私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

安全装備の信頼性

2012-06-03 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 ここ20年程で相当な程度進化したのがクルマの安全装備でしょう。その内容は、衝突安全ボデーとしてクルマ本体の構造的な変化もありますが、エアバッグやABS、それを更に進化させたESC、そしてPCS(プリ・クラッシュ・セーフティ)など、電子制御というかECU制御があったればこそ実用化できたという装備がほとんどの様に感じています。

 この内、PCSについては、スバル車等の一部に光学式カメラによる対象物との距離検出を行うものがありますが、ほとんどのメーカーがミリ波レーダーによる距離検出を行っている様です。その理由は、ミリ波レーダーの方が全天候において検出精度が保証できるとかにあるものと想像されます。

 ところで、ECU制御の安全システムでは、高度な信頼性、つまり正確無比な動作が求められるのは云うまでもありません、エアバッグ゛が実用化されたとき、事故の瞬間その時のワンショットデバイスであることもあったのでしょうがシックス・ナイン(99.9999%:100万回に1回の不良率)の信頼性の確保を求めた等と説明されていたのを記憶します。しかし、PCSの信頼度がどの程度のものなのかを考えた時、私自身が搭載車を所有し長期間乗車した経験もなく、信頼性の実際を実感させるデータはほとんどありません。しかし、以下に述べる現行型マジェスタの乗車する知人の実体験を聞くと、とてもシックスナインなどという信頼性はないということを想像させるものです。

 この知人が伝えるのは、現行マジェスタにおけるPCSの障害物の誤検出による、不意の急制動なのです。走行場面は地下駐車場内の入口での降坂路から、下りきって平坦路に移行する瞬間、まったく予想だにしない自動急制動を生じ大変驚いたというものです。しかも、再度同一コースを走り直すと、まっだく同様の現象が再発し、これは再現性のある現象といえる様です。

 現行マジェスタのPCSは、ミリ波レーダーを車両の前部左右に有しており、歩行者も含めた広い対象物との距離を検出している様ですが、これは想像ですが前方路面の角度変化を障害物として誤検出してしまったことによる現象なのでしょう。なお、知人によれば、この様な不意のPCS誤作動を嫌い、ステアリングコラム裏に隠れる様に設置されたPCSのOFFスイッチでカットして使用しているとのことでした。PCSシステムは正確には判りませんが、数十万円はする高価なシステムですが、運転者がOFFにして運転する様では、その価値観は随分と低いものと思わざるを得ません。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。