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 私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

なんで人気旧車にニッサンが多いのか?

2021-04-13 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 Fasebook を始めNet記事を見ていて、旧車の人気が高まっている様子を常々見る様になった。現代車への魅力の薄れなど同感するところだが、何故か人気旧車の全般を俯瞰すると、必ずしも当時さほど人気が盛り上がった訳でもないクルマの中でも、ニッサン車が目立つのは何故なんだろうと云うことを考えてみた。

 現在、メーカー別の販売シェアでは、トヨタがダントツでトヨタのシェアは50%を超えるに至っている。しかし、40年ほど前以前は、トヨタとニッサンのシェアは拮抗していて、すべてのラインナップで対抗するクルマが存在した時代が続いた。そのトヨタ・ニッサン対決の中で、ニッサンは個別車種の販売でモデルチェンジする都度、販売減となり一方的にシェアを下落させていった。

 冒頭の人気旧車でニッサンが比較的多い理由だが、以下の様なことを考える。

①そもそも当時の販売台数が少なく、旧車として残存数が少なく希少性が高い。

②当時モデルチェンジで一般には受けなかったデザインが、現在のクルマを一瞥しても何処のメーカーか判らない時代にあって、旧ニッサンの個性的デザインが改めて新鮮なものとして光り輝いている。

③今も僅かに言葉だけが残った感ある「技術の日産」だが、当時からコストだとかリスク防止で決して冒険しなかったトヨタに対し、旧日産はIRS(インデペンディント・リヤ・サスペンション)の採用も20年近くトヨタに先行し、コストより走りだとかドライブフィールに掛ける技術に対する執着が、強いというニッサンの社風があった。このことは、業績不振で結局ニッサンに吸収された旧プリンス系のクルマにおいて顕著であるが、元来ニッサンのブルーバードとかS30・Zなどでも、トヨタに比べるとコスト度外視で技術を優先する指向が強かった。

④国内外を含め、有名レースやラリーなど、積極的にファクトリー参戦をし、トヨタに比べ比較にならない程多くの過去戦績を残しているのはニッサンだ。サファリの戦績だとか、GTRの連勝などニッサンの過去のレース活動の戦績はダントツだろう。

 という様な内容が頭に浮かぶが、自動車メーカーというのは、新規開発やモデルチェンジに素百億と云う投資をせねばならず、それが販売開始して売れなければ、全然元が取れないと云うリスキーな商売でもある。その点、トヨタは冒険もせず、サービス性だとか保守費の軽減を含め、設計時点からそのことを重視しつつ新車開発を行って来た。そのことは、全国販売店に対する教育制度まで早期に整え、ユーザーに対する信頼を勝ち取ったとも云える。

 また、トヨタ中央研究所を始め、各地研究所の充実を早期に進め、例え直ぐには実用化できなくても、10年、20年先を見据えた新しい技術に対する先行研究を怠らなかったのがトヨタだろう。それが、世界が驚いて、20年を経ても、トヨタに追い付くことがでにずにいるプリウスHVの誕生に結実したのだと思える。

 そんなことで、今人気旧車にニッサンが多いのは、トヨタとニッサンの販売競争の歴史を戦争に例えると、往時の戦力は拮抗していたが、そのリソースを生かすべき戦略でトヨタが勝利したということになるが、個別車種の開発においては、その戦闘においてニッサンは負け続けるのであるが、決して個別車種の戦闘力が劣っていたと云うより、販売戦略とか長期展望(戦略)の点でトヨタが上廻ったと云う理解をしている。

 また、補足すれば、企業合併においては注意深く最高司令官は洞察しなければならない事だと思うが、旧プリンスの優れた技術を、活かし切れなかった点があった様にも思える。

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