私の思いと技術的覚え書き

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光硬化樹脂について

2019-12-26 | 車両修理関連
 このところ、Youtubeでまったく新しい接着材みたいな表現で紫外線(UV)接着材のCMを繰り返し見る。これをみて、何を今更という感を持つので、広義の光硬化樹脂のことを書き留めてみたい。

 これはwikiからの転載だが、以下の様なことが記してある。
 光硬化樹脂(ひかりこうかじゅし)とは特定の波長の光(電磁波)によって重合、硬化する樹脂。重合反応を生じる波長域は、不可視光域を含むと、長波長域側から赤外線->可視光線->紫外線の順に短波長域迄となる。

 赤外線での重合反応を起こす熱硬化性樹脂は、所謂"合成樹脂"の黎明期から存在する。一方、赤外線以外を重合反応に利用するものは、以前からスクリーン印刷等の製版に使用されていたが、徐々に塗料や造形材としての使用が広まる。近年ではホログラフィーの記録媒体、ラピッドプロトタイピングの材料としても使用が進みつつある。又、造形材としてとの用途の他に、接着剤としても利用がされている。

 主剤及び各種の補剤の配合比率により、硬化後の耐熱温度は各種存在し、硬化後の耐熱温度が水の沸点以下のものも存在する。同様に、硬度も様々で、靭性と弾性に富むものから、高い硬度を誇るもの迄、各種の物性を賦与出来る。

 硬化反応を起こす電磁波の波長が紫外線域である場合、紫外線硬化樹脂(UVレジン)と呼ばれる。又、硬化反応が赤外線波長域で起こる場合、熱硬化性樹脂と呼ばれるものとなり、この場合は、耐熱性の高いものとなる。尚、光硬化性樹脂のモノマーは、光重合反応に際して発熱し、又加熱されると硬化反応が促進されるので、広義では全てが熱硬化性樹脂とも云える。

 ここで樹脂(レジンとも呼ばれる)は、硬化前は液体もしくは半固形体なのだが、重合という化学反応(架橋反応とも呼ばれる)で固形化する。この化学反応を熱で行うものを熱重合、主材の対し適量の硬化剤を混合することで化学的に行うものを2液重合と呼んでいる。なお、レジンは立体的な成形物を作る場合の他、物体間に薄膜だとか盛り付けることで接着作用を生み出すものがあるが、基礎的には類似のものだ。

 塗料にしても接着材にしても、溶剤蒸発乾燥型といわれるものが昔からあるが、耐水性だとか耐溶剤性、耐光性が悪いとか厚膜するほど乾燥時間が極端に長くなり、作業性や実用性、耐久性に難がある。自動車修理用の凹面を充填するパテには、一般に板金パテ、ポリパテ、ラッカーパテの3種があるが、この内ラッカーパテが溶剤蒸発乾燥型で、極薄くしか盛り付けることはできないし、乾燥後のヒケ(体積が収縮する現象)の問題も生じてくる。このヒケについては、2液混合型であっても、完全硬化前に研削した場合など、上塗り塗装後に、ヒケにより粗研ぎ研ぎ目が表出してしまうことなど、今でも時々目にすることがある。

 2液混合型のパテの乾燥だが、ある程度温度を昇温してやらないと化学反応の促進されず、低温下とか高湿度下では硬化が遅くなる問題もあるし、そもそも昇温した場合であっても、一定の作業可使時間(ポットライフと呼ぶ)を確保するため、ある程度の時間が必要になる。この硬化を強い紫外線を与えることで、極短時間に行うUVパテなるものが、10年近く前より出回って来た。ただし、このUV照射ランプだが、照射用の放電管内の水銀蒸気中で放電させることで強い紫外線を発生させるものだ。
 最近は。歯科医治療用を含め、LED光源を利用するUVランプ(ブラックライトと呼ばれることもある)が利用される。なお、最近のUVパテは改良されているのだと思うが、当時のUVパテは乾燥硬度が高すぎて研削に手間が掛かりすぎるとか、成形性が悪いとか敬遠される意見を聞いたものだった。



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