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元首相の想像銃

2023-03-27 | 事故と事件
元首相の想像銃
 明治の元勲たる伊藤博文が暗殺されたのは、1909年(明治42年)10月26日、中国ハルピン市ハルピン駅でのことだった。犯人は朝鮮人の安重根(あんじゅうこん)であり、刑死となったのだが、ある意味安重根は英雄視されていたという。その理由は、天皇が元々朝鮮(韓国)を植民地にはしないと勅命していたのにも関わず、伊藤が植民地化を図ったというところにあるようだ。ただし、韓国併合の決断を伊藤がしたというより、日本の膨張政策がなせ、その決断の象徴として伊藤がその象徴的決定決定権者と見られたということが伝えられ、伊藤そのものは、朝鮮併合を望んではいなかったとも歴史は伝えている。

 ところで、この伊藤博文と安倍晋三を歴史的業績とか人物評価として比較すれば、安倍ごときは、三門役者にも見劣りする程度の下らなぬ人物であると思える。私ごときは別段嘆きな悲しむ要素などいささかもないのだが、この謀殺事件で安倍の死因となった銃弾があらぬ方向から発射されたというう、JFK暗殺じみた謀略があったとする疑惑があるというが、ちょっとあり得ないことだろうと考えている。
 それよりも、この安倍というチンケな三文役者のごとき元首相を殺めることで、安倍を失ったことで日本国の損失と考える者は、恐らくだがその提灯持ち程度の微々たる範囲の者しかいないのが実態なのではないだろうか。それを国葬とはよくぞ祭り上げたものだと、未来の冷静なる歴史書には記されるのではないだろうか。むしろ、この予期しない謀殺事件により、関係者が既定の事実として極当たり前に接していたが、多くの国民には意識させぬようにされていた統一教会の問題が、俄に注目を集めることになった功績を称えたことを称える評価する声が多い。

 さて、ここでは、阿部謀殺に関わり山上なる容疑者が自己製造し発射したハンドメイド銃もどきが使われたのは間違いないと判断されるが、今回はこの銃もどきの殺傷武器の構造を想像してみたいというのが主旨であり、賢明なる国民に模倣させるのが主旨でないことは当然のことだ。

 この銃だが、ホームセンターとかアマゾンですべて調達できるのだが、ただ発射薬剤および起爆信管の相当する部材については、花火などの火薬を流用することも考えられるのだが、一番の要は発射タイミングを決める信管の部位に要はあると想像できる。この信管は、事故時において、極精緻な起爆タイミングの要となる自動車用エアバッグの部品から流用したと想像するところだ。
 一般の銃では、銃弾後端の信管部を機械的打撃により純機械的起爆させ、もって内蔵された炸薬を誘爆させる構造になっているのだが、自動車用エアバッグは信管に相当する部位をスクイブと呼ばれる一種の電熱線により微量の火薬を起爆させ、その熱で周辺の窒素ガス発生剤を昇温させて誘爆させる構造になってる。窒素ガス発生剤としては、エアバック初期には、アジ化ナトリウムが使用されたが、その素材自体の毒性が強いことで使用禁止され、現在では硝酸グアニジンという薬剤が使用されている様だ。
 ここで、火薬でなくチッ素ガス発生剤を自動車用として使用するのは、爆発圧力は火薬より劣るが、その燃焼ガスが高温とならないことや、余程の高速ガス流を押さえられることで、規定されたバッグの容量を速やかに一定時間の中で満たしコントロールし易いということがあるのだろう。



 ここで、近年エアバッグのい世界では世界トップクラスのシェアを有していたタカタが、欠陥エアバッグとして、設計上の膨張速度を生み出したチッ素ガス発生剤に硝酸アンモニウムという物質がある。ものの文献によれば硝酸アンモニウムは吸湿性が高く、水分を含んだり乾燥したりの繰り返しにより転移という薬剤ペレット(粒)に細かい無数のひび割れが生じることで、その表面積が増え、起爆した際の膨張速度が設計値を遙かに上回ることで、エアバックの起爆後の展開速度が高速度するのみならず、周辺の金属製金具まで吹き飛ばすことで、搭乗者顔面に金属物質が射出されていまうという欠陥となったことが知られている。つまり、正常なチッ素ガス発生剤だと、そのガス膨張速度は時速100k/h(秒速33m/s)程度に抑制できるのだが、これが5倍とかまで高速化すると、本体耐えられる金属部品にまで、破壊強度を超える負荷が働いてしまうと云うことだろう。
 なお、正常チッ素ガスの膨張速度は、エアバック等比較的広い空間に自由膨張する場合の速度で、別添記載の原理図の様に、一方を塞いだ銃構造となっている場合は、その内圧の上昇により、数倍以上の膨張圧に高まると共に、重心長の長さだけ加速される訳で、元来の膨張速度が33m/sであっても、数倍以上、ことによれば十倍近くとなる300m/s程度の射出能力を発揮すると思える。

 この威力は、短銃(拳銃)の発射速度に匹敵するものであり、しかも数十個の鋼球を射出することで、散弾銃と同じく銃口から円錐形に拡散射出することで至近距離だと命中精度は向上しそうだ。それと、散弾銃の場合は、鉛粒だが、鋼球を使用することで、発射社射出中の鋼球同士がぶつかり合う場合、鉛のように塑性変形せず弾性変形することで、反発係数が高く、ビリヤードの運動の様に跳弾する可能性もあるように想像できる。このことが、先に述べたあらぬ方向から被害者体内を貫通したと云う疑惑にも関与している可能性も疑うところだ。


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