過日、英国で9年後たる1930年から、ガソリンやディーゼルのいわゆる石油内燃機関の動力車の販売を禁止するということが打ち出された。時期は5年程度遅れるがフランスでも同様の動きが出ている様だ。また、こともあろうに電気・電子産業立国がなくなり自動車が唯一ともされ、自動車作りに掛かるウェイトが極めて高い我が日本国でも、この英、仏を後追いするかの様な首相発言が行われたのには正直ビックリしたところだ。
内燃機関を廃止すると云うことは、端的に云えばEVもしくはFCVに切り替えざるを得ない訳だが、元々どうやって電気エネルギーを作り出しているのかといえば、石油もしくは石炭による火力、水力、原子力、太陽光、風力というところだろう。ところが、石油にしても、石油エネルギーを電気エネルギーに変換する効率は、30~40%程度のもので、主に残りは廃熱として捨てている。原子力はどうかと云えば、新設コストの大土木工事とか巨大な装置を作るのに膨大な石油系エネルギーを消費する。そして、廃炉例は未だ少ないが、たぶん新設時を何倍も超える石油系エネルギーを消費するのだろう。そして、云わずなが東日本大震災の連鎖事故で実証されつつあり、今後一体全体幾らの石油系エネルギーを消費するのだろうという超巨大なリスクを持つのが原子力だ。こんなものは、とても新設できないだろう。
一方水力発電は、正に自然エネルギーの当初からのものだが、設置地域が限定され、そのためのダムを造ることが出来る地域は、もう日本に幾らも残されていないのだろう。そして、新設したダムは未来永劫無限に機能を果たすものでなく、ダム下面には土砂が堆積して行くことが知られているから、これも長期的視点で永久性があるとは思えない。
風力発電は、かなり気ままな発電量で、どんなに増やしても、これが電力の主力とはなり得ないだろう。同じく太陽光も気象条件とか昼と夜で、まるで発電量が異なり、電力主力とはなり得ない。また、太陽光パネルを作るのに、結構石油系エネルギーを消費している点も気になるし、パネル自体の寿命が何処まであるのか実証もなされていないが、持って20年というとことではないだろうか。また、メガソーラーなどを作ろうにも、広大な平地がある国土なら良いが、日本には少なく、傾斜地に作り、斜面崩落の要因を生み出している実態も垣間見る。
ここで電気エネルギーのことに触れておきたい。電気エネルギーという呼び方をするが、確かに作られた電気は非常に利用し易く便利なのだが、元となる石油などのエネルギー密度に比べ、圧倒的に低い密度でしか保存できないし、保存する際(充電)や使用する際(放電)にロスも生じるし、使用しないでいても自然放電というロスが生じる。また、極めて大規模な電力を保存するバッテリーはない。だから、原子力発電所を作ると、昼と夜の給電差を吸収するために揚水発電所というのを採用して対応している。これは、電気が余る夜間に水を高い位置にあるプールにポンプで移動しておき、昼間の大需給時に高位プールから低位プールに水を流れ落とし水力発電するというものだが、エネルギーロスを計算すると恐ろしい低数値にならざるを得ないそうだ。
ここで、わが国の運輸の歴史を回想してみるに、江戸時代までは陸上運輸は僅かなもので、大量輸送は日本沿岸を帆走する船に頼っていたことが判る。それが明治時代以降、鉄道が全国に施設されることで、鉄道による陸上輸送に切り替えられた。一方、昭和の時代になり、自動車が普及すると共に、その利用の簡便さとかがあり、陸路によるトラック輸送が主となったのはご存じの通りだ。一方、国の政策で国鉄は赤字で、民営化すべきという政治的意向もあり、分割民営化された訳だが、貨物はJR貨物という企業に統一されたが、時前では一切路線を保有せず、鉄道輸送は益々減る一方となった。
ここで、自動車と鉄道を輸送距離ごとの効率(電力使用量)という面で考えてみたい。ここでは、東京から大阪間(約500km)を50両の貨物を引いて走る鉄道電気機関車と大きさ(荷室容量は)は多少小さいのかもしれないが50両のEV大型貨物トラックの総電気エネルギー量を考えてみたい。まず、事前に断って置くが、航続距離500kmを有する大型貨物トラックが現に実用化されている訳でなく、大型トラックを搭載バッテリーで航続距離500kmを作るのは、かなり難しいだろうが、ここでは比較論のため、それが出来たとしての話しだ。この場合、鉄道の方が圧倒的に消費エネルギーは小さくて済むだろう。その理由は、鉄道にしてもトラックにしても各車輪の生じるころがり摩擦係数が小さいとか、主に前面で生じる空気摩擦抗力が鉄道では1つで済むが、トラックでは50台それぞれに生じるとかあるのだろう。
今、人口が減りつつ、病変のこともありIT技術も発展し、これから将来において、東京と大阪間の人の動きは伸びる余地は少ないだろう。にも関わらず総額9兆とか聞くリニア新幹線の建設が始められている。これを阻止してまでとは思わないが、菅総理の所信表明でいう脱炭素社会を本気で目指すなら、長距離大量輸送の観点で鉄道輸送を見直すべきではないかと思う。そして、貨物輸送の出発および到着地のターミナルから、個別の目的地までは、EV貨物トラックの受け持ちとする。そうすれば、大重量貨物車で搭載バッテリーの関係で航続距離が短めしか困難というウィークポイントもカバーできるのではないだろうか。
