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 私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

現代車のヒューズボックスを概観する

2020-11-14 | 車両修理関連
 つい先日知り合いの工場で見たミライースだが、次の症状を呈していた。それはウインカーが方側点灯しっぱなしになる症状を呈しており、左右のウインカーレバーのONでも変化なし、ハザードフラッシャーも作動しないというものだ。

 工場主は、ウインカーレーバースイッチが悪いとか云っている訳だが、一定の修理経験があるものなら、フラッシャーリレーが疑わしいと思うだろう。そこでフラッシャーユニットを探す訳だが、フラッシャーが作動せず、作動中の「カチ、カチ」音から見つけることも出来ない。そこでNet検索してみたところ、以下の大変参考になるページを見つけた。

修理:ウィンカーが点灯し続ける(ダイハツ:ミライース)
https://katomtrs.official.jp/2018/10/26/%E4%BF%AE%E7%90%86%EF%BC%9A%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%81%8C%E7%82%B9%E7%81%AF%E3%81%97%E7%B6%9A%E3%81%91%E3%82%8B%EF%BC%88%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%8F%E3%83%84%EF%BC%9A%E3%83%9F-3/


 結論を記すと、該当車のフラッシャーリレーは単独したものはなく、ヒューズボックス(+シャンクションブロック)内に統合されてしまっており、今回の症状を直すためには部品代だけで¥47,500のヒューズボックスAssyを取り替える必用があるという結論になる。

 この様な機能の統合化という現象はダイハツに限らないだろう。多くの機能を統合することで、製造コストを圧縮したり、球切れ検出だとか、ルームライトの残光消灯とか一定時間で自動消灯する機能など様々な付加機能までも盛り込みたいという思想は理解できるところもある。しかし、ウインカーなど、あえてリレーを使用することで作動中のカチカチ音を発して、点灯中の認識を生み出す訳だが、リレーには接点アークの問題もあり必ず寿命の問題が付きまとうということだ。こんな、リレーの寿命を設計者が知らないとは思えないが、現実にはユニット内の基板に直付けした実装リレーが増えつつある様に感じる。

 その結果が、フラッシャーユニット単独なら¥5,000までで済むところを、ヒューズボックスAssyで¥47,500となっても止むないという、端的に云えば傲慢な設計に行き着くのだろう。

 なお、件のミライースでのウインカー不良の故障だが、販売台数もそこそこあり、結構な台数の故障が生じているのだろう。





付記
 類似のヒューズボックス&ジャンクションブロックと機能統合の事例として、手近にあったBMWミニR56のヒューズボックス基板の事例を紹介しておこう。なお、このR56では、特に不具合を生じていた訳ではない。R56の事例では、ARMと記してあるにはマイクロプロセッサーだろうが、さらに複雑な機能を盛り込んでいるのだろう。




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1 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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勉強になりました (kkk)
2023-05-31 10:55:07
FUSE ボックスがなぜアッシー交換なのか疑問で調べていたらこちらにたどり着きました。まさかFUSEボックス内にまでマイコンが実装されているとは思いませんでした。とても勉強になったので感謝です。
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