ミャンマー・日本語学校ブログ

ミャンマーでの生活、教育、ビジネスなど
ヤンゴン在住12年の作者がお届けします。

「ありがとう」を言わないミャンマー人

2008年09月03日 | ミャンマーでの生活
子:「ちょっと、そこの塩とって。」
母:「あ、これね。はい....」
子:「ありがと」

日本ではこれが当たり前だが、ミャンマーでは家族同士の会話で「ありがとう」を絶対に言わない。
最初は、この習慣の違いに戸惑ってしまったが、今はすっかり慣れてしまった。

他の例ではどうだろう。

娘がスーパーへ買い物に行った。あいにく雨が降り出したが、娘は傘を持ってくるのを忘れている。
娘は携帯電話で母に傘を持ってきてほしいと頼む。母は雨にぬれながら、娘のために傘を持っていった。このような場合、日本では、

「ありがとうね、お母さん。おかげで助かったわ。」

と言うだろう。母親のほうもその言葉を期待しているに違いない。

ところが、このような場合でもミャンマーではお礼の言葉を言わない。

「ああ、よかったわ。これでびしょびしょにならないで帰れるわ。」

とまるで、母親が眼中にないかのような話し振りなのだ。
母親のほうも感謝の言葉を期待していない。

先週、こんなことがあった。

妻の姉(義姉)はパテインの国立病院で看護婦をしていたのだが、ヤンゴンの私立病院で働くことを希望していたので、私がある私立病院の理事長に頼んで就職の便宜(口利き)を図ってもらった。
そして、面接には自分も同行し、院長先生にもお願いした。
次の日に、その病院で雇ってもらえることになった。

このような場合、自分に対して「ありがとう」という感謝の言葉があるかどうか、じっと待っていたが、やっぱり一言もなかった。

妻によると、
「お姉ちゃんは、もちろん感謝してありがたいという気持ちを持っているよ。でも、ミャンマーでは口に出して言う必要はないの。家族同士で『ありがとう』と言うと、それは他人行儀、水くさいことになって親しくないことになるから。」

礼儀を重んじる日本人から見れば、ノイローゼになりそうだが、ミャンマー(他の東南アジアの国もそうかもしれない)ではこれが当たり前なのである。

後で、理事長に「おかげさまで就職が決まりました。その節はありがとうございました。」と
お礼の電話をする自分がいた。

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