ご存じの方も多いと思いますが、VWビートル(TYPE1)は、彼のフェルデナンド・ポルシェ博士がヒトラーの命を受けて、国民車として原型モデルの設計を行ったものです。なお、VW(Volkswagen )とはドイツ語fr国民車の意味であるが、当初ヒトラーは、この国民車をkdf(Kraft durch Freude:喜びを通じて力を)というスローガンを意味するものとして命名したそうです。
さて、オリジナルビートル、つまりType1ですが、すべてがポルシェ博士のオリジナルではないにしても、博士の選んだ各種メカの選択は当時最先端の合理的なものだったと思われます。すなわち、空冷水平対向4気筒エンジンをリヤにマンとすること、シャシはプラットフォーム型(縁ありのお皿型)として生産性を高めたこと、全輪のトーションビーム式独立サスペンションが採用され、乗り心地とスタビリティが高められたこと、曲線を多用したボデーは空力を重視したものであったことなどでしょう。
さて、戦後のVW・ビートルType1は量産し続け、それまで生産記録を誇っていたT型フォードを抜き去ります。(後年、このType1の記録もトヨタ・カローラが塗り替えますが)そして、ポルシェ博士は、元来のスポーツ・レーシングカー好きが高じて、自ら代表者となるポルシェAGを設立、Type1に駆動レイアウトはそっくりな、ポルシェ356というスポーツカーを生産し出すのでした。その後、博士の息子となるフェリーが設計したのが、現在まで連綿と性能を向上し続けているポルシェ911なのです。911は、当初ビートルType1の4気筒を6気筒化させたものでしたが、現在では水冷化されたとはいうものの、リヤエンジン、リヤ駆動のレイアウトと、アイコン化したサイドシルエットは不変のままです。
こうして記してみると、オリジナルビートルから現行ポルシェ911まで続く糸は確実に繋がっているのだなと頷けます。そして。ポルシェ社の標準でもかなりスポーティなものを、RSとかGT1および2とかを名称に付加したホットバーションが作られ続けるスピリットはポルシェ博士を継承しているのだと思われてしまいます。
追記
オリジナルビートルが生産中止されて、2代目となったニュービートルに、この数ヶ月付き合いました。他車のリバイバル車と同様ですが、外観はオリジナル風テイストを踏襲しますが、プラットフォーム(モノコック下部やサスペンション等)は、4代目ゴルフのものを流用しています。
乗って見て驚いたのは、フロントウインドガラスとシートの位置関係が離れており、運転席からおもいっきり手を伸ばしてもフロントガラスに手が続かないことです。必然的に前方直近の見通しは良いとはいえませんが、ホイールベースの短い小さなクルマですので不自由を感じる程ではありません。また、左右に張り出したフェンダーは、幅寄せなどで神経質になりそうにも想像しましたが、全長、全幅ともコンパクトなクルマであり、問題になることはありませんでした。
それと、このクルマは標準外の18インチホイールと40扁平タイヤが装着されており、相当に堅い乗り心地を想像したのですが、ちょっと以前に6代目ゴルフをやはり数ヶ月乗る機会がありましたが、ゴルフ6より乗り心地は堅くなく良いと感じたのには驚かされました。
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お金が入る仕掛けだったようですね。ポルシェの凄いところはそのお金を貯め
こまず、操縦性や人間工学、衝突安全などの分野で1マルク残らず使い切って
しまったことです。
考えようによっては、現在のポルシェの技術はtype-1によって作られたものだ
ともいえる部分があるかもしれませんね。