さこういっぱく

「左後一白」は名馬の証です!

愛馬物語32

2011-08-20 | 愛馬物語
続き:愛馬3頭(パスワード/1勝、リベラル/未勝利、イーグル/未勝利)

 2008年のスタートは愛馬3頭で始まった。チャプターが引退し、戦力補強が必要であった。2007年募集ではパンフが到着する前に出資がほぼ決まっていた仔がいた。父ラスカルスズカ 母シルクトリニティーの牡馬である。募集価格は何と500万円。「安さ」という魅力もさることながら、元愛馬であり未勝利であったものの、私の中で一番だったあのトリニティーの長男である。
 一口の醍醐味の一つに「愛馬の仔に出資する」と言うものがある。長らく一口をしていたものの、愛馬が繁殖にあがることは簡単ではなく、現にこの時点で繁殖に上がれた元愛馬はトリニティー、オリンピア、チャプターの3頭。もちろんチャプターは繁殖に上がった直後であったため、まだ仔はできていない。実質2頭のみである。しかも、元愛馬の仔が必ずシルクHCで募集されるとは限ったことではない。その点においても、私としては初めての体験となり、余程の欠陥が認められない限り出資することが確定したのであった。後のシルクラスカルである。
 余談であるが、マイシンザン産駒として中央唯一の勝利を記録した元愛馬ウイッシュも繁殖に上がることはできなかった。貴重な血統を残したいと思ったのだが、現実は厳しいものである。

 ラスカルを除いた募集馬の中から、いの一番に注目した馬がいた。父ステイゴールド 母チャンネルワンの牡馬。そう後のシルクメビウスである。結局のところメビウスには出資しなかったのだが、なぜ出資できなかったのか・・・それは私の「天邪鬼根性」がでてしまったことが一番の理由であった。
 年末の号外にて、ラスカルが順調に成長していることで出資完了。1世代1頭体制が3年ほど続いていたのだが、経済的余裕もできたことで、追加で1頭出資することに決めていた。もちろん第一候補はメビウスである。残口にも余裕があり、締切まで十分に検討するつもりであった。第二候補には父フジキセキ 母ピサノヒビキの牝馬。のちのシルクナデシコ。3番手に父チーフベアハート 母イエローダンサーの牡馬。のちのシルクジャーニー。あと数頭いたと思うのだが、覚えているのはこの3頭。
 4月の号外が出てもこの3頭を中心に考えていた。この辺りからメビウスの評価が上がってきたように思う。各方面でのメビウス評が鰻上りであり、私にとっては嫌な展開となってきた。以前も同じようなことがあった。愛馬物語にも記載しているが、第一候補であったシルクボンバイエに決定していたにも関わらず、ツアーでの凄まじいまでの人気に「天邪鬼根性」を如何なく発揮した結果、直前でシルクホルダーに変更したのだ。またしても同じことを繰り返してしまい、結果的にシルクナデシコに出資を決めた。
 ドラフトの外れ1位(ちょっとニュアンスは違うけど)となったナデシコではあるが、私としてはかなり魅力のある仔であった。馬格はないものの、バランスが良く、根性がありそうな目つきなどは出資段階としては水準以上であり、また管理予定が栗東の宮先生というところが出資理由となった。

 2008年のスタートを飾ったのはシルクイーグル。デビュー戦から続けて芝を使われてきたのだが、ダートに矛先を変更し復帰戦を迎えた。中山ダ1800m。レースはスタート直後からハナを切る。初ダートで戸惑いもあったのだろうが、結果は5着と初ダートで掲示板を確保。その後もダート中心に使われることになるのだが、同条件の次戦では4着。舞台を府中に移したD1600m戦ではシルクエンデバーには屈するものの3着を確保。1戦ごとに着順を上げていく。距離短縮で挑んだ府中D1400mでは圧倒的1番人気のリーサムクラウンに完敗するものの2着を確保。初めて勝ち負けになった。そしてデビュー8戦目に歓喜の時が訪れる。 
 中山未勝利D1200mに津村騎手で挑む。私はイーグルについて決して短距離馬ではなく、適正は中距離と考えていた為に、陣営が距離短縮していくことには納得がいっていなかった。しかし、私の不安をよそにイーグルは結果を出し続ける。そしてこの時も。このレースには社台RHの良血馬ファイナルスコアーが鞍上武豊でデビュー戦を迎えるのである。前走でも評判のリーサムクラウンに完敗していることや適正距離を考えると不安は尽きなかった。しかし、ここでもイーグルは力を発揮する。なんとファイナルスコアーを1馬身3/4突き放し快勝したのである。しかも2着のファイナルスコアーから離されること8馬身後方に3着のエミネムシチーがいたのであるから、ビックリするほど強い競馬だった。そのファイナルスコアーはOP馬になるのであるから、デビュー戦とはいえ負かしたことは勲章と言っていい。雑草血統が良血を打ち負かす光景は気分爽快である。これが競馬の面白さでもある。
 優勝後、短期放牧を挟みターフに戻ってきた。新潟で復帰するもエノク(後のOP馬)の7着。芝千直を使うも7着。舞台を中山に移しても7着。と7が3つ並んでフィーバー・・・という成績であった。ただ、そのどれも見所があり、特に新潟芝千直ではまさか7着に頑張るとは思いもしなかった。今までのイーグルから考えるとあまりにも条件に合わないと思っており、10着以下になることも想定していたのだから。どのような条件でも安定して走る。それがイーグルであった。

