)ぐらいしかないようですが。何れにしてもV型と云うのは、左右のシリンダーで同一クランクピンを共有するものです。純な水平対向は、すべてのシリンダーで独立したクランクピンを持っており、故に俗にカミソリクランクと呼ばれる様にクランクの胴(ウェブ)が細くならざるを得ないという宿命を持ちます。だから、栄光へのルマン当時に活躍したポルシェ917K等は、水平対向12気筒のアウトプットをクランク中央からギヤを介してクラッチへ取り出していたと聞きます。
話しが前後しますが、ちょっと以前のスバルではクランクケースにクランクシャフトを組み付ける前に、クランクとコンロッドを組み付け、クランクケース結合後に、ピストンを挿入し、下死点付近で専用のピストンピン挿入ホールからピンを挿入し、コンロッドとピストンを結合していた様です。しかし、現在ではコンロッドキャップを斜め割りすることで、オイルパン側よりクランクシャフトへの締め付けが可能な様にしているとのことです。この辺り、長年水平対向を作り続けているポルシェはどうなのかですが、空冷時代はそもそもクランクケースとシリンダーが別構成でしたので、オートバイである様に、後からシリンダーを入れることで問題はないのですが、996以降の水冷ではどうやっているのか? Youtubeでポルシェ社のプロダクション風景は幾つかあるのですが、肝心のこの辺りの風景は何れもないのです。何か、公開したくないノウハウがあるのでしょうか? Netでの分解写真を眺めると、クランクケースと別部品でシャーナル部の鋼製ブロック部品がある様に見受けられますが、正直良く判りません。
それと、スバルもポルシェもクランクケースの外周の小径締め付けボルトは問題ない訳ですが、問題は左右のクランクケースで挟まれ成立するクランクシャーナルを強力に締め付け結合する太いボルトはどの様に締め付けているのか。スバルでは、左右のブロックのウォータージャケット該当部が広く設計してあり、そこから締結ボルトを締めていることが判ります。ポルシェの場合はどうなのか? もし、判り易い資料や写真を提示できる方がいらっしゃれば教えてもらいたく思います。
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国鉄専用バスの時代
時はS44年(1969年)、東名名神高速開通などの環境整備に伴い、当時の国鉄は大型バス車両メーカーに高速専用バスの製造を依頼したと聞きます。その主な仕様は、最高速140km/h、馬力320PS以上、5速MTは常用1速発進するクロースレシオのもので、車内にトイレの装備などだったらしい。その他、追い越し加速だとかの要件もあったし、当時の国鉄はターボの信頼性を疑い自然吸気を条件としていた様です。
この要求に沿って、採用されたのが日野の水平対向12気筒18L級とふそうのV12気筒20L級のエンジンを搭載するバスだった様です。日野の型式は RA900P でエンジン型式は DS140 で、エンジンは大宮の鉄道博物館に展示(以前は神田の交通博物館だった)されています。
実は、私はL4からV8までのエンジンOHの経験はありますが、水平対向エンジンを全分解したことなく、常々関心を持っているのです。それは何故かということですが、クランクシャーナルの締め付け構造や組み立て順序などに、どうやって行うのだろうと不思議にも思われるところがあるからです。
なお、一見外見上は同一形状の水平対向エンジンでも、水平対向エンジンと180度Vという2種のエンジンがあることはご存じのところでしょう。180度Vというのは、振動面で辛くレーシングエンジンで12気筒クラスでしか使われない方式ですが、クランク剛性の点で有利であり高回転を狙うフェラーリ312T(TはMTがトラバース(横)の意味)ぐらいしかないようですが。何れにしてもV型と云うのは、左右のシリンダーで同一クランクピンを共有するものです。純な水平対向は、すべてのシリンダーで独立したクランクピンを持っており、故に俗にカミソリクランクと呼ばれる様にクランクの胴(ウェブ)が細くならざるを得ないという宿命を持ちます。だから、栄光へのルマン当時に活躍したポルシェ917K等は、水平対向12気筒のアウトプットをクランク中央からギヤを介してクラッチへ取り出していたと聞きます。
話しが前後しますが、ちょっと以前のスバルではクランクケースにクランクシャフトを組み付ける前に、クランクとコンロッドを組み付け、クランクケース結合後に、ピストンを挿入し、下死点付近で専用のピストンピン挿入ホールからピンを挿入し、コンロッドとピストンを結合していた様です。しかし、現在ではコンロッドキャップを斜め割りすることで、オイルパン側よりクランクシャフトへの締め付けが可能な様にしているとのことです。この辺り、長年水平対向を作り続けているポルシェはどうなのかですが、空冷時代はそもそもクランクケースとシリンダーが別構成でしたので、オートバイである様に、後からシリンダーを入れることで問題はないのですが、996以降の水冷ではどうやっているのか? Youtubeでポルシェ社のプロダクション風景は幾つかあるのですが、肝心のこの辺りの風景は何れもないのです。何か、公開したくないノウハウがあるのでしょうか? Netでの分解写真を眺めると、クランクケースと別部品でシャーナル部の鋼製ブロック部品がある様に見受けられますが、正直良く判りません。
それと、スバルもポルシェもクランクケースの外周の小径締め付けボルトは問題ない訳ですが、問題は左右のクランクケースで挟まれ成立するクランクシャーナルを強力に締め付け結合する太いボルトはどの様に締め付けているのか。スバルでは、左右のブロックのウォータージャケット該当部が広く設計してあり、そこから締結ボルトを締めていることが判ります。ポルシェの場合はどうなのか? もし、判り易い資料や写真を提示できる方がいらっしゃれば教えてもらいたく思います。
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国鉄専用バスの時代
時はS44年(1969年)、東名名神高速開通などの環境整備に伴い、当時の国鉄は大型バス車両メーカーに高速専用バスの製造を依頼したと聞きます。その主な仕様は、最高速140km/h、馬力320PS以上、5速MTは常用1速発進するクロースレシオのもので、車内にトイレの装備などだったらしい。その他、追い越し加速だとかの要件もあったし、当時の国鉄はターボの信頼性を疑い自然吸気を条件としていた様です。
この要求に沿って、採用されたのが日野の水平対向12気筒18L級とふそうのV12気筒20L級のエンジンを搭載するバスだった様です。日野の型式は RA900P でエンジン型式は DS140 で、エンジンは大宮の鉄道博物館に展示(以前は神田の交通博物館だった)されています。