燃料噴射以前のキャブレター全盛期の頃、ソレックスとかウェーバーは存在しなりの最高出力は出たものだが、如何にせよ低中速の過渡特性が悪く、スポーティーカーの主は、ツインキャブとしてSUキャブというのが多用された時代があった。
このSUキャブだが、オリジナルはイギリスだと思うが、サイドドラフト(横向き通風式)で、英国のローバーミニなどではシングルキャブで使われた例や、ジャガーのストレート6ではトリプルキャブもあったが、国産スポーティカーではツインキャブとしてほとんどが使用された。当方は、主にトヨタに触れたので、ここではトヨタエンジン(M-Bとか16R-B)のことを中心に記してみる。
このキャブレターの特徴は、スロットルバルブの上流にベンチュリーを持つが、これが吸入空気量に応じて可変(可変ベンチュリー)することで、ベンチュリー下端に装着されたテーパー状のニードルが、キャブ本体のジェットホールを上下する機構となっており、アイドルから最大出力まですべてのミクスチャをこの機構だけで制御しているというものだ。一般的なキャブにある、メインやスロー系統もなく、急加速時の空燃費の薄さを補う加速ポンプもない。チョーク機構も、ニードルが刺さったジェットを強制的に下げて空燃費を濃くするという機構だ。
外見上、徳利型をしたサクションチャンバーとその中を吸入空気量に応じて上下するサクションピストンがあり、サクションチャンバーの上部中央には手回し式のプラグがあり、外してみると判るが、内部にオイルが入っており、ダンパーの役目を持たせてる。つまり、吸入空気が急変した場合に、サクションピストンが飛び上がらない様にダンピングしているのだ。
通常のキャブだとメイン系、スロー系、加速ポンプ系だとか複雑化するが、非常にシンプルかつ合理的な設計のキャブである。また、要となるニードルのテーパー形状は、エンジン特性に合わせてセッティングされている。但し、欠点もあって非常に外気温など温度に敏感というものだ。この欠点をカバーするため、トヨタのSUでは、キャブベースのジェットにサーモエレメントというワックスを封入し、温度によってジェットの上下位置を自動調整する仕組みが組み込まれていたが、この不良が多発した。すなわち、ジェットが下がったまま戻らず上がらないから、全般に過濃ミクスチャとなり不調となるのだ。
キャブ下部には、袋ナットがあり、これを外し内部のスクリューを廻すことで、ジェットの位置を調整することは出来た。COメーターを見ながら、適当な位置に調整することで、見違える様にクリーンに吹き上がるエンジンが回復したものだ。但し、アイドルCOの調整は、全回転域に影響を与えるものであって、全域で空燃費リーンとなると、当時のエンジン設計上の理由もあっただろうが、数ヶ月もしてピストンの溶損までが生じる事例というのもあったものだ。
なお、ツインキャブ以上の場合は、アイドルにおいて、各スロットルバルブの開度を同調させる必用があるが、これはSOLEXで記したこととまったく同様なので割愛する。
このSUキャブだが、オリジナルはイギリスだと思うが、サイドドラフト(横向き通風式)で、英国のローバーミニなどではシングルキャブで使われた例や、ジャガーのストレート6ではトリプルキャブもあったが、国産スポーティカーではツインキャブとしてほとんどが使用された。当方は、主にトヨタに触れたので、ここではトヨタエンジン(M-Bとか16R-B)のことを中心に記してみる。
このキャブレターの特徴は、スロットルバルブの上流にベンチュリーを持つが、これが吸入空気量に応じて可変(可変ベンチュリー)することで、ベンチュリー下端に装着されたテーパー状のニードルが、キャブ本体のジェットホールを上下する機構となっており、アイドルから最大出力まですべてのミクスチャをこの機構だけで制御しているというものだ。一般的なキャブにある、メインやスロー系統もなく、急加速時の空燃費の薄さを補う加速ポンプもない。チョーク機構も、ニードルが刺さったジェットを強制的に下げて空燃費を濃くするという機構だ。
外見上、徳利型をしたサクションチャンバーとその中を吸入空気量に応じて上下するサクションピストンがあり、サクションチャンバーの上部中央には手回し式のプラグがあり、外してみると判るが、内部にオイルが入っており、ダンパーの役目を持たせてる。つまり、吸入空気が急変した場合に、サクションピストンが飛び上がらない様にダンピングしているのだ。
通常のキャブだとメイン系、スロー系、加速ポンプ系だとか複雑化するが、非常にシンプルかつ合理的な設計のキャブである。また、要となるニードルのテーパー形状は、エンジン特性に合わせてセッティングされている。但し、欠点もあって非常に外気温など温度に敏感というものだ。この欠点をカバーするため、トヨタのSUでは、キャブベースのジェットにサーモエレメントというワックスを封入し、温度によってジェットの上下位置を自動調整する仕組みが組み込まれていたが、この不良が多発した。すなわち、ジェットが下がったまま戻らず上がらないから、全般に過濃ミクスチャとなり不調となるのだ。
キャブ下部には、袋ナットがあり、これを外し内部のスクリューを廻すことで、ジェットの位置を調整することは出来た。COメーターを見ながら、適当な位置に調整することで、見違える様にクリーンに吹き上がるエンジンが回復したものだ。但し、アイドルCOの調整は、全回転域に影響を与えるものであって、全域で空燃費リーンとなると、当時のエンジン設計上の理由もあっただろうが、数ヶ月もしてピストンの溶損までが生じる事例というのもあったものだ。
なお、ツインキャブ以上の場合は、アイドルにおいて、各スロットルバルブの開度を同調させる必用があるが、これはSOLEXで記したこととまったく同様なので割愛する。