さこういっぱく

「左後一白」は名馬の証です!

愛馬物語31

2011-07-02 | 愛馬物語
続き:愛馬5頭(パスワード/1勝、チャプター/2勝、リベラル/未勝利、イグニション/未勝利、イーグル/未出走)

古馬陣がなかなか上昇とはいかない中、2歳のイーグルが6月にデビューを迎えた。過去にも2歳でデビューした愛馬もいたが、2歳の6月デビューは始めてのケースであり、これだけ早くデビューできたことに喜びを感じていた。そのデビュー戦は福島芝1200m。2歳戦とはいえ、さすがにイーグルには忙しく、6着に敗れるも、今後の活躍を予感させるには十分であった。

ついに、ついに厩舎期待の星チャプターが帰ってきた。未勝利で5馬身差の圧勝劇を挙げ、500万下も3着のあと、簡単に卒業。先々が期待されていたが、まさかの屈腱炎発症。この暗黒の3文字が意味するものは・・・正直お先真っ暗という感じである。今までも屈腱炎を発症した愛馬は多いが、殆どが復帰できず、復帰したとしても1戦大敗で再発。競走馬には多い疾病であることは間違いないが、復帰は困難なケースが多いと思われる。特にオープン馬でないチャプターには「引退」の文字もちらついた。牝馬で2勝していれば、酷くなる前に繁殖へあげることも重要な選択肢の1つであろう。しかし、陣営は復帰を目指し、彼女はそれに応えたのである。

7月、小雨振る小倉に彼女は舞い降りた。川田騎手を背に復帰戦に挑む。1度勝っている500万下。長期休養明けとはいえ、6番人気に支持される。本当に大丈夫なのか?私の心配をよそに彼女はスタート直後から果敢にハナに立った。元々先行することの多かった彼女だが、さすがに屈腱炎後の復帰戦からハナを切るとは思わなかった。このままあっさり勝ってしまうのか?と思った勝負どころで置いていかれる。さすがに1年半の休養明けでは息が持つわけがない。15着大敗。結果としては大敗だったが、まずは無事復帰戦ができたことに喜びを感じると共に、レース後の彼女が不安でしょうがなかった。
「レース後特に変わりはありませんが次走は未定です」聞きなれた、ややもすれば聞き飽きたシルクのコメントがこんなに嬉しく喜ばしいと思った瞬間はない。また次がある・・・ホッと胸をなでおろした2007年初夏であった。

この夏はイーグル・チャプターが厩舎を引っ張った。イーグルの2戦目は札幌。鞍上に横山典騎手を配し、札幌芝1500mに挑んだ。陣営の期待も伝わってきており、血統馬体からも距離延長は歓迎だった。しかし結果は7着。デビュー戦のリプレイかと思われるような走りで伸びずバテず。一定の能力は再認識したのだが、勝ち負けには程遠い結果であった。続く3戦目は札幌芝1800m。距離延長は歓迎だし、忙しくない分好位からレースを進められるのではないかと考えた。レースは好位というより、逃げたのである。デビューから2戦は10番手くらいからレースを進めた彼が、いきなりの脚質転換。ちょっとビックリ。しかし思惑どおり、距離延長はメリットとなり、道中は程よく走れていた。さすがに逃げ切るまではいかず、4着に敗れてしまうのだが、勝ち馬からはコンマ4秒、5着以下には5馬身以上離しており、今後に期待を持つことができるレースになったのは言うまでもない。そして放牧へ。尾形厩舎であり、ひょっとして長期か・・・と心配したが、3ヶ月程で帰ってきた。ただ、2007年中の出走はなかったが。

一方のチャプターは復帰2戦目を小倉の同条件を選んできた。無事に復帰2戦目を迎えることができた。鞍上は芹沢騎手。脚元の不安はあるものの、長期休養明けを叩いての変わり身は期待できる。今回も前回同様逃げるのか?しかし、ここは逃げずに先行集団からレースを進めた。前回は休養明けが響いて息がもたなかったが、今回はしっかり最後まで全力を出し5着。屈腱炎から復帰後、たった2戦で掲示板を確保したことは能力のなせる業か。走りも良い頃の彼女に戻りつつあり、3戦目はさらに期待することになる。

脚元の影響もあり、続けて使えない彼女は1ヵ月後3戦目を迎える。舞台は阪神ダ1800m。鞍上には蛯名騎手。陣営も手応えを掴んでいたのだろう。そしてファンもよく知っていた。当日は2番人気に支持される。パドックから伝わる彼女の馬体は500万のそれではなく、もっと上のクラスで走ってもなんら不思議はないと思えた。
レースは蛯名騎手を背に果敢に逃げた。彼女の持てる能力をフルに発揮するかのような走りを披露。ここでは役者が違うとばかりに後続を完封。2着の1番人気に2馬身半つける快勝劇を演じた。素晴らしい、素晴らしすぎる結果にただ酔いしれる。今後の活躍を期待した。

「好事魔多し」
競走馬に携わるものが良く聞くフレーズであり、実際に体験することも多いものだ。快勝後に骨折したり、病気になったり。私自身も数多く体験してきた。過去にはイノセント、ソウルフルダンスが優勝後に骨折した。そして、まさにこの時も・・・。
聞きたくない、絶対に、絶対に聞きたくない魔の3文字が再度彼女を襲う。2度目の先には未来はないと思うしかなかった。シルクチャプター引退。悲しい出来事ではあるが、原因が原因であるため、比較的冷静に受け止めることができたように記憶している。最後の勝利もこうなることを知っていたのではないかとさえ思えた。そう思うとドラマを感じる。

10戦3勝。たった10戦しか彼女はレースをしていない。しかし、彼女の残したものは私にとって極めて大きなものとなった。1歳時の彼女に牧場で出会った時には衝撃を受けたことを今でもはっきり覚えている。「これは走る!」私の期待にたがわぬ成績を残してくれた。脚元さえ丈夫だったら・・・・・。
屈腱炎からの復活ができることも証明してくれた。最後の3戦はそれこそ死闘だったに違いない。私に初の3勝馬をプレゼントしてくれたこと引き換えに自身が引退した。残念ではあるが、彼女には次の仕事が待っている。「いつの日か君の子供が夢を引き継ぐよ。」

2007年はチャプターの勝利と引退で早めの幕を閉じることとなった。2008年は古馬陣がどこまで頑張れるか。そしてイーグル2歳戦で見せた素質を見事開花させることができるのか。が注目ポイントとなる。チャプター・イグニションが引退したことで、戦力補強も必要である。さすがに所属3頭では明るい未来はやってこない!?
2008年はどんな年になるのか・・・それは次回の講釈にて。

続く:愛馬3頭(パスワード/1勝、リベラル/未勝利、イーグル/未出走)

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