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【書評】日本を捨てよ その2

2021-09-30 | 論評、書評、映画評など
【書評】日本を捨てよ その2
 前回に続いてかなり端折って読み進め数時間後に完読した書評の続きとして書き留めたい。

 前回記した様に、著者は日本人の特性を儒教と相互監視というべき環境の中で閉塞感を感じ続けているのだが、これを改善するには、日本から逃避せよとは述べていないが、改めて突き放して眺めて見よと意見している。これは、英語なり多国語の理解もし、もっと大きく地球の中のそれぞれの国の出来事の内容を抽象的に見つめて欲しいと述べている。これは、どういうことかと私なりに解釈すれば、抽象的とは反対語が具体的なので、具体的なものから全体を抽象的なものとして、つまりミクロからマクロ的に捉えてと理解する。

 つまり、日本人として日本の中から日本を見るより、突き放して他国から日本を眺めた時、見えなかったものが見えているといいたいのだろう。

 その上で、具体例として、米国の様な連邦制だとかEUの様な圏内の何処にも自由に移動して住めるという国家像も提案している。また、政府が複数あって、どの政府に属するのか、国民個々が選択出来る様な世もあり得るとしているのだが、アメリカにしてもEUにしても、歴史の中から生まれたもので、既存秩序の中で、それを解体するという行為が、既得権を持つ国家指導者が容認するとは思えない。まあ、あり得そうなのは、前々から一部論議されている道州制というのはあるだろうが、既存の国家指導者が導いた道州制は、形ばかりの意味ないものになる可能性を想像してしまう。

 いずれにしても、私の理解としては、ものごとを国内に限定して見るのではなく、広く世界を俯瞰して、やや離れて日本の現実を眺めることが必用だということだろう。その上で、政官情報やそれを伝える偏向報道のメディアに踊らされることなく、また日本人の欠点ともなる儒教と相互監視という悪癖に捕らわれず、ものごとを眺め思考することが大事と理解した。



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