しかし、この陸上輸送の大転換を行うには、政治家が正しい指針を示さなければ困難だろう。現状のNEXCOなどは、半ば新設道路を作ることが目的化してしまって、交通量が多い少ないは2の次で、全国高速道路網を完成するのが彼らの主眼だからだ。
内燃機関を廃止すると云うことは、端的に云えばEVもしくはFCVに切り替えざるを得ない訳だが、元々どうやって電気エネルギーを作り出しているのかといえば、石油もしくは石炭による火力、水力、原子力、太陽光、風力というところだろう。ところが、石油にしても、石油エネルギーを電気エネルギーに変換する効率は、30~40%程度のもので、主に残りは廃熱として捨てている。原子力はどうかと云えば、新設コストの大土木工事とか巨大な装置を作るのに膨大な石油系エネルギーを消費する。そして、廃炉例は未だ少ないが、たぶん新設時を何倍も超える石油系エネルギーを消費するのだろう。そして、云わずなが東日本大震災の連鎖事故で実証されつつあり、今後一体全体幾らの石油系エネルギーを消費するのだろうという超巨大なリスクを持つのが原子力だ。こんなものは、とても新設できないだろう。
一方水力発電は、正に自然エネルギーの当初からのものだが、設置地域が限定され、そのためのダムを造ることが出来る地域は、もう日本に幾らも残されていないのだろう。そして、新設したダムは未来永劫無限に機能を果たすものでなく、ダム下面には土砂が堆積して行くことが知られているから、これも長期的視点で永久性があるとは思えない。
風力発電は、かなり気ままな発電量で、どんなに増やしても、これが電力の主力とはなり得ないだろう。同じく太陽光も気象条件とか昼と夜で、まるで発電量が異なり、電力主力とはなり得ない。また、太陽光パネルを作るのに、結構石油系エネルギーを消費している点も気になるし、パネル自体の寿命が何処まであるのか実証もなされていないが、持って20年というとことではないだろうか。また、メガソーラーなどを作ろうにも、広大な平地がある国土なら良いが、日本には少なく、傾斜地に作り、斜面崩落の要因を生み出している実態も垣間見る。
ここで電気エネルギーのことに触れておきたい。電気エネルギーという呼び方をするが、確かに作られた電気は非常に利用し易く便利なのだが、元となる石油などのエネルギー密度に比べ、圧倒的に低い密度でしか保存できないし、保存する際(充電)や使用する際(放電)にロスも生じるし、使用しないでいても自然放電というロスが生じる。また、極めて大規模な電力を保存するバッテリーはない。だから、原子力発電所を作ると、昼と夜の給電差を吸収するために揚水発電所というのを採用して対応している。これは、電気が余る夜間に水を高い位置にあるプールにポンプで移動しておき、昼間の大需給時に高位プールから低位プールに水を流れ落とし水力発電するというものだが、エネルギーロスを計算すると恐ろしい低数値にならざるを得ないそうだ。
ここで、わが国の運輸の歴史を回想してみるに、江戸時代までは陸上運輸は僅かなもので、大量輸送は日本沿岸を帆走する船に頼っていたことが判る。それが明治時代以降、鉄道が全国に施設されることで、鉄道による陸上輸送に切り替えられた。一方、昭和の時代になり、自動車が普及すると共に、その利用の簡便さとかがあり、陸路によるトラック輸送が主となったのはご存じの通りだ。一方、国の政策で国鉄は赤字で、民営化すべきという政治的意向もあり、分割民営化された訳だが、貨物はJR貨物という企業に統一されたが、時前では一切路線を保有せず、鉄道輸送は益々減る一方となった。
ここで、自動車と鉄道を輸送距離ごとの効率(電力使用量)という面で考えてみたい。ここでは、東京から大阪間(約500km)を50両の貨物を引いて走る鉄道電気機関車と大きさ(荷室容量は)は多少小さいのかもしれないが50両のEV大型貨物トラックの総電気エネルギー量を考えてみたい。まず、事前に断って置くが、航続距離500kmを有する大型貨物トラックが現に実用化されている訳でなく、大型トラックを搭載バッテリーで航続距離500kmを作るのは、かなり難しいだろうが、ここでは比較論のため、それが出来たとしての話しだ。この場合、鉄道の方が圧倒的に消費エネルギーは小さくて済むだろう。その理由は、鉄道にしてもトラックにしても各車輪の生じるころがり摩擦係数が小さいとか、主に前面で生じる空気摩擦抗力が鉄道では1つで済むが、トラックでは50台それぞれに生じるとかあるのだろう。
今、人口が減りつつ、病変のこともありIT技術も発展し、これから将来において、東京と大阪間の人の動きは伸びる余地は少ないだろう。にも関わらず総額9兆とか聞くリニア新幹線の建設が始められている。これを阻止してまでとは思わないが、菅総理の所信表明でいう脱炭素社会を本気で目指すなら、長距離大量輸送の観点で鉄道輸送を見直すべきではないかと思う。そして、貨物輸送の出発および到着地のターミナルから、個別の目的地までは、EV貨物トラックの受け持ちとする。そうすれば、大重量貨物車で搭載バッテリーの関係で航続距離が短めしか困難というウィークポイントもカバーできるのではないだろうか。
しかし、この陸上輸送の大転換を行うには、政治家が正しい指針を示さなければ困難だろう。現状のNEXCOなどは、半ば新設道路を作ることが目的化してしまって、交通量が多い少ないは2の次で、全国高速道路網を完成するのが彼らの主眼だからだ。