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 私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

価格と品質に相関がない業種、それは自動車板金業

2016-08-11 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 自動車板金業種に特定の方の反発を受けるであろうことを承知で、あえて記す。

 一般に、その価格と品質に一定の相関関係があることは、誰でも知るところであろう。つまり、安物(中華製とか)は直ぐ壊れても、しょうがないとかである。ところが、自動車板金ほど、価格と品質に相関がない業種というのも珍しい。つまり高い修理費(もしくは見積)だから、綺麗も含め機能として復元できるとは限らないということだ。端的な事例が「ディーラーの技術力」でも記したことだが、幾ら設備が整い、幾ら多くの部品を変えたからといえど、良い品質での復元が出来るかは別次元のことであるといいたいのだ。考えてみれば、自動車板金という商品を、選択し購入するのは、極めて難しいことだ。一定の設備がなければ不可能だし、設備があれば良いと云う訳でもない。それに伴う、十分な技量を備えた作業者および工場としての組織管理が欠かせないのだ。まず、一般のカーユーザーには、的確な選択をするのは不可能だろう。

 それと押さえて置かなければならないこととして、自動車の修理(メカニカル&ボデー)に関わる歴史的な分業体制のことであろう。昔は修理屋、板金屋、塗装屋、(ついでに記せば自動車大工と呼ばれる木骨屋)、内装屋(シートやルーフライニングなど)、多くの分業体制の上に成立していたのだ。つまり、○○板金塗装と名乗る古い工場であって、現在はほとんどすべての自動車のアフターケアを行っているが、その元はなにから出発したのかくらいは知っておいた方が良いだろう。このボデーリペアに関しては、板金屋と塗装屋のい世界だが、その経営者が板金屋か塗装屋かにより、ずいぶんと考え方の違いを感じることは多いものだ。これは決して、どちらが優れているとかの問題ではない。しかし、板金と塗装、そのどちらが技量不足であっても、まともな復元修理は出来ないことは確かなことだ。

 それと。ボデーリペアという作業は、技量と共に技術者の良心に頼る仕事であることだ。例えばレストアで、大きな錆食穴が生じていたとしよう。そこが強度部位であれば問題外だが、非強度部位だからといって、適当に周りを凹ませアルミテープを張りパテで仕上げて、塗装仕上げしても外観からはまったく判らない。しかし、1年もしないで、パテは浮き上がり欠点を露出することになるだろう。

 私自身も多くのクルマを診断し、板金塗装業に出すことがあるが、睨む想定価格も含め、何処に出すかを迷うケースはままあるのである。場合によれば、板金と塗装を別工場に依頼する場合もあるのだ。

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