私の思いと技術的覚え書き

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ホンダ・ニューインサイト登場に思う

2009-02-08 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険

 従前からアナウンスされていた、新しいハイブリッド車であるホンダ・インサイトが発表されました。ハイブリッド車販売では先行しつつ、これを迎え撃つプリウスに今年5月位には新型へのモデルチェンジを予定していると云います。そして、トヨタでは、多分モデルチェンジによるグレードアップに名を借りた値上げを予定した様子ですが、インサイトの予想以上の低価格に、新型が登場しても当面旧型を値下げして併売する等とアナウンスしています。

 ここでは、この新型インサイトと新旧プリウスを比較した、独断として記してみたいと思います。

①ボデースタイリング

 何故に、インサイトは、プリウスそっくりのシルエットで登場したのかについては、大変残念なことだと感じます。新型プリウスでも、シルエットはそれ程変わりはない様ですが、プリウスおよびインサイトの総てのスタイリングには、新しさもだとか、価値観の提案と云った魅力は感じられないものだと思います。

②インサイトの省燃費スペックには落胆

 インサイトの10/15モード燃費は30.0km/L、JC08モードでは26.0km/L(共にG、L愚グレード)です。一方、旧型(現行型)プリウスの10・15モード燃費は35.5km/L、JC08モードでは29.6km/Lとなっています。

 エンジン排気量はインサイトが1300ccに対しプリウスが1500ccです。また、車両重量はインサイトが約1200kgに対しプリウスは1260kgとなっています。そして、どちらもニッケル水素電池を使用しますが、如何に電池走行出来るかを図る電池容量は、プリウスの6.5Ahに対しインサイトは5.75Ahとなっています。

 これらのスペックを眺めると、インサイトの方がプリウス以上の燃費性能でないのは、違和感というかホンダとしての技術力のなさを感じてしまい残念にも思ってしまいます。

 私はトヨタが嫌いでもないし、ホンダだけを応援するつもりはまったくありませんが、ホンダに比べれば大企業であるという点でトヨタには嫌悪感を持ちます。それでも、10・15とかJC08モードとかの限定された計測条件でこれだけの、省燃費スペックの差を生じ得たのは、それだけ現状ではトヨタの技術が優れていることであり、ホンダの努力不足を示すことであろうと感じます。

 トヨタは旧型プリウスでバッテリーの変更を含めて大幅なシステム変更を行っていますし、現行型へのフルモデルチェンジを含めれば、現行型は3世代であり、それだけハイブリッド車についてのノウハウを積み重ねていると云うことなのでしょう。

 これは私見ですが、トヨタは減速時のエネルギーの回収に電子制御ブレーキ(ECB)との協調制御を取り入れたり、何れにしてもシステム全体としての制御技術が現状では優れている様に感じられます。

③それでもインサイトの価格はインパクを感じる

 新型インサイトの最低価格は189万円(税込)に対し、現行プリウスは約230万円(税込)です。約40万円の価格差がありますから、多少燃費が悪くてもこの差を埋めるには、相当に長距離を走る方でないと難しいことでしょう。

 もっとも、両車の車格としては、インサイトが下であり、多分ハイブリッドでないインサイトがあったとしたら130万円程度ではないでしょうか。一方のプリウスはインサイトより若干上の車格であり、もしハイブリッドでなければ150万円程度の感じでしょうか。

 想像するにホンダの当初の目論みとしては、インサイトの基本価格は200万円程度を見込んでいたのでしょう。ここに来ての販売不振により、あえて利益圧縮を覚悟しての価格設定に踏み切ったのであろうと想像します。しかし、これにはトヨタも驚いたのではないでしょうか。フルモデルチェンジに伴い、便乗的な値上げを目論んでいた訳ですから、ざまをみろと思ってしまいます。

④ハイブリッド車の今後への期待

 現状のハイブリッド車は、ベース車の価格より60万~80万円程高い価格設定です。更なる省燃費性能と共に、この価格アップを如何に圧縮していけるのかが課題であろうと感じます。

 しかし、ハイブリッド車が世に登場してから10年以上が経過しますが、まともな商品を出せるのがトヨタとホンダだけ、しかもそのホンダも制御技術でトヨタの追い付けないでいるという現状を嘆いてしまいます。トヨタ以外のメーカーのエンジニアが情けないとも感じられ、奮起を促したく思います。

追記

 高速道路を制限速度+αで走っていると、プリウスが後ろから煽りまくり、高速で抜いて行きました。連続高速走行や連続登坂等、これら走行条件では、ハイブリッドはまったくの価値を持ちません。また、トヨタの大排気量のハイブリッド車は、運転者に加速の良さを喜ばせるためのものですから、省エネルギーとは掛け離れたものであると思います。




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