私の思いと技術的覚え書き

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日産自の杜撰完成検査問題に思うところ(その4)

2017-10-21 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 今回の日産の完成検査問題だが、自身満々というか若干傲慢ささえ感じる西川某なる社長会見から程なくして、問題の発覚後も同様の仕業を継続していたことが再度暴露されるに至った。(またもや内部告発だろう)

 これを知り、戦争だったら、この部隊は負けるなと思わずにいられない。上層部がテンヤワンヤで混乱している中、明確な指令が下せなかったことは当然あったろう。そんな中、現場はとりあえず進めなければといった雰囲気で、従来同様な完成検査業を続けていたということだろうが、完成検査部門の長(部隊で云えば将官)は、どの様な意識を持っていたのであろうか。まさか。「良きに計らえ」とは思ってはいなかったろうが、正に部隊を仕切るリーダー不在の人物と云わざるを得ないだろう。また、個別の認定された完成検査員達は、どの様な思いで作業を継続していたのであろうか。そこに、倫理もしくは道徳といった視点での欠落はなかったのであろうか。何れにしても指揮命令系統が旧日本軍と同様な状態では、勝てる戦も負けると思う。

 西川某の再度の会見では、完成検査そのものと、商品検査が混在して云々(うんぬん)とすっきりしない説明が続く訳だが・・・。確かに完成車メーカーとしては、完成車の保安基準の適合という視点での検査と、商品品質としての検査は欠かせぬものではあろうが、それは明確に区分けされており、それぞれが分離独立しているのが当然だろう。それが、効率を優先するあまり混在して検査されているとしたら、今後も問題は続く様に思えてならない。

 今回の問題発覚を知り思うことを記す。大メーカーは国交省に型式指定の認証を得ると共に、完成検査を自ら行い出荷する訳だが、この完成検査員は、メーカー自らが何らかの経験や試験に基づいて選任するという特典を与えられている。今回の事例の様な、自動車業界全体の不審を生みかねない問題を惹起したメーカーは、完成検査員の資格選任をメーカーに委ねず、一般の町の指定整備工場における自動車検査員と同等の研修および終了試験を義務付ける。その上で、完成検査員は本来国が行うべき業務を代行することとし、法令により公務に従事する職員とみなされ、刑法その他の罰則の適用などについて公務員に準じる取り扱いを受ける、いわゆる「みなし公務員」とする。問題を起こしたメーカーは、問題の発覚から向こう10年程度は、この罰則を適用する規定とすれば、再発は防げるのではないだろうか。

 なお、日産の該当工場長(取締役だろう)および完成検査工程の長(部長級か)は、懲戒免職処分が妥当となるだろう。それと、日産は全般にコンプライアンス意識が低いことを露呈したので、全従業員(正社員だけでなく関わる従業員すべて含む)を対象として、定期的なコンプライアンス研修を義務付け、その実施報告を求める。


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