私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

無認証問題について感じること

2007-09-17 | 車両修理関連

 連休が終わります。今月は次週も連休が続きますが、労働者に取ってはありがたい連休ですが、中・小零細企業が多い自動車修理工場さんや鈑金塗装工場さんの経営者に取っては、月間実働日数が減りつつ売り上げは下がりますから、頭の痛くなる問題の一つかもしれません。

 さて、今回は今巷で問題となっている無認証整備に関わる問題について感じることとして記してみたいと思います。

 同問題については、鈑金塗装の業界誌であるボデーショップリポートの本年9月号でも大きく(というかヒステリックとさえ感じられる論調で)取り上げられています。そもそも、今回の無認証整備に関わる問題提起は、いわゆるユーザー車検を繰り返し業として行っている業者等の取り締まりに根源があるとも伝わっています。しかし、無認証で分解整備を行っている自動車関係の各種工場にとっては、無視出来る問題ではないと思います。

 私が感じる現行法(道路運送車両法)上の矛盾点として、そもそも認証工場として許される分解整備(エンジン、サスペンション、ブレーキ等々のクルマの重要な保安部品を取り外し分解する整備)の定義についてがあります。鈑金塗装工場における、大ダメーシ車の修理では、先の解整備の定義よりさらに重要部分である、車体の根幹たるボデー本体の修正や該当部位の取替等の修理が行われています。しかし、これら分解整備の定義を遙かに超え、クルマの安全性に深く関わる重要事項を法律では何ら定義していないのは大きな疑問とも感じられます。
 何年か前、事故車両の修理後の検査の必要性について、当時の運輸省で検討されたことがありました。しかし、車体整備が未実施だったり不適切だったことが原因となって、再度の事故に繋がった様な事例は確認されなかった等として、立法化は立ち消えとなりました。本当にそうであったのか、私は疑問が残る問題であったと感じています。

 しかし、例え未整備かつ矛盾を含んだ法であっても、法治国家である以上は法令を遵守した業務を行っていくことが企業運営者には求められざるを得ません。従いまして、鈑金塗装工場さんを含め、現状の分解整備の定義に関わる業務を行おうという善良なる自動車関連業種さんの方は、一日も早く関係法令をクリアーしていく必要性があると思います。

追記
 鈑金塗装事業者さんの中には、優良自動車整備事業の認定を受けた工場さんがあります。いわゆる車体整備作業一種および二種(通称名で特認一種、二種とも云う)等の工場さんですが、これはいわゆる工場要件等が一定以上であることを示す「認定」であって「認証」とは異なります。これら「認定」工場であっても、分解整備に関わる法令をクリアーするには、別途に「認証」を受ける必要があります。


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