私の思いと技術的覚え書き

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機械の寿命を考える

2020-03-02 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 およそ工業製品にはどんな物にも寿命があることは誰でも判る道理だろう。しかし、実態は機械本体の素材自体が持つ金属疲労などの寿命から使用限度になると云うより、その付加的に付け加えられた機能部品の機能や効率の陳腐化だとかによって、例え付加部品を交換なりしても、間尺に合わないことから継続使用を諦めるという場合が多いのだろう。

 ところで、日本では車両の製造後、13年とか18年超で、税率を上げ、できるだけ継続使用を諦めさせるような税制を採用しているのだが、不可解というか合理性のない悪税と感じている。利用している環境とか利用状況にもよるだろうが、適切なメインテナンスを受けている車両が、13年とか18年で寿命を迎えるとはおよそ考えられない。

 ところで、鉄道車両だとか航空機の寿命というか更新期間は、一般的な車両に比べると桁違いに長い。これは、そのコストの高さなどと無縁のことではないのだろう。しかし、それら車両とか航空機本体の機械的な寿命を考えた時、航空機などは車両などと異なり、本来は寿命は短くて当然となるだろう。

 この理由だが、安全率という考えかたによる。つまり、その筐体が使用中受ける各種応力の最高値に対し、素材自体の持つ強度の余裕が一般的な車両では5倍とか部位に寄っては10倍の余裕を持たせている。しかし、航空機では「飛ぶ」という宿命から安全率は、1.1とか1.2というかなり安全率としては余裕のない設計しかできないのだ。だから、航空機では定期的な点検整備に手間暇を掛け、利用時間に応じて、例えその部位の機能が正常でも部位を交換するなどと、安全率の低さを補う対応がなされているのだ。

 ところで、航空機の話しだが、最新型のF35とかステルス性能を追求した新しい機体も続々開発され続けているのだが、既に初号機から40年以上を経た、B52だとかF15などの、する意味旧式爆撃機だとか戦闘機の利用を、米軍は大幅に延長し続けると報じられている。ここではF15の新規発注として80機を追加発表したということを書き留めてみたい。

 では何故、今更オリジナル設計から40年を超えた機体を新規発注するのだろうか。それは、各種戦闘に応じて、それなりの最新型機同士の先頭においては、F22とかF35とかのステルス性能を重視した最新の機体を投入しなければならない。しかし、ある程度の戦力差を持った非対称戦力差のある戦闘においては、ステルス性能など要求されないし、ステルス機で機体内のウェポンベイに爆弾搭載量を制限される最新型より、従来の機体の翼面下に大量の爆弾とかミサイルを満載できる、しかもツインジェットで大量の兵装搭載でも離陸飛翔できる旧型機のメリットがあると云うことの様だ。なお、機体本体の設計はオリジナルだが、アビオニクス(レーダーや統合作戦(リンク)システムなど電子装備)は、当然それなりのアップグレードされたものを搭載する様だ。この新規発注のF15はF15Xと呼ばれる様だ。

過去記事
ジェット戦闘機の話 2018-08-19
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/0110559afef53e75b4624e4cbed468ee

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