新幹線については、当初の東海道新幹線が開業したのが1964年(昭和39年)ですから、既に45年も前のことになります。そして、その際に最高速度210キロとして走り出した0系車両が、つい先日のこと山陽新幹線でラストランを迎えたところです。
45年前の我が国のクルマ事情としては、やっとモーターリゼーションの芽吹きが見られ出した頃です。国産車では、クラウン(観音開き)とかパブリカ、後はスバル等の軽自動車程度で、何れにしても最高速度100キロ程がやっと出せる性能だったはずです。現在と比べると隔世の感を持つものです。
それにしても、クルマと鉄道車両のモデルチェンジを同列には比較できませんが、0系車両が45年間も製造・使用し続けたことには驚きます。それだけ、基本機能として優れたものがあった故でのころでしょう。
しかし、科学技術の進歩は早いもので、次作の300系では一気に最高速度270キロに、制御系のIGBTという大電流半導体の利用により、VVVF制御(可変電圧&可変周波数)化がなされていますし、減速時は回生電力を架線に戻しつつ電気ブレーキを働かせるというハイブリッド車で行われている技術が、遙か以前に取り入れられています。
写真は三島駅から富士駅へ向け て走る700系新幹線を写したものです。こんな新幹線の走る姿を見て、この瞬間に東京駅から博多駅間のおよそ1100キロにもおよぶ路線の安全を確保しているのだですから、それは凄いものだと感じます。
これも、毎日の検測車であるドクターイエローによる走行点検と、夜間の保守工事がなせるシステム技術の成果なのでしょう。
追記
不況の影響なんでしょうが、東海道および山陽新幹線の利用者が、このところ15%程度減少しているそうです。クルマや高額な電気製品等の消費も良くないようですし、人々の移動も少なくなって、ますます負のスパイラルに落ち入りはしないかと懸念します。
それと、個人的に新幹線は、その速度や静粛性や乗り心地、時刻の正確さ等、結構な愛すべき乗り物と思っていますが、料金が高すぎる様にも感じられます。この際、経済対策の意味も込めて、特急券価格を50%程度値下げできないものかと思います。