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 私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

素人コンピューター論

2020-09-21 | コラム
 ここでは、およそ素人としてのコンピューター論を記してみたい。素人といえども、およそパーソナルコンピューターが実用化され一般消費者が購入できる時代の1980年代後半から現在まで使い続けているのだから、30数年使い続けて来たのだから、素人ながらそれなりの意見というか評価論を持って眺めて来たつもりだ。ここで記すのは、コンピューターの専門家でなく、あくまで素人が見るコンピューター論として記してみたい。

 現在、私の利用しているメインPCはインテル Core i7(860 2.8Ghz 4コア8スレッド)で、購入してから既に約9年を経ている。それ以前は、別添1の型番に赤アンダーアインを付したCPU(286~Corei7)まで、20数年の中で8種をバージョンアップして来たのだ。つまり、各型番バーション毎に2年ちょっとで更新し続けていた。しかし、2010年代以降になって、バージョンアップを中断し続けているのだが、日本が低成長時代に入り収入の目減りにも理由があるのだが・・・。

 さて、CPUなどのテクノロジーを記す記事に触れあう機会は多いし、感心も薄い訳ではないから、それなりに最新テクノロジーは一定把握しているつもりだ。こういう中で聞いたことがある方もいると思うが、「ムーアの法則」というインテル社の過去の社長だったムーア氏が述べたと云われる宣伝文句がある、つまり意味するところは、「CPUの技術は2年毎に使用トランジスタ数が倍になって速度も向上する(当初は速度も倍と云っていた)」というものだ。

 ところで、CPUの速度を決める要素は①動作クロック、②回路構成の集積度(プロセスルールと呼ぶ)、③複数以上のコア数とスレッド数というのが素人感だ。

 ①のクロック数はCPUを駆動する周波数のことで、エンジン回転と同じく倍の回転(クロック)にできれば、回路構成が同じとすれば、倍の演算速度が達成できる判り易いものだ。ところが、約10年ちょっと前から、およそ通常3GHz辺りで限界となり現在でも向上しなくなっている。ただしブーストクロックという、CPU負荷や温度を勘案して一時的に5GHzくらいまで高める機能を持つCPUはあるが、あくまで一時的なものだ。

 ②の回路構成の集積度(プロセスルール)だが、現在のCPU用の最先端で7nm(nはμの1/1000)程と微細化されてきている。つまり、より集積度を上げることで電気的遅延を少なくすると共に、同一面積でもより多数のトランジスタを詰め込める。

 ③のコア数とスレッドだが、コア数は同一CPUパッケージ内に実CPU回路(コア)を複数以上持つと云うもので、現在最新最上位CPUでは10コア程度まで登場している。スレッドとは、CPU内部の論理CPU数(命令セットを処理する単位)で、例えコアが1つでもスレッドが4だと、4つの命令セットをほぼ同時に処理できる。このコア数とかスレッドの概念は、マルチタスクという、同時に複数の演算を可能にするものだが、現実にはそれに対応したアプリケーションプログラムに依存する。なお、参考までに画面の描画(レンダリングという)に特化した素子にGPUというものがある。GPUは命令や演算は単純だが、特に最新の高画素マルチモニターなど、極めて早い演算が求められることもあり、コア数が500とかCPUとは桁が違う設計がなされている。

 という辺りを知識を前提として、コンピューター記事などを読むと、私の Corei7 860 と最新の Core i7 は6倍の性能差があると表現している。すなわちCPUの演算速度を測定するアプリの計測値として、 Corei7 860 は 2300 ほどが、最新の Corei7 では14000 近いことを指しているのだろう。ただし、これはマルチスレッド対応のアプリの計測値なのだ。シングルスレッド計測だと、 Corei7 860 で 230 ほどが、最新の Corei7 では 530 程度しかない。つまり、2.3倍程度のものなのだ。

 それ程専門的な論文でなくとも、通常のアプリを使用する場合は、特定の条件を除けば、およそマルチスレッド(マルチコア)が演算速度に影響する場面は10~20%に限定されるという。具体的に記せばマルチスレッドの演算速度計測に近い動作を行う場合であって、ビデオ動画のエンコード(圧縮符号化)変換とかいう場合にほとんど限られる様だ。

 ところで、最近はTVでDVDなどを見ることはないが、PCでDVDとかBD(ブルーレイ)を再生する場合は多いが、再生アプリにより大きく画質は異なる。これは、高画質再生アプリほど、画像の処理に演算など処理を行っているのだが、多くの場合これはCPUの能力でなくGPUのハードウェアの能力による様だ。一時、DVDの再生でカクカクと動画が飛ぶ様になったのだが、一つはDVDドライブの読み取り不良、もう一つはGPU(グラフィックボード)の不良であった。ということで、PC本体のCPUは9年もバージョンアップしていないが、グラフックボード(GPU)とか、HDDの代わりにSSD(ソリッドステートドライブ:フラッシュメモリを使用したメモリ素子ドライブ)などバーションアップはしているのだが。



付記
 現在PC用もCPUとかサーバー用のCPUとしては8割方インテル製が占有しているという。ただし、スマホなどモバイル機器となるとARM(アーム)など、非インテル系CPUが圧倒的だという。また、近年PC用CPUとしてAMDというメーカーが急追してており、インテルよりプロセスルールが1段進んでおり、7nm 程度まで市販されだしている。ただし、プロセスルールの線幅だけが内部回路の集積度とは単純に云えず、インテルの公称 14nm プロセスは半分の 7nm 相当だという論がある様だ。しかし、AMDは、インテル以上に微細プロセスルールにより、高コア数+高スレッドCPUを市販し始めているのは確かだ。なお、ARMもそうだが、AMDとかNVIDIA(GPU)もそうだが、これらチップメーカーはアーキテクチャや設計だけを持ち、実製造はTSMC(台湾)で行っているらしい。こういう相手先ブランドを受託生産するのをファブレス企業と呼ぶらしい。しかし、一時ウインテルと呼ばれた様に単一の企業が何時までも占有するのは、健全なことではない。喜ぶべき現象だが、今一つは Windows の呪縛が何時切れるかだろうと期待している。

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