 出資後すぐに入厩→デビューとなったのが、シルクナデシコである。小倉芝1200牝馬限定が決定した。調教過程もよく、3番人気に支持された。久しぶりに新馬で勝ち負けかも?と期待した。鞍上は藤岡康。宮厩舎ではよく依頼する騎手である。レースは後方から進めるが、レースに戸惑ったのか直線に向いたところではテレビ画面から完全に消えてしまった。これは大敗かもしれない・・・しかしナデシコは画面の映らないところで鬼脚を披露していたのだ。上がり最速で終わってみれば負けはしたが6着。きっちり上がりをまとめていることから、そのうちチャンスが来ると思った。
 そのチャンスがいきなりやってくる。舞台は同じ小倉芝1200m。鞍上は小牧騎手に変わった。レースは同じ勝負服のシルクブリッツがハナを切る。ナデシコはデビュー戦同様後方からレースを進める。デビュー戦を叩かれたことで一変したのか、4角から徐々に押し上げ直線を向いた時には完全に前を捉える状態であった。最速上がりを叩き出し、2着に1馬身1/4をつけ優勝。最後は追っていないため、追っていればもっと着差は広がったことだろう。
 この勝利で次戦に重賞「小倉2歳S」に出走することになった。私にとっては初めての重賞挑戦となる。今まで特別レースすら勝ったことがないのに、重賞など勝てるわけがないと思う一方で、ナデシコならやってくれるかもしれないと密かに期待していた。そんな折、レース当週の東京スポーツにナデシコの記事が出る。「小牧、本気でホレた シルクナデシコ」と題がついており、大きく写真も掲載されたのである。小牧騎手のコメントもあり、密かな期待が大きな期待へと変わっていくのが分かった。しかし、内枠を引いたことが不安材料であり、直前の雰囲気からも勝ち負けとまではいかないような気がしていた。レースはその不安が的中することになる。やはり後方からレースを進めたが、内々を進んだことが影響してか、なかなか外に持ち出せない。直線に向いた時にはまだ後方で、小牧騎手も馬郡を裁くのに時間を費やしてしまった。漸く外に持ち出せた時は時既に遅く、前を捉えることはできなかった。4着。惜しくも優勝は逃してしまったが、私にとっては十分楽しめた。実はこのレース、後の重賞3勝馬ワンカラット、重賞2着2回のレディルージュ。ナデシコ4着、ワンカラット5着、レディルージュ7着。今となっては完全に逆転されているが、この時はナデシコに軍配が上がっていたのだ。
 
 その他の現役愛馬は精彩を欠いた。シルクリベラルは矢野進調教師の最後を飾るべく出走するが、惨敗。矢野厩舎解散に伴い粕谷厩舎に転厩となり障害レースを使うものの、結果が出ることはなかった。そして脚部不安を発症し引退となる。平地のレースでは全くいいところがなかったが、障害に転向してからは飛越センスが発揮された。残念ながら2着が最高着順ではあるが、入障以来11戦、1度も落馬転倒をしたことがない。もう少し平地の脚があれば優勝していたことだろう。
 もう1頭のパスワードもリベラル同様であり、2008年前半戦は4着が最高着順だった。こちらも完全にクラスの壁を突破することができない。あれほどまでに期待した馬。もう一花咲かせたい気分である。

 そして2008年後半戦へ・・・

続き:愛馬5頭(パスワード/1勝、イーグル/1勝、ナデシコ/1勝、ラスカル/未出走)

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
シルクイーグル (シルクの竜巻)
2011-08-21 10:52:27
いい馬でしたね、初勝利まで結構掛かったのですね、気づきませんでした。病気さえなければまだまだやれたことでしょう。私としては、イーグルもメビウスも候補だったので、どちらか持ちたかったです。そろそろアーネストの出番ですか、アポロンも続きたいです。
返信する
シルクの竜巻さんへ (マネーチャイルド)
2011-08-21 14:15:58
読んでいただいてありがとうございます。イーグルは本当にいい馬でした。まだ6歳でしたし、あと最低でも10戦は消化できていたと思います。そうですか、竜巻さんはイーグルもメビウスも候補だったんですね。でも出資するなら間違いなくメビウスでしょう(笑)愛馬物語も随分と最近に近くなってきました。アーネスト登場もそろそろになるかもしれませんが、マイペース更新の愛馬物語ですので、いつになることやら(笑)アポロンは頓挫してしまいましたが、早く見たいですね。一緒に応援できる日を楽しみにしています。
返信する

コメントを投稿