goo blog サービス終了のお知らせ 

 私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

キセノンライトの話

2017-06-21 | 車両修理関連
 キセノンライトは国産車ならHIDとかディスチュージの名称となっているが、何れも放電管の封入されるキセノンガス内で高圧放電させて発光するので同じものと考えて良いだろう。ところで、このキセノンバルブ(バーナー=発光体)であるが、非常に高温となることに注意が必要となる。純正キセノンでは、反射鏡は金属にメッキしたもの、集光用プロジェクターレンズはガラス製である。これがハロゲン用だと、全てが樹脂でメッキ処理されたものとなるので、ハロゲン用にキセノンランプキットを組み込むのは、トラブルを生じる可能性が高いといえる。特に小容積のフォグランプにキセノンを組み込んだ場合、反射板やレンズの溶損を生じるぐらいならまだ良い方で、最悪火災に至る可能性がある。

 さて、今回BMWミニR53のキセノンヘッドライトが暗いということで、バルブを外して点検すると、発光部(放電部)に汚れが生じ透明度が低下していた。このキセノンバルブであるが、純正品の多くはフィリップス社の石英ガラスを使用している。品質などが評価された結果なのだろう。

 ところで、社外部品の特に安価な製品は、2つで2千円也などという商品もあるが、取り付け時に問題を生じる場合がある。それは、ランプ基台の樹脂部分の金型精度が悪く、位置決めのスリット幅が僅かに小さ過ぎ、ランプがしっかり着座しないなどの問題が生じる場合がある。適当なヤスリなどで研削し、しっかり着座できる様に修正する要がある。でないと、ロック用のリングが回せずバルブのロックができない。

 もう一つ、今回のR53で体験したのだが、このR53辺りがキセノンランプの装着初期のクルマなんだろうと思う。そういう点でメーカーでも経験不足があったことは否めないのだが・・・。キセノンバルブ後方のトランス部に接続されるワイヤリング3本が、被覆が数センチに渡り溶損し、ショートしかねない状態であった。最近のクルマでは、メッシュ風の保護チューブを被せてあり、今回の様なトラブルを防止する様になっている。今回のトラブルは、単にテーピングするのではなく、熱収縮チューブで被覆保護し、その後になんらかの断熱材を巻き付け保護する予定ではあるが、ケース内部の奥まではアクセス不能だから、難しい問題だ。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。