これは、その1で述べた、今でも愚人が価値あるクルマと評価するベンツなど、試作→評価→試作と、それは評価の最善を尽くして来たのに比べ、事が変質してしまったということを述べてみたい。現代の車両開発においては、カイゼンという名の原価低減を最善とし、なるべく試作を少なく、評価も少なくという方向であろうかと想像するからだ。これには、大衆を欺す、「最適設計とかシミュレーション技術」とか呼ぶまやかし言葉で、あたかも妥当だろうとの理由付けしているが、そもそも人が操るクルマを人が十分な評価もしないまま出荷しているとしたら、それは罪深いことだとすら思えるのが愚人の考え方だ。
ここで、従前記している「近年のリコール右肩上がり、理由を考えてみた」と合わせて考えて見て欲しい。クルマの出荷台数は、未だ中国など新興国市場では右肩上がりだが、先進諸国では頭打ちとなってるが、それでもリコール件数(台数)は増え続けているのである。これをメーカーに問えば、「近年はコンピューター制御とかで難しい部分もありまして・・・」などと言葉を濁すに違いないと想像するが、評価が不足しているが故のリコール増大が一番の原因だろうと考えるしかない。その評価は機械が自動的に行う信頼・耐久試験(起震機や台上テスト)でなく、実走しての優秀な評価者による官能評価を含めたものとなろう。これをまったくしていないとは思わぬが、したとしても極めて少なく、希に評価者が意見を述べたところで、今更そんな根本設計から見直さねばならぬことできる訳ないだろうとばかりに潰されてしまうのではないだろうか・・・。それこそ、評価人(テストドライバー)の地位の低さが内在しているとは、愚人の想像であるのだが・・・。
「近年のリコール右肩上がり、理由を考えてみた」
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/2b3b599df99ac2a4bd2cc126a268b617
では、現代におけるリコールとは、こんな低レベル思考で起きているんだとう実例を1つ上げて、糾弾してみたい。そのリコールは、およそ7年前、2012年11月15日(届出番号3055)の対象車両プリウス(NHW20)だ。該当制作期間の総数が対象台数と該当不具合であることが写真1から読み取れるだろう。
該当リコール説明には。「不具合の状況として、(1)かじ取装置において、ハンドルとギヤボックスを連結している継手部品(インタミエクステンションシャフト)のギヤボックス側強度が不足しているものがあるため、低速時にハンドルを強く一杯に切る操作を繰り返すと、継手部品の連結部にガタが発生することがあります。そのため、そのまま使用を続けると、連結部が摩滅し、かじ取り操作ができなくなるおそれがあります。」とある。
この正式には「インターミディトシャフト」なる部品は、ステアリングギヤ(R&P)とステアリングコラム・メインシャフト間を作動角の変移を持って結合する、いわばプロペラシャフトの小型版だと思って戴ければ良いだろう。ここに、何故強度不足が生じたのか、何故出荷するまで強度不足が判らなかったのかと考えた時、一つの結論しか導き得ないのだ。(写真2参照)
それは、該当車のパワステは、いわゆるEPS(電動パワステ)であるが、このアシスト駆動をコラム部で行っているということだ。EPSでも、上級車などでは、ステアリングギヤ部にモーターを付けたタイプもある。
そこで、コラムEPSの場合は、ステア操作により倍力された力が該当のインターミディトシャフト(主にクロスジョイント部が当該亀裂部位だろう)に加わることを無視し、旧来の油圧PS用のインターミディトシャフトのCAD図をカット&ペーストして作図したか、部品として互換ありと、そのまま流用したのではないかというのが愚人の疑念だ。こんな、小学校高学年から中学生にも判りそうな重大問題を、組織がチェックできずスルーし、おまけに信頼耐久度評価に、据え切り操作の繰り返し耐久度評価プログラムもなかったのであろう、発見されることなく345千台余を出荷したという呆れた仕業だったのだ。
それと、ここからは想像だが、このインターミディトシャフトをトヨタ本体が作っていた事はあり得ぬだろうが、ジェイテクトもしくはアイシン辺りのサプライヤー製だろうが、このリコールの求償をサプライヤーに行っていたとして、もし応じていたとすれば、大バカな話しだろう。しかし、いかな一次受けの巨大サプライヤーといえども、本家本元の威光には、ただただ従うしかない構造もあるのかもしれない。もっと、末端の3次、4次など下請法に抵触する「優越的地位の濫用」という非モラルが繰り返されているという現実を垣間見る機会は多いのだ。


ここで、従前記している「近年のリコール右肩上がり、理由を考えてみた」と合わせて考えて見て欲しい。クルマの出荷台数は、未だ中国など新興国市場では右肩上がりだが、先進諸国では頭打ちとなってるが、それでもリコール件数(台数)は増え続けているのである。これをメーカーに問えば、「近年はコンピューター制御とかで難しい部分もありまして・・・」などと言葉を濁すに違いないと想像するが、評価が不足しているが故のリコール増大が一番の原因だろうと考えるしかない。その評価は機械が自動的に行う信頼・耐久試験(起震機や台上テスト)でなく、実走しての優秀な評価者による官能評価を含めたものとなろう。これをまったくしていないとは思わぬが、したとしても極めて少なく、希に評価者が意見を述べたところで、今更そんな根本設計から見直さねばならぬことできる訳ないだろうとばかりに潰されてしまうのではないだろうか・・・。それこそ、評価人(テストドライバー)の地位の低さが内在しているとは、愚人の想像であるのだが・・・。
「近年のリコール右肩上がり、理由を考えてみた」
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/2b3b599df99ac2a4bd2cc126a268b617
では、現代におけるリコールとは、こんな低レベル思考で起きているんだとう実例を1つ上げて、糾弾してみたい。そのリコールは、およそ7年前、2012年11月15日(届出番号3055)の対象車両プリウス(NHW20)だ。該当制作期間の総数が対象台数と該当不具合であることが写真1から読み取れるだろう。
該当リコール説明には。「不具合の状況として、(1)かじ取装置において、ハンドルとギヤボックスを連結している継手部品(インタミエクステンションシャフト)のギヤボックス側強度が不足しているものがあるため、低速時にハンドルを強く一杯に切る操作を繰り返すと、継手部品の連結部にガタが発生することがあります。そのため、そのまま使用を続けると、連結部が摩滅し、かじ取り操作ができなくなるおそれがあります。」とある。
この正式には「インターミディトシャフト」なる部品は、ステアリングギヤ(R&P)とステアリングコラム・メインシャフト間を作動角の変移を持って結合する、いわばプロペラシャフトの小型版だと思って戴ければ良いだろう。ここに、何故強度不足が生じたのか、何故出荷するまで強度不足が判らなかったのかと考えた時、一つの結論しか導き得ないのだ。(写真2参照)
それは、該当車のパワステは、いわゆるEPS(電動パワステ)であるが、このアシスト駆動をコラム部で行っているということだ。EPSでも、上級車などでは、ステアリングギヤ部にモーターを付けたタイプもある。
そこで、コラムEPSの場合は、ステア操作により倍力された力が該当のインターミディトシャフト(主にクロスジョイント部が当該亀裂部位だろう)に加わることを無視し、旧来の油圧PS用のインターミディトシャフトのCAD図をカット&ペーストして作図したか、部品として互換ありと、そのまま流用したのではないかというのが愚人の疑念だ。こんな、小学校高学年から中学生にも判りそうな重大問題を、組織がチェックできずスルーし、おまけに信頼耐久度評価に、据え切り操作の繰り返し耐久度評価プログラムもなかったのであろう、発見されることなく345千台余を出荷したという呆れた仕業だったのだ。
それと、ここからは想像だが、このインターミディトシャフトをトヨタ本体が作っていた事はあり得ぬだろうが、ジェイテクトもしくはアイシン辺りのサプライヤー製だろうが、このリコールの求償をサプライヤーに行っていたとして、もし応じていたとすれば、大バカな話しだろう。しかし、いかな一次受けの巨大サプライヤーといえども、本家本元の威光には、ただただ従うしかない構造もあるのかもしれない。もっと、末端の3次、4次など下請法に抵触する「優越的地位の濫用」という非モラルが繰り返されているという現実を垣間見る機会は多いのだ。

