私の思いと技術的覚え書き

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EV路線バスを何故作らない

2022-11-26 | コラム
EV路線バスを何故作らない
 米(カルフォルニア)とか欧州など2035年内燃機関廃止のゼロエミッション車(排ガスなし車=EVかFCV)を宣言し、動きを進めているのだが、その時期達成に暗雲もあるとい話しも若干ある様だ。拙人としても、そこまで急進的に車両のエネルギーを変更するのは、インフラとか電力事情的も難しい。そもそもEV車で一番問題になる航続距離とバッテリー充電時間の問題は商業車(中でも大型車)は特に難しい余地あると思っている。

 ただ、問題だと思うのは日本の場合、EV乗用車の開発がさほど熱心にやっておらず、現状ほとんど見掛けるのは、だいぶ以前から先行販売してきた日産リーフだけだ。それでも、リーフとか輸入車のテスラなど、やや見掛ける状態になって来たところは、日本でのEV比率もやや上がってはいるのだろう。ただし、地元の観光地だとか街のショッピングモール駐車場などで、希にEV充電器設備を見ることあるが、そこの充電プラグ数は多くは1つであっても2つ程度まで、そもそも充電可能場所が少なすぎる。

 ところでEV自動車は電力さえあれば、南米辺りの高山採掘場で活躍する日本のコマツの100トンというダンプもエンジンを持つが、発電オンリ-で電動モーターを駆動しての走行という。EVにすれば、構内を走行するので強い登坂能力は必用だが、過度の高速性のは不要というところが。ただし、これをエンジンを外しバッテリーを置き換えるだけで、大電力を消費する故にとんでもなく短い走行もしくは稼働時間になってえしまう。

 さて、EV車でその業務上1日の走行距離が100キロ以内程度であまり変動なく、どんな自体でも長距離を走ることはないという業務を行っているのは、全国地方の路線バスだろうが、これは極めてEVに向く走行形態を持つ業体と云えるだろう。これに関して、ちょっと前の報というか記事で、九州の鉄道系バス会社が自社の古いバスをEV仕様に改造しているとの記事があったので、さらに記してみたい。

 この様な古いクルマなどをあえてEV化すると云うのは、現在の様に将来のEV化が明確化などされる以前から、事例は少ないが行われて来た様に承知している。こういう古いクルマを新しい機能に変化させることをレトロフィットと呼ぶ場合がある。しかし、このレトロフィットでのEV化だが何処までエネルギー回収を極めているのか気になるところだ。

 それと、日本で1台2700万/台の改造費を要すると云うのだが、路線バスの新車がどの程度するのか明確でないが、おそらく5千万以下だろう。そうなると、バスを作る車両メーカーで、効率良いEV新車を作り、新車を6千万程度で販売し、政府も半額を助成して普及を進めることにできないのかと思う。

 これにより、バス会社のEV技術が進み、日本での将来的なEV化への様々な技術知見も得られと、導入部としては誠に良いと思えるのだ。

 EV車の電費(燃費に相当する)を伸ばすには、プリウスで徹底的に開発された電力回収装置を使い、素早くバッテリーチャージし、その電力を効率的回収しなければならない。EV車における電力回収は、内燃機関車でエンジンブレーキを使用する状態で発電し充電するのが電力回収だけと思ったら大間違いなんで、このブレーキバイワイヤと組み合わせた動作原理を気してみたい。

 ブレーキバイワイヤー付きでは、ブレーキペダルを踏むと、そのペダルストロークを検出して、目的減速度を演算するが、ストーロークが小さく、これなら実ブレーキは使用しないで回生ブレーキだけで減速できると判断するとブレーキペダルは踏まれており、ペダル押し返す反力あるが、この際は実ブレーキは作用していない。しかし、回生用の発電機は駆動されており、その駆動反力として制動力が生み出されてる。そして、このたびにバッテリーはチャージされる。

 ブレーキペダルを踏む力が大きくなり、ペダルストロークが長くなると、ブレーバイワイヤ機構が機能して実ブレーキが作動するが、この際は平行して回生ブレーキも働き、実ブレーキと回生ブレーキが協調作動し発電された余剰電力はバッテリーにチャージされる。

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中古車両をEV化、西鉄が「レトロフィット電気バス」の製作開始
レスポンス 10/14(金) 14:00配信
 西鉄グループは10月13日、レトロフィット電気バスの製作を開始するとともに、完成した車両2台を福岡地区へ導入すると発表した。
 レトロフィット電気バスは、住友商事が出資参画する台湾最大手のEVバスメーカーであるRAC社と共同開発。従来の電気バスよりも航続距離が長く、CO2削減効果が高いことに加え、中古の国産ディーゼルバスをEVバスに改造することで、低価格での導入が可能だ。
 西鉄グループでは、脱炭素社会を実現するため、住友商事と連携しながら、高性能・低価格な電気バス『レトロフィット電気バス』を開発し、2022年6月より小倉自動車営業所で運行を行っている。
 完成したレトロフィット電気バスは、2023年3月頃、福岡地区に導入し、試走を実施したうえで、4月以降、営業運行する予定。来年度以降も、西鉄グループ内の営業所へレトロフィット電気バスの導入を進めていく。
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西鉄、国内でEVバスに改造 他のバス事業者から受注も
日経 10月13日 20:30
 西日本鉄道は13日、既存のディーゼル車両を国内で電気自動車(EV)のバスに改造する事業を始めると発表した。台湾のEVバスメーカーからEV化に必要な部品を購入し、まずは自社のバスを改造する。西鉄は2030年までに自社のバスの約20%に当たる500~600台をEVバスにする計画を立てており、国内で改造することでコストを下げる。
 EV化は住友商事が出資する台湾の大手EVバスメーカー、RACの技術を使う。子会社の西鉄車体技術(佐賀県基山町)にRACの技術者を招いて指導を受ける。当面は自社の車両のEV化に取り組む。23年4月に、国内で改造したEVバス2台を天神や博多を走る路線に導入する。
 西鉄では22年6月、台湾で改造したEVバスを北九州に導入した。1回の充電で約130キロメートル走行でき、二酸化炭素(CO2)の排出量をディーゼルバスに比べて約40%削減できるという。ただ、海外で改造する場合、バスの輸送コストが高くなる。国内で改造にかかる費用は1台当たり2700万円で、国や自治体から補助金も出るという。
 西鉄は改造技術を習得し、全国のバス事業者からEVバスへの改造を受注することも検討する。林田浩一社長は13日の記者会見で「大型バスのEV化の課題であるコスト面を解決することで、バス事業者として日本のカーボンニュートラルに貢献していきたい」と話した。


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