私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

私の映画感

2017-01-06 | コラム
 コミックとCGに感心なく、リアルなホンモノ映画(それも60~90年代のアナログ感あるもの)のみ受け入れたい。しかし、本来としては、視覚から受けるものより、文章から受け取り頭の中で状景を展開させ得る、優秀な時代小説が嗜好なのだ。

映画寸評/どら平太を見て(2012/1/6記述)
 簡単にあらすじを記せば、官民が癒着し悪の巣靴と化した城下に、一人の奉行が派遣され、痛快見事に悪を浄化するという西部劇にでもある様なものです。原作は、大好きな時代劇作家の一人、山本周五郎氏の「町奉行日記」という短編です。

 原作は、数時間で読了出来る様な、どちらかと云うとあっさりした文面ですが、映画はこの原作内容をほぼ踏襲し、かつ適度に肉付けしたものです。私の、原作小説vs映画感としては、通常に原作に勝る映画なしと思っているのですが、この作品は映画に軍配を上げたくなる作品と思えます。

 その理由は、監督の市川崑のこだわりもあるでしょうし、シナリオ段階で参加したという、黒澤明、木下恵介、小林正樹諸氏の力も大きかったのでしょう。

 2000年公開のこの映画、役柄とキャストのマッチングも素晴らしいと思います。役所広司、宇崎竜童、片岡鶴太郎、菅原文太、石倉三郎、石橋蓮司、浅野ゆう子などなど、原作小説から想像される役者として、何ら違和感なく受け入れられるものと感じました。ユーモアあり、軽度なアクションあり、時代劇たるセットに見劣りもない、痛快娯楽作品と感心する映画です。

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