私の思いと技術的覚え書き

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余裕を失った時代(2年前の記事から再録)

2017-11-14 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
2年前に記した私見だが、ますます顕著となっているとの感を持つのだ。

木村 栄二 2015年11月10日
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余裕を失った時代

 どうも世間がせせこましく窮屈な時代になったと感じ続けている。世界的に競争が激しく、各企業体でも組織構成者に対し、効率、成果、能力、スキルなど、言葉は異なれど原価低減に結び付く指示命令や評価を強めていることも、要因の一つなのだろう。

 しかし、遮二無二に競争に打ち勝てと命じたリーダーに追い詰められた結果として、VWの排ガス不正やマンション杭打偽装など、企業倫理を問われるべき犯罪が生じた要因に根底にはあるように思えてならない。

 そして、各企業では、自己責任だとか個別能力の(ねじ曲がった)評価だとか(建前上の)コンプライアンスの遵守だとかを声高にまくしたて、組織体の連帯意識やロイヤリティは失われつつある様にも感じる。

 何時の時代でも、結果としては同様なのだろうが、正に「正直者のバカをみる」時代であって、愚直に真面目にやっても、それはあまり評価はされない時代なのだろう。リーダーの意向に沿う、(数値上の)見掛けの成果を生み出すか、上手く立ち回る能力を持った者が良き評価を得、それが次期リーダーとなって行く時代なのだ。

 今のリーダーは、言葉ではともかく、実態として個別能力の100%を越える成果を要求しているのでないかとすら感じるところだ。人間とは、個別の能力差異もあるだろうが、余裕を残した中で、最大最良の仕事として判断や発想を為し得るものであって、余裕を失った時、まともな分別も失われるのは確かなことだろう。